赤字の投資物件も、物件自体は全然問題ないので、正しい値段であれば売却することは可能です。ただし、次に買われる方も損益通算を目的に買ってくれるかどうかは分かりません。当社だったら、節税効果を目的とした理由で売らないので、価格は当然当初よりも低くなります。
不動産投資が赤字かどうかは、買った値段がいくらかなのかが大きなポイントです。お客さんも、なんとか高くしてくれっていうのはもちろん分かりますが、次に買う方が赤字になっちゃうんだったら買わないでしょう。
投資マンション失敗

赤字とは、収入よりも支出が多く利益が出ていない状態を指します。一般的に、赤字が毎月のように続くと、資金が減っていき破産する可能性もある危険な状態です。
しかし、不動産投資の場合は、赤字状態でも一概に問題があるとはいえません。
不動産投資は、帳簿上の収支と実際のキャッシュフローが一致しないケースが珍しくないためです。とはいえ、不動産投資でもキャッシュフローがマイナスになる「悪い赤字」もあるので、状況を見極める必要があります。
本記事では、不動産投資の赤字や、赤字でも節税につながる損益通算の考え方を解説します。また、毎月赤字が続く場合の対策も紹介するので、不動産投資を成功させるためのご参考になれば幸いです。

目次
不動産投資における赤字には、いくつかのパターンがあります。赤字になる原因と併せて理解しておきましょう。
不動産投資における赤字には、大きく以下2つのパターンに分けられます。
帳簿上の赤字とは、キャッシュフローは黒字、損益計算書上では赤字になっている状態のことです。
不動産投資では、物件の設備や建物の劣化による価値の減少を、減価償却費として経費計上できます。そのため、帳簿上でのみ赤字になることがよくあります。
一方で、キャッシュフロー上の赤字とは、帳簿上だけでなく、実際にキャッシュフローがマイナスになっている状態のことです。
キャッシュフローがマイナスの状態が続くと、手元の資金が減少してしまうため、非常に危険な状態といえます。
不動産投資で赤字になる原因は多数あります。その中でも、問題がある赤字は以下が原因です。
上記の中でも、空室が発生したことで家賃収入がなくなり、赤字になるケースはよくあります。
すぐに次の入居者が見つかれば問題ありませんが、入居者が見つからず空室の状態が続いてしまうと、その期間家賃収入がなくなります。キャッシュフローが赤字になる原因になってしまうため、非常に危険です。
こういった事態を防ぐためにも、賃貸経営における空室対策は必ず考えておく必要があります。
問題がない赤字には、以下2つのケースがあります。
不動産の取得を優先するケースでは、たとえば毎月1万円の赤字が発生したとしても問題にはなりません。
毎月1万円の赤字が発生する2,200万円の物件を、20年ローンで購入するケースを例に、考えてみましょう。
この例では、20年間で240万円の赤字が発生しますが、即座に資産価値がある不動産を取得できます。20年目以降にはローンの返済がないため、大きな利益になる可能性があります。
一方で、貯蓄をして2,200万円の物件を購入するためには、20年かけるとすると年間110万円の貯蓄をする必要があります。年間110万円以上貯蓄できる方はそう多くないため、不動産の取得までに20年以上の期間がかかってしまうでしょう。
不動産の取得を優先した赤字は、結果的に得するケースが多いため、問題がない赤字といえます。
不動産投資で赤字が発生しており、利益が出ていない状態では、課税所得額が「0円」になります。そのため、不動産所得に対する税金は課税されません。
しかも、不動産投資で発生した所得を本業の収入から差し引ける、損益通算を活用できます。損益通算を活用すると、本業の課税所得金額が減少し、節税につながります。
赤字といえばよくないイメージがありますが、節税につながる最適な状態である可能性もあることを理解しておきましょう。
損益通算とは、不動産投資などで発生した赤字を、給与所得などから差し引ける仕組みのことです。不動産投資の赤字を、本業の収入から差し引くことで、課税所得金額が減少するため、節税につながります。
ただし、不動産所得が赤字でも損益通算できないケースもあるので、注意が必要です。
ここでは、不動産投資における損益通算について詳しく解説します。
物件を購入する際にローンを活用して取得する場合、ローンは建物と土地に分けて考えられます。
この際に、土地取得分の借入金利子で不動産所得が赤字になっている場合、損益通算が一定額しか認められません。
| 土地取得分の借入金利子-不動産所得の赤字額 |
上記よりも土地取得分の借入金利子の金額のほうが多い場合は、超過した金額部分の損益通算が認められます。
土地取得分の借入金利子のすべてに、損益通算が認められるわけではないことを覚えておきましょう。
不動産所得の赤字が別荘などの「生活に必要ないと考えられる」物件によって発生した場合は、他の所得から損益通算で赤字分を差し引くことはできません。
所得税法69条第2項によって、生活に必要ないと考えられる資産の中で、「趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産」で生じた損失額はないものとしてみなされるためです。
そのため、別荘の貸し付けによる不動産所得の赤字がある方は注意しましょう。
不動産所得が毎月赤字が発生している場合の、損益通算の計算例を紹介します。
不動産所得が毎月4万円の赤字で、給与所得が400万円とします。
1年間の赤字額は以下のとおりです。
| 1年間の赤字額=4万円 × 12カ月=48万円 |
損益通算後の課税所得金額は次のようになります。
| 課税所得金額=400万円(給与所得)-48万円(年間の不動産所得)=352万円 |
課税所得金額が352万円と、400万円よりも少なくなり、その分税金も抑えられます。
不動産投資で毎月問題がある赤字が続いている場合、放置してしまうとローンの返済が滞るなど、さまざまな問題が発生します。
そういった事態にならないためには、対策して赤字が続く状態から脱却する必要があります。
ここでは、毎月赤字が続く場合の対策について解説するので、赤字が発生している方は内容をよく確認して赤字脱却を目指しましょう。
アパート経営をしている方で空室率が高いために赤字が発生している場合は、管理会社を変更することが有効な対策になります。
管理会社が変われば入居者募集業務も変わり、空室率が下がる可能性もあります。もしも現状の管理会社に不満がある場合は、管理会社の変更をおすすめします。
管理会社を変更することで、入居希望者が集まりやすくなるだけでなく、委託管理料が安くなるケースもあります。現在委託している管理会社とよく比較検討しましょう。
ローン返済額が多すぎることが原因で毎月赤字が発生している場合は、ローンの借り換えをおすすめします。借り換えることで、金利が低くなり、毎月の返済額が少なくなる可能性があります。
また、返済期間を変更できる場合には、返済期間を長くすることで、毎月の返済額を抑えることもできます。
なお、ローンの借り換えは利子分の返済額が変更されますが、元本が減ることがないことは理解しておきましょう。
ローンの返済額が家賃収入よりも高く赤字が続いている場合は、ローンの繰り上げ返済を行うのが有効な対策のひとつです。
繰り上げ返済を行うことで、毎月のローンの返済額を引き下げることができます。
ただし、手元に資金的な余裕がない場合は控えるようにしましょう。物件の修繕などで資金が必要になったときに対処できなくなるおそれがあります。
資金的な余裕があり、ローンが原因で赤字が続いている場合は、繰り上げ返済を検討してみましょう。
不動産投資で赤字が続いており負担になっているなら、赤字額が膨れ上がらない早めの段階で、物件を売却するのも選択肢のひとつです。物件を売却することで、ローンを完済できるうえに、手元に資金が残る可能性があります。
ローンが完済できて手元に資金がほとんど残らなくても、資金の持ち出しはなくなります。
不動産投資が負担になっている方は、物件の売却を検討してみましょう。
なお、投資物件の売却は、住宅用の不動産よりも投資の知識などが必要で、注意点が多くあります。投資物件の売却実績が豊富な不動産会社に相談しましょう。
(株)TOCHU赤字の投資物件も、物件自体は全然問題ないので、正しい値段であれば売却することは可能です。ただし、次に買われる方も損益通算を目的に買ってくれるかどうかは分かりません。当社だったら、節税効果を目的とした理由で売らないので、価格は当然当初よりも低くなります。
不動産投資が赤字かどうかは、買った値段がいくらかなのかが大きなポイントです。お客さんも、なんとか高くしてくれっていうのはもちろん分かりますが、次に買う方が赤字になっちゃうんだったら買わないでしょう。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)
代表取締役伊藤幸弘
不動産投資で生じたマイナス部分を他の所得と通算をして、そのマイナスの部分を使って税金を還付するっていう効果があるんですよね。なので、赤字が出た分が戻せるので得だよねということを言う方がいます。ただ、これを目的で不動産投資を始めてはダメです。絶対にダメす。
なぜかと言うと、これは不動産投資自体がマイナスなんですよ。マイナスなものを使って赤字分を戻す。そもそもマイナスの不動産投資を続けて何の意味があるのでしょうか。よほど税金を払うのが嫌で、だからもう赤字出してでも還付受けるという考えですが、普通に考えたら不動産収入を増やして納税した方が良いはずです。
そもそも不動産投資っていうのは、当たり前ですが還付を受けるためにやるものではありません。不動産投資単体できちんとキャッシュフローがプラスになるように運営をすることが目的です。
最初から収支がマイナスな投資物件をプラスにすることは難しい。持っているだけでマイナスが広がっていくでしょう。古くなったら家賃下がるし、管理費とか修繕積立金、あと大規模修繕などのお金もかかります。
不動産投資なのにマイナスが出続けるってのは、投資になってないということです。大きな負債を抱えてる状態です。そもそも本業となる所得がなくなっちゃったら、損益通算もできません。本来、本業がなくなっても黒字で生活を支えてくれるというのが不動産投資のいいところじゃないですか。