投資マンション失敗
大阪での不動産投資は失敗する?その理由と始めるときの注意点を解説

大阪の物件で不動産投資をすると失敗する、というまことしやかな噂話を耳にします。大阪は東京に次ぐ大都市であり人口も多いため、賃貸需要はありそうですが、どのような理由で失敗してしまうのでしょうか。
目次
大阪の不動産投資市場について
大阪での不動産投資を検討している方は、まず大阪の不動産投資市場について理解する必要があります。大阪は東京に次ぐ第二の都市であり、経済や文化の中心地として多くの人が集まっているエリアです。
大阪市の人口は増加傾向にある
大阪市は、市区町村別の転入超過数が2020年に全国1位となるなど、人口の増加傾向が続いています。転入超過数とは、住民票に記載された住民票の変化を示す指標のことで、転入者数から転出者数を差し引いた数です。
総務省が発表している「住民基本台帳人口移動報告」によると、2020年の大阪市の転入超過数は1万6,802人となり、東京23区や神奈川県横浜市などを上回って全国1位の増加数となっています。
これは、コロナ禍で東京集中に歯止めがかかり、地方への移住やUターン・Iターンが増えたことや、大阪で働く人や学ぶ人が増えたことなどが要因と考えられます。人口が増えれば賃貸需要も高まりますし、不動産価格も上昇する可能性があります。
また、直近の2023年4月の人口移動の概況としても、大阪市の転入超過数は1,311人です。全国的に見たときに転入者数よりも転出者数のほうが多い都市もあるなかで、大阪は着実に人口が増加していることが読み取れます。
参考:住民基本台帳人口移動報告 2023年4月の人口移動の概況
大阪7大再生プロジェクトによる都市開発
大阪7大再生プロジェクトとは、大阪市が進める都市開発の総称です。大阪駅周辺、中之島、御堂筋、難波、大阪城公園、天王寺・阿倍野、臨海部の7つのエリアにおいて、文化・観光・産業・交通などの機能を強化する都市開発を進めます。
一般的には都市開発が進むことで交通アクセスや商業施設などへの利便性が向上することから、エリアによっては不動産価値や賃貸需要の上昇が期待できます。都市開発によって動く人口動態や将来的な市場動向を十分に調査・分析して投資判断を行いましょう。
2025年の大阪万博開催による経済効果
2025年には大阪市で大阪万博が開催される予定です。世界中から2,800万人余りの来場が見込まれており、約2兆円もの経済波及効果があると予測されています。
大阪万博による経済活性化により、大阪府外からの転入者が増加しさらに賃貸需要が高まる可能性があります。特に、単身者を中心とした労働者が流入することによって、大阪中心部のワンルームマンションの需要が高まることが期待できるでしょう。
また、外国人観光客の影響で、宿泊事業や小売業などのインバウンド消費による経済波及効果が大きいと考えられます。そのため、ホテルの建設ラッシュの影響で周辺の地価の上昇が見込まれ、長期的に見ても大阪の不動産投資市場は発展すると予想されます。
なお、2022年の大阪府の地価動向としては、住宅地、商業地、工業地いずれも上昇しています。エリアによって上昇、横ばい、下落はありますので、大阪で不動産投資をする際は投資するエリアの見極めが欠かせません。
大阪府の1年間の地価動向
| 2021年(前年比) | 2022年(前年比) | |
| 住宅地 | -0.2 | +0.4 |
| 商業地 | -0.9 | +1.6 |
| 工業地 | 0.6 | +2.1 |
参考:令和4年大阪府基準地価格調査(地価調査)の結果について
大阪での不動産投資は失敗する?その理由とは
大阪は人口が増加傾向にあることや、大阪万博による経済効果が見込まれることから、不動産投資の需要は高いと考えられます。
しかしその反面、大阪での不動産投資を失敗してしまう人もいるようです。その理由ついてみていきましょう。
ワンルームマンション条例
大阪には大手ワンルームマンションのデベロッパーの本社が多くあります。その理由の1つとして大阪は東京と比べてワンルームマンションの規制が緩いことが挙げられます。
大阪市では「大阪市ワンルーム形式集合建築物に関する指導要綱」という制度があります。この制度では、ワンルームマンションを建築する場合、住戸の専有面積が18㎡以上あることが定められています。
一方で東京23区でもそれぞれ、ワンルームマンション条例が設定されています。東京都の場合は、ほとんどの行政区で住戸の専有面積が25㎡以上であることが条件とされており、大阪よりも厳しい条件です。
ワンルームマンションの建設に制限を設ける背景には、自治体が単身者世帯の増加を抑制したいという意図があります。単身者は住所を変更せずに住民税を生まれた地に納めていることが多いです。そのため、ワンルームマンションの数を規制してファミリー世帯を増やすことが目的です。
ワンルームマンション条例が厳しい東京に比べて、大阪はワンルームマンションの建築が容易に行われる環境が整っているため、デベロッパーも多く進出しています。つまり、大阪はワンルームマンションがひしめき合っており、安易な考えで投資を行えば失敗するのは目に見えています。
大阪の不動産投資で失敗する人というのは、数多くあるワンルームマンションの中で賃貸需要のある物件を見抜く力がないままに始めるため失敗してしまいます。
入居付けに費用がかかる
大阪は入居付けに費用がかかる傾向にあります。具体的には、広告料の相場が他のエリアに比べると高いです。
広告料とは、仲介手数料とは別に客付けしてくれた不動産会社(入居者を探してきた)に支払う報酬のことで、「AD」とも呼ばれます。広告料がない物件もありますが、広告料がある物件のほうが多くの利益を上げられるため、不動産会社は広告料のある物件を優先してお客様に紹介します。
つまり、空室期間を短くするために多くの大家が広告料を客付けの不動産会社に支払います。東京では広告料が付いていない物件も多く、付いていても相場は募集家賃の1カ月分です。
一方で大阪では、広告料の相場が募集家賃の2〜3カ月分です。募集物件がよほど条件がよければ、広告料は不要かもしれません。しかし、そうでない場合は相場に近い、または相場以上の広告料を付けなければ入居者は決まりにくいでしょう。
不動産投資を始める際に、物件を募集する際の費用というのは見落としがちです。広告料を低く設定して、空室期間が長くなってしまったために計画どおりの資金計画にならなかったというケースもあります。
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大阪での不動産投資はやめるべき?始めるときの注意点は?
大阪の不動産投資市場は、今後も発展すると予想されるエリアが多くあります。そのため、注意点さえ守れば大阪で不動産投資を始める価値は大いにあります。
金融機関の開拓から始める
不動産投資をする際は、金融機関からの融資を活用して物件を取得することが一般的です。融資を活用することでレバレッジがかかり、自己資金以上の運用を行えるのが不動産投資の大きなメリットです。
不動産投資は金融機関からの融資ありきで進められます。たとえ物件が気に入ったとしても融資がつかなかったら購入できないこともありますので、大阪で不動産投資を始める際は事前に金融機関の選択肢や条件を確認することから始めましょう。
エリアによって投資リスクが異なる
大阪市内でもエリアによって人口動態や住宅需要は異なります。都心6区といわれる北区、中央区、西区、福島区、浪速区、天王寺区はビジネス街や繁華街に近く、交通の便もよいことから人気が高いエリアです。そのため、人口増加や再開発によって地価や賃貸需要が高まっています。
しかし、その周辺のエリアでは人口減少や少子高齢化によって住宅需要が縮小しています。大阪での不動産投資を検討する際は、エリアの人口動態や賃貸需要などをしっかりと調査したうえで始めるようにしましょう。
ワンルームマンションがおすすめ?
大阪で不動産投資をするのであれば、ワンルームマンションの購入を検討することをおすすめします。大阪市内では都心6区である北区や中央区などの繁華街やオフィス街に近いエリアや、難波や御堂筋などの都市開発エリアが人気です。
これらのエリアは公共交通機関の交通アクセスもよく、利便性が高いことから単身者向けのワンルームマンションの賃貸需要も高い傾向にあります。大阪でワンルーム投資をする場合、エリアの選択を間違えないことが失敗を防ぐためのポイントです。
他にも、マンションの管理状況や室内設備なども重要です。管理が行き届いたマンションであれば修繕費用やトラブルの発生率も低く、入居者満足度も高いことから家賃下落率や空室率を抑えられます。
このようにワンルームマンションは、エリアや物件の選定をミスしなければ失敗する確率が少ない投資手法です。もちろん必ず成功するという保証はありませんが、ポイントを抑えた投資を行えば失敗することはそうないでしょう。
ただし、ご自身で考えたエリアや物件が投資対象として本当に選んでよいのか不安に感じることもあるかもしれません。大阪での不動産投資に失敗したくない方は不動産会社に相談することをおすすめします。
大阪エリアに詳しい不動産会社であれば、エリアごとの今後の流れも把握していますし、賃貸需要の有無も把握しています。実際に毎日お客様と接している不動産会社の意見は、投資をする際に非常に役立つことでしょう。
これから大阪で不動産投資を検討している方はぜひ一度不動産会社に相談してみましょう。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)



