投資マンション基礎知識
ワンルームマンションの価格推移について、東京の相場情報を専門会社が解説

ワンルームマンション投資家にとって、投資した不動産の売りどきを見極めるうえで、最新市場の動向を把握することはとても重要です。
市場はその時の金利や株価など、さまざまな社会状況によって変化するので、最新情報をチェックして大まかな流れだけでもつかんでおきましょう。
今回はワンルームマンション専門業者が、最新の成約事例をもとに価格の推移を解説します。
これから売買取引を検討しているオーナーさまは必見、売るタイミングの判断にお役立てください。
また、市場相場だけでなく、築年数による価格への影響、金利や株価と中古マンション価格の関係についても、わかりやすく説明しています。
目次
新築と中古のワンルームマンション価格の推移【2024年最新版】
ワンルームマンション投資では、立地や築年数、設備状況など、さまざまな要因で物件の評価が変わります。それらの影響を受けて価格は常に変動していくため、最新の価格動向を把握しておくことが、失敗のリスクを避けるうえで欠かせません。
ワンルームマンション価格の推移について解説します。
2013年から10年連続で価格が上昇している
国土交通省の「不動産価格指数」は、不動産価格の推移を把握するのに参考になります。
不動産価格指数は、2010年の平均価格を100としたうえで四半期ごとの物価を示した指数のことです。これを見ると、マンション価格は2013年から10年連続で上昇しており、中国不動産バブルや新型コロナの影響は多少あったものの下落することはありませんでした。

国土交通省「不動産価格指数」より
また、マンションは戸建住宅や住宅地に比べて、上昇率が高いことがわかります。マンション全体が上昇傾向にあることから、ワンルームマンション価格も同様に上昇していると予想できます。
中古ワンルームマンションも価格が上昇
中古ワンルームマンションの価格推移は、不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )の「収益物件市場動向四半期レポート」 が参考になります。
収益物件専門サイトである健美家に登録された収益物件の価格・利回りの推移は以下のとおりです。新築物件も登録されますが、ほとんどが中古物件であるため、中古ワンルームマンションの価格推移を把握するために、参考になるデータです。

健美家 ( けんびや )の「収益物件市場動向四半期レポート」より
2014年7月ー9月は約1,200万円だったのに対し、2023年4月ー6月は約1,700万円と、約500万円近く上昇していることがわかります。
また、価格の上昇に伴って利回りが減少しています。これは、物件価格は市場に合わせて柔軟に変動するのに対し、賃料を上げることは比較的困難なためだと考えられます。
借地借家法で、賃貸借契約期間中は特段の事情がない限り、貸主が一方的に家賃の値上げができません。周辺相場に比べて、著しく家賃が低いなどの理由がない限り、家賃の値上げは難しいです。
主要都市では今後も価格が上昇傾向
マンション価格は、とくに首都圏や東海圏、近畿圏の上昇幅が大きく、利便性の高い都会でコンパクトな部屋を求める人口層が増加しています。
首都圏はオリンピック後に多少の下落はありながらも、駅前を中心に価格は上昇を維持しています。
人口が大都市に集中し、地方で減少する二極化が進んでいることもあり、ワンルームマンションの投資は首都圏など、人口の増加が見込めるエリアで検討するのがおすすめです。
より詳しいデータ、2024年までの価格・賃料などについてはこちらで詳しく紹介しています。
東京都23区ワンルームマンション成約価格・賃料・利回りに関するトレンド調査【2017~2024】
投資マンションのリアルを語る
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東京23区のワンルームマンション価格推移※2021年までのデータ
はじめに最新の東京23区のワンルームマンションの価格推移について、グラフをもとにみていきましょう。
元のデータは、2021年1月から7月までの成約事例1517件から算出しています。(自社成約、レインズ事例より)
ワンルームマンションの平均㎡単価の推移(2021年成約データ)
上の図は、東京都における今年はじめから7月までの直近7カ月、東京都の35平米以下のワンルームマンション平均㎡単価の推移です。
価格が微増しているということは、金融機関からの融資が積極的な状況が続いているので、物件が不足している状態といえます。また、最近の傾向として、海外の投資家の購入も続いており、世界的に不動産の価格が上昇しています。
より詳しいデータ、2024年までの価格・賃料などについてはこちらで詳しく紹介しています。
東京都23区ワンルームマンション成約価格・賃料・利回りに関するトレンド調査【2017~2024】
ワンルームマンションの築年数による価格の変化グラフ(2021年成約データ)
次に築年数とワンルームマンション価格の関係をみていきましょう。
一般的に、築年数が古くなると価格が安くなるといわれていますが、どのぐらい影響が出るのか成約データをもとにグラフを作成しました。売却のタイミングの参考にしてください。
購入から10年ぐらいは値下がりが早く、それ以降はゆっくり低下していきます。
1994年以前の物件は、価格が下げ止まっているように見えます。しかし、それらの物件はバブル経済崩壊後の第6次マンションブーム前に建設されており、その多くが価格の大きく下がらない港区などの都心5区に建てられていることが要因だと思われます。好立地の物件は古くなっても、価格が下がらないことが分かります。
中古マンションの過去10年間の価格推移
ワンルームマンション投資において、中古マンションの傾向を把握することも重要です。なぜなら、中古マンションの価格の推移がワンルームマンションの価格にも影響を与えるからです。
それでは、中古マンションの過去10年間の価格の推移をみていきましょう。
中古マンションの価格推移グラフ
上の図は、2008年〜2020年の中古マンション平均㎡単価推移のグラフです。
図からわかるように2014年から値上がり傾向にあり、2014年と2020年を比較してみると、首都圏、東京ともに約30%値上がりしています。値上がりの原因としては、金利低下やワンルームマンションを取り扱う金融機関が増えたこと、株価の上昇による不動産市場の活発化、海外の不動産投資家増が要因として考えられます。
10年後のワンルーム価格や、値下がりしない物件の特徴についてはこちらで詳しく紹介しています。
ワンルームマンション、10年後の価格はどうなる!?値下がりしにくい物件とは?
長期金利と価格の影響グラフ
上の図は2010年〜2020年の間の公示地価と長期金利の推移を表しています。
金利が下がると、低金利の恩恵を期待して住宅ローンを組む人が増えるため、不動産価格が上がります。図でわかるように金利と不動産価格は逆相関関係にあります。
2014年以降のアベノミスクによる金融緩和により、金利がほぼゼロ近くまで下がっていくのに呼応するように、不動産価格は反対に上昇に転じています。投資マンションの場合も同様です。利回りは金利と同じ動きをします。金利が下がれば、期待利回りが下がっても買い手がいるため、マンション価格は上がります。
ワンルームマンションの利回り相場については下記から確認してください。
【ワンルームマンション投資の利回り相場】計算方法や考え方を解説
日経平均株価と価格の影響グラフ
次に株価と不動産価格の関係をみていきましょう。
株価と不動産価格は同じような値動きになります。株価上昇による資産効果により、市中に資金が流れてきます。市場は金余りの状況になり、金融機関による融資も活発化するので、その結果、不動産などの資産にも資金が流れてくるのです。一般的に不動産価格は、半年遅れで株価の影響を受けるといわれています。
ワンルームマンションの価格予想
最後に、今後のワンルームマンションの価格についての予想です。
現在、投資マンションの融資が続いており、今のところ、急激な下落は考えられません。しかし、コロナによる経済的な損失により倒産や失業が増えると、金融機関が融資に対して消極的になり、不動産融資から撤退をする可能性があります。
また、不景気になると、不動産の購入を希望する買主の年収減少などにより、物件を売りたくても買い手がつかない事態も予想されます。
今後は、全体的な日本経済の影響を受けて、価格は落ちていくと予想します。2021年以降、世界的に金利は上昇傾向にあります。
世界的に金利が上昇すると、日本だけが低金利を続けることができなくなります。金利が上昇することで、期待利回りが高くなるので、物件の価格は下がると予想されます。
問題は物件価格下落のタイミングがいつになるかです。
大きく価格が下がる前に、いつでも売却できる準備をしておきましょう。まずは、売却査定をして自分の持っている物件の価格を知っておくことは戦略的に重要です。
新型コロナは投資用ワンルームマンションの価格に影響はあった?
新型コロナは世界中の経済に大きな打撃を与えましたが、日本の不動産投資業界にも大きな影響を与えました。こうした事態は今後も起こる可能性があるため、新型コロナによってワンルームマンションの価格がどのように変化したのかを知っておく必要があります。
海外の投資家が購入をストップした
コロナ過でまず一番最初に表面化したのは、海外の投資家がワンルームマンションを購入しなくなったという影響でした。
とくに中国からの資本流入がなくなり、中国不動産バブルが弾けたことで安全な日本の不動産を購入するという流れがストップしたことが、ワンルームマンションの価格に大きく影響することになりました。
これにより、ワンルームマンションが供給過多となり、一時的に価格が下落しました。
投資用ではなく自己所有用としての購入は伸びた
コロナの影響はワンルームマンションを保有している投資家の心境も変化させ、これまで投資用物件として保有していたワンルームマンションを自己利用する人が増加しました。
緊急事態宣言で賃貸需要が大幅に落ち込んだこともあって、不動産投資家はワンルームマンションの活用を考えなければいけませんでした。
緊急事態宣言明けも、リモートワークの定着により自宅で仕事をする人が増えたため、空室をそのままにするのではなく効率良く自己利用することがワンルームマンションの有効活用方法となりました。
現金化するための売却件数も増加した
新型コロナによって国内外の投資家が購入を一時的にストップしましたが、経済の見通しが立たないことに不安を感じ、売却を検討する投資家が増加しました。
これにより、ワンルームマンションは収益物件として多く公開され、供給過多による価格の下落が起きたのもこの時期です。
しかし、日本よりも早く新型コロナの影響が少なくなった海外では再び不動産投資が活性化し、優良な日本のワンルームマンションが安く買えるという理由からすぐに需要と供給のバランスが戻ることになりました。
その結果、ワンルームマンションの価格は一時的な下落に落ち着き、順調に上昇することになったと考えられています。
関連記事:ワンルームマンション売却の流れ。知っておきたい売買契約の注意点
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ワンルームマンション市場の今後の展望
ワンルームマンションは中国不動産バブルや新型コロナの影響を受けたにも関わらず、価格は上昇を続けています。
このことからも、ワンルームマンションを購入し不動産投資を検討する投資家も増加傾向にあり、それに伴い都市部では駅前を中心に多くの投資用物件が不動産ポータルサイトに公開されています。
過去のトレンドを踏まえたうえで、今後のワンルームマンション市場について展望を解説します。
多様性に対応したワンルームマンションは増加している
これまでワンルームマンションは単身世帯を想定していましたが、今後はDINKSや結婚をしていないパートナー、高齢世帯などさまざまな世帯への対応が求められます。
時代とともに変化する世帯構造に対応できるワンルームマンションは常に入居者を確保することができ、競合のワンルームマンションでは受け入れできない世帯もターゲット層にできることから収益計画の幅を広げられます。
つまり、ライフスタイルの変化に対応できるワンルームマンションの使い方が今後重要になるといえます。
また、これまで以上に不動産ポータルサイトに公開しているワンルームマンションの募集内容にこだわり、さまざまな世帯から反響を得る工夫が必要です。
今後もワンルームマンションの需要は増加すると思われる
単身者が増えている日本では、今後もワンルームマンションの需要は増加し続けると思われます。
とくに都市部の駅前物件は収益性も高く、売却しやすいことからおすすめです。また、万が一の自己利用としても活用しやすいことからおすすめの不動産投資といえます。
ただし、将来的には都市部に人口が集中する傾向にあることから、投資の拠点にするエリア選定は非常に重要です。
今後の投資については不動産会社などのプロに相談することがポイントとなります。
出口戦略はしっかり検討する
不動産投資の中でもワンルームマンションは初期投資費用が少なく初心者がスタートしやすい投資です。
しかし、何の計画性もなくワンルームマンション投資をスタートさせるのは危険です。どのタイミングでいくらで売るのかを購入時から決めておくことが重要です。
これは「出口戦略」と呼ばれており、賃料収入と売却による手残り額の合計で利益がでるように計画することがポイントとなります。
そのためにも不動産価格指数や各エリアのトレンドを読み取り、売却のタイミングと価格を見誤らないことが今後も大切だといえます。
ワンルームマンションの価格に関するご相談はTOCHUまで
TOCHUは、ワンルームマンション専門の不動産会社です。
ワンルームマンション経営におけるお悩みや、価格の詳細な査定などについてのご相談にも承ります。
こちらの記事では、ワンルームマンション売却に関してわかりやすく解説しています。あわせてお読みください。
ワンルームマンション売却を専門業者が解説!高く売るタイミング・成功のコツ・注意点【総まとめ】
より詳しいデータ、2024年までの価格・賃料などについてはこちらで詳しく紹介しています。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)










