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不動産投資を個人事業主で行うメリット・デメリット。借入や運用のポイントも紹介

不動産投資を個人事業主で行うメリット・デメリット。借入や運用のポイントも紹介

近年、働き方の多様化とともに個人事業主として活動する人が増える中、不動産投資は魅力的な収益源として注目を集めています。政府が推進する働き方改革により副業が容認される企業が増え、サラリーマンが不動産投資を始める際は、税務署に開業届を提出することで個人事業主として不動産投資を始めることができます。

個人事業主として不動産投資を行う際は、サラリーマン投資家とは異なる特有のメリットと制約があることを理解しましょう。
不動産投資を個人事業主で行うメリット・デメリット。借入や運用のポイントも紹介

目次

個人事業主として不動産投資をする意味・意義

個人事業主として不動産投資を行うことは、単なる資産運用だけでなく事業としての側面を持つ重要な意味があります。これにより、税制上の優遇措置を活用できるだけでなく、長期的な資産形成戦略の一環として位置づけることができます。

個人事業主とサラリーマン投資家との違い

個人事業主とサラリーマン投資家の最も大きな違いは、事業としての認識と税制上の扱いにあります。サラリーマンが副業として不動産投資を始める場合でも、開業届を提出することで個人事業主となり、不動産所得に対して事業所得としての扱いを受けることができます。

サラリーマンが不動産投資を始めるときは、会社を辞めるのではなく、サラリーマンをしながら副業として行うのがおすすめです。収入が安定しているほうが、不動産投資のための融資を受ける際に有利に働くからです。

純粋な個人事業主の場合、収入の安定性が課題となります。個人事業主や自営業が不利と言われているのは、金融機関からの信用度がサラリーマンと比べて低く評価される傾向があるためです。

不動産投資が個人事業主にもたらすメリット

個人事業主が不動産投資を行う最大のメリットは、事業所得としての税制優遇措置を活用できることです。個人事業主として不動産投資を行う場合、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。

個人事業主として不動産投資を行うことで、家族への給与は所得控除を受けられます。白色申告の場合、配偶者は86万円、配偶者以外は50万円の所得控除が可能です。これにより、家族を事業に参画させることで所得を分散し、税負担を軽減することができます。

経費計上の面でも大きなメリットがあります。個人事業主は所得の一部を経費にできます。例えば、不動産投資家の勉強会の参加費、書籍代、交通費などは経費計上することができます。

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不動産投資の基本知識(個人事業主にも共通の部分)

不動産投資を始める前に、基本的な仕組みと収益構造を理解することは成功への第一歩です。個人事業主として取り組む場合でも、これらの基礎知識は変わりません。

収益の種類:インカムゲインとキャピタルゲイン

不動産投資による収益は主に2つの形態に分類されます。インカムゲインは家賃収入による継続的な収益であり、不動産投資の中核を成します。キャピタルゲインは物件売却時の価格上昇による一時的な利益です。

個人事業主の場合、安定したキャッシュフローを重視する観点から、インカムゲイン重視の運用が推奨されます。本業の収入が不安定になりがちな個人事業主にとって、定期的な家賃収入が経営の安定化に寄与するためです。

利回りの考え方

利回りの計算において、個人事業主は特にキャッシュフロー重視の視点が重要です。表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割った単純な指標ですが、実質的な収益性を測るには実質利回りを考慮する必要があります。

実質利回りでは、管理費、修繕費、固定資産税、不動産管理会社への委託料などの諸経費を差し引いて計算します。個人事業主の場合、これらの経費を事業経費として計上できるため、税務面でのメリットも考慮した総合的な判断が求められます。

不動産投資の形態・種類

不動産投資には様々な形態があり、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。区分マンション投資は初期投資額が比較的低く、個人事業主が始めやすい形態ですが、空室リスクが高いという特徴があります。

一棟アパート・マンション投資は高い収益性が期待できる反面、初期投資額が大きく、個人事業主の場合は融資の壁が高くなる可能性があります。戸建て投資や駐車場経営は比較的管理が簡単ですが、地域性に大きく依存するという特徴があります。

不動産投資ローンの基本と審査ポイント

不動産投資を始めるにあたって資金が必要となります。一般的に頭金・諸経費合わせて物件価格の15~30%必要といわれています。個人事業主の場合、この自己資金比率がより重要になります。

不動産投資ローンの審査では、収益不動産の資産性が重視され、それにプラスして契約者の属性も調べられます。特に個人事業主の場合、収入の安定性が課題となるため、過去3期分の確定申告書や決算書の提出が求められることが一般的です。

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個人事業主が不動産投資をする際のメリットと制約

個人事業主が不動産投資を行う際は、税制面でのメリットがある中で、融資面での制約も存在します。これらを正しく理解することが成功の鍵となります。

節税効果・経費計上の活用方法

個人事業主として不動産投資を行う最大のメリットは、先述した節税効果です。青色申告特別控除による最大65万円の所得控除に加え、不動産投資に関連する様々な費用を経費として計上できます。

具体的には、物件の減価償却費、修繕費、管理費、保険料、税金、融資の利息、不動産投資関連の書籍代、セミナー参加費、交通費、通信費の一部なども経費計上が可能です。自宅の一部を事務所として使用している場合は、家賃や光熱費の一部も按分して経費計上できます。

キャッシュフロー改善・収入補填機能

本業と賃貸収入の2本立ての収入を確保しつつ、将来の別事業展開に向けて資金を備えられるメリットがあるのです。個人事業主にとって、収入源の多様化は事業の安定性向上に直結します。

特に個人事業主の本業が季節性の影響を受けやすい業種の場合、毎月安定した家賃収入は経営の安定化に大きく寄与します。本業の業績が一時的に落ち込んだ際の収入補填機能も期待できます。

借入・融資を引きやすくする条件・工夫

個人事業主が融資を受けやすくするためには、いくつかの重要なポイントがあります。融資を受けるには一般的に、過去3期分の黒字決算書の提出が求められますため、安定した事業実績の構築が不可欠です。

自己資金の充実も重要な要素です。個人事業主の場合は金融機関からの融資を受けにくいケースもあるため、自己資金をある程度準備しておくなど、事前に計画を練っておくことが大切です。一般的に、物件価格の20~30%の自己資金を用意できれば、融資審査において有利に働きます。

個人の信用情報の管理も重要です。クレジットカードやローンの滞納は信用問題に大きく関わります。過去のデータも一定期間は残っているため審査に影響する可能性があります。

事業者としてのリスク・信用リスク・収入変動リスク

個人事業主として不動産投資を行う場合、サラリーマン投資家とは異なるリスクを抱えることになります。最も大きなリスクは収入の不安定性です。本業の業績悪化と不動産投資の空室が同時に発生した場合、返済能力に深刻な影響を与える可能性があります。

個人事業主の場合、個人で責任を負うリスクが発生します。これは法人と異なり、事業の負債についても個人が無限責任を負うことを意味しています。

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融資・借入・審査時に押さえておくべきポイント

個人事業主が不動産投資融資を受ける際は、サラリーマンとは異なる審査基準を理解し、それに応じた準備を行う必要があります。

個人事業主の収入証明・所得実績の扱われ方

個人事業主の場合、収入の証明方法がサラリーマンと大きく異なります。給与明細や源泉徴収票の代わりに、確定申告書(控)、青色申告決算書または収支内訳書、所得証明書、納税証明書などの提出が求められます。

個人事業主としてすでに事業を行っている場合には、確定申告書の準備する必要があります。融資を受ける場合、あなたに返済能力があるのかどうかをチェックされているのです。

金融機関は通常、過去3期分の実績を求めます。この期間は連続して黒字決算であることが望ましく、売上高や所得の安定性、成長性も重要な評価要素となります。

自己資金比率・返済余裕度・返済負荷率の考え方

個人事業主の場合、より高い自己資金比率が求められる傾向があります。これは収入の不安定性を自己資金でカバーするという金融機関の判断によるものです。一般的に、サラリーマンが10~20%の自己資金で融資を受けられる物件に対し、個人事業主は25~35%程度の自己資金が必要になることが多いです。

返済負荷率についても、個人事業主はより厳格な基準が適用されます。年間返済額が年収に占める割合は、サラリーマンの場合30~35%程度が上限とされることが多いのに対し、個人事業主の場合は25~30%程度に抑えられる傾向があります。

担保評価・物件の担保性チェック基準

不動産投資融資において、購入予定物件の担保価値は重要な審査要素です。金融機関は物件の立地、築年数、構造、管理状態、周辺環境などを総合的に評価して担保価値を算定します。

個人事業主の場合、より保守的な担保評価が行われることが多く、物件価格の60~80%程度の担保価値しか認められないケースもあります。そのため、収益性が高く、将来的な資産価値の維持が期待できる物件を選定することが重要です。

銀行が重視するポイント

金融機関が個人事業主の不動産投資融資で特に重視するのは、物件の収益性と持続可能性です。想定される家賃収入に対する返済額の割合は1.2~1.3倍以上が目安とされています。

物件の管理状態や入居率の実績も重要です。既存物件の場合は過去の入居率実績、新築物件の場合は周辺類似物件の入居率データなどが参考にされます。管理会社の実績や管理体制の充実度も評価要素として考慮されます。

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個人事業主が成功するための物件選定・ポイント

個人事業主が不動産投資で成功するためには、物件選定から出口戦略まで、一貫した戦略的視点が必要です。

立地・需要の見極め

立地は不動産投資成功の最も重要な要素の一つです。個人事業主の場合、管理に多くの時間を割けない可能性があるため、需要が安定している立地を選ぶことが特に重要です。

駅徒歩10分以内、できれば5分以内の物件は空室期間の短縮と家賃水準の維持に有効です。大学や大手企業、病院などの安定した賃貸需要の源泉がある地域を選ぶことで、長期的な収益の安定性を確保できます。

築年数・建物品質・修繕履歴チェック

個人事業主は突発的な修繕費支出に対する資金的余裕がサラリーマンと比べて限定的な場合があるため、建物の状態確認は特に重要です。築年数だけでなく、過去の修繕履歴、大規模修繕の実施状況、長期修繕計画の内容を詳細にチェックする必要があります。

新築物件の場合は建築会社の実績や使用材料の品質、工事監理の体制などを確認し、将来的な修繕リスクを最小化することが重要です。

管理方式・管理会社の選定

個人事業主にとって管理会社の選定は事業成功の鍵を握ります。本業に専念するためには、信頼できる管理会社への委託が不可欠だからです。管理会社の選定では、入居率実績、管理戸数、地域での実績、管理費用の妥当性、緊急時の対応体制などを総合的に評価する必要があります。

管理委託契約の内容も重要です。入居率保証の有無、免責期間の設定、更新時の条件変更可能性などを詳細に確認し、長期的な収益安定性を確保できる契約を締結することが重要です。

賃料設定・収支シミュレーション

個人事業主は収入変動リスクがあるため、収支シミュレーションはより保守的に行う必要があります。想定賃料は周辺相場の最低水準に設定し、空室率は5~10%程度を見込むことが安全です。

年間の修繕費は家賃収入の5~8%程度、管理費・清掃費は3~5%程度を予算として確保し、税金、保険料、管理会社への委託料なども含めた総合的な収支計画を策定することが重要です。

出口戦略・売却可能性を念頭に置いた設計

不動産投資は長期投資が基本ですが、個人事業主の場合は事業環境の変化により売却が必要になる可能性も考慮する必要があります。そのため、物件選定段階から将来の売却可能性を検討することが重要です。

立地の将来性、建物の陳腐化リスク、大規模修繕の時期、周辺環境の変化可能性などを総合的に評価し、10~15年後においても資産価値を維持できる物件を選定することが成功の鍵となります。

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リスク・注意点と失敗パターン

個人事業主が不動産投資を行う際は、特有のリスクパターンを理解し、適切な対策を講じることが重要です。

収入が不安定な事業主が借入を重視しすぎて返済困難に陥るケース

収入が不安定な事業主が借入重視しすぎて返済困難に陥るケースは、個人事業主の不動産投資における最も深刻なリスクの一つです。本業の収入が減少した際に、不動産投資の収益だけでは借入返済をカバーできなくなる状況です。

この問題を回避するためには、借入金額を年収の5~7倍程度に抑制し、本業収入がゼロになっても1~2年程度は返済を継続できる資金的余裕を確保することが重要です。複数の収入源を確保し、リスクの分散を図ることも有効な対策となります。

空室リスク・家賃下落リスク・滞納リスク

空室リスクは不動産投資における基本的なリスクですが、個人事業主の場合はより深刻な影響を与える可能性があります。本業収入が不安定な中で家賃収入も途絶えると、資金繰りに深刻な影響を与えるからです。

家賃下落リスクも長期的な収益性に大きな影響を与えます。周辺に新築物件が供給された場合や、地域の人口減少により賃貸需要が低下した場合など、様々な要因により家賃水準が下落する可能性があります。

滞納リスクについては、入居者審査を厳格に行い、保証会社の利用や連帯保証人の設定により対策を講じることが重要です。

過少修繕・見えない劣化リスク・維持管理コスト見誤り

個人事業主は修繕費の支出に対して慎重になりがちですが、過度の修繕費削減は将来的により大きな問題を引き起こす可能性があります。建物の劣化を放置することで、大規模修繕が必要になったり、入居率の低下や家賃下落を招いたりするリスクがあります。

維持管理コストの見誤りも深刻な問題です。築年数の経過とともに修繕費は確実に増加するため、長期的な修繕計画を策定し、計画的に積立を行うことが重要です。

税務調査リスク・経費計上誤りによる追徴課税リスク

個人事業主として不動産投資を行う場合、税務申告における経費計上の妥当性が重要な論点となります。税務調査リスク・経費計上誤りによる追徴課税リスクは、個人事業主特有のリスクとして認識しておく必要があります。

不適切な経費計上により税務調査の対象となり、追徴課税や延滞税、重加算税の負担が発生する可能性があります。プライベートな支出と事業経費の区分、減価償却の計算方法、修繕費と資本的支出の判定などについては、税理士等の専門家のアドバイスを受けることが重要です。

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コラム監修

コラム監修

伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント

プロフィール

2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。

専門分野

・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング

メディア掲載・業界実績

投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。

保有資格

・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人

著書・実績

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)

『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)

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