サブリース契約を結んでいるオーナー様の中には、「解約したいのに応じてもらえない」「借地借家法や正当事由と言われても、何を意味するのか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実際、サブリース契約は通常の賃貸管理契約とは性質が異なり、オーナー側からの解約は簡単ではありません。
契約書に中途解約条項があっても、借地借家法の考え方や正当事由の有無、違約金や立退料の問題が絡み、交渉が長引くこともあります。
この記事では、サブリース契約が解約しにくい理由、実際の解約の成功率は何%なのか、正当事由の考え方、判例、解約の流れ、注意点、解約後の選択肢までを、実務目線でわかりやすく解説します。

結論|サブリース契約は解約できるが、通常の管理契約より難しい
サブリース契約は、まったく解約できないわけではありません。
ただし、通常の賃貸管理契約と比べると、オーナー様の判断だけで自由に解約できるものではなく、実際にはハードルが高い契約です。
その理由は、サブリース契約が単なる管理委託契約ではなく、サブリース会社が借主となる賃貸借契約の性質を持っているためです。
そのため、オーナー様が「解約したい」と考えても、契約書の内容だけでなく、借地借家法や正当事由の有無が問題になることがあります。
「管理会社を変えたい」という感覚でサブリース契約を見直すと、思っていた以上に条件が重く、すぐには解約できないケースも少なくありません。
まずは、通常の賃貸管理契約とは何が違うのかを整理したうえで、サブリース契約特有の難しさを理解しておくことが大切です。
解約自体は不可能ではない
サブリース契約は、解約そのものができない契約ではありません。
実際には、契約期間や契約条項、交渉の進め方によって、解約に至るケースもあります。
ただし、オーナー様が「やめたい」と思ったからといって、すぐに契約を終了できるとは限りません。
契約書上の中途解約条項や更新条件のほか、法的な整理が必要になる場合もあります。
そのため、サブリース契約の見直しを考える際は、「解約できるかどうか」だけでなく、「どのような条件なら進められるのか」という視点で確認することが重要です。
借地借家法と正当事由が壁になる
サブリース契約の解約が難しい大きな理由の一つが、借地借家法の考え方です。
サブリース会社は借主として保護される立場にあるため、オーナー様から一方的に契約を打ち切ることは簡単ではありません。
特に問題になるのが、正当事由です。
オーナー様側から契約を終了したい場合、単に「収支が悪い」「別の会社に変えたい」といった理由だけでは足りず、法的に見て合理的な理由があるかどうかが重要になります。
この点が、通常の管理契約とは大きく異なるところです。
通常の賃貸管理契約とは難しさが異なる
通常の賃貸管理契約であれば、管理業務を委託している会社との契約を終了する形になるため、契約内容に従って通知を行えば進めやすいケースが多いです。
一方、サブリース契約では、サブリース会社が借主という立場になるため、解約時の整理はより慎重になります。
つまり、同じ「管理会社を変えたい」という目的でも、通常管理とサブリースでは難しさの性質が異なります。
この違いを理解せずに進めてしまうと、想定外の時間やコストがかかることもあります。
サブリースの解説
通常の賃貸管理契約とサブリース契約の違い
サブリース契約を正しく理解するためには、まず通常の賃貸管理契約との違いを押さえておくことが大切です。
どちらも不動産の管理に関わる契約ではありますが、契約の構造そのものが異なります。
この違いを理解していないと、「管理会社を変えたいだけなのに、なぜこんなに話が複雑になるのか」と感じやすくなります。
サブリース契約の解約が難しい理由も、ここにあります。
管理委託契約はオーナーが貸主
通常の賃貸管理契約では、オーナー様が入居者に対する貸主です。
管理会社は、その物件管理や家賃集金、入居者対応などを委託されている立場にすぎません。
そのため、オーナー様が管理会社との契約を終了したい場合は、管理委託契約を解約するという整理になります。
契約書に定められた予告期間や条件を守れば、比較的進めやすいケースが多いのが特徴です。
サブリース契約はサブリース会社が借主
一方、サブリース契約では、サブリース会社がオーナー様から物件を借り上げ、そのうえで入居者へ転貸する仕組みになります。
つまり、オーナー様とサブリース会社の関係は、単なる管理委託ではなく、賃貸借契約の性質を持っています。
このため、サブリース会社は借主として保護される立場になり、通常の管理会社以上に強い立場を持つことがあります。
ここが、解約の難しさにつながる大きなポイントです。
解約や賃料改定で差が出やすい
通常の管理契約とサブリース契約の差は、特に解約と賃料改定の場面で大きく表れます。
通常の管理契約であれば、管理会社変更や契約終了は比較的進めやすい一方、サブリース契約では借地借家法の考え方が絡み、オーナー様の意向だけでは進めにくいことがあります。
また、賃料保証の見直しや条件変更についても、サブリース契約ではオーナー様が想定しているよりも制約が大きいケースがあります。
そのため、「管理の一形態」として軽く考えるのではなく、通常管理とは別物として理解することが重要です。
なお、通常の賃貸管理契約の解約は、サブリース契約とは手続きや注意点が異なります。
管理委託契約の解約通知書や、管理会社変更時の引継ぎ、トラブル回避のポイントまで詳しく知りたい方は、
賃貸管理契約の解約方法とは?解約通知書の書き方と注意点を解説 もあわせて確認してみてください。
サブリース解除の利点とは
解約によるメリットと、解約にかかる手間と費用のデメリットを天秤にかけて決めましょう。経済的な合理性がなければ解約しない方が得策かもしれません。
しかし、解約によってさまざまなメリットが生まれるのも事実です。
利回りが向上する
サブリースは相場家賃の80~90%に設定されているので、解約による家賃収入の向上、礼金や敷金の受け取りなど収入面の上昇が期待できます。
都内の物件など、入居率の高いエリアや物件は家賃保証なしでも空室リスクは低く、順調に家賃を得られるでしょう。
高く売却できる
利回り計算で価格が変わるため、利回りの向上によって売却価格が伸びます。
残念ながら、サブリース物件は投資家に人気がありません。なぜなら、購入した人は自分のお気に入りの業者や、以前より付き合いがあり信頼関係のある会社に依頼したいからです。
もし解約できれば購入希望者は、約5倍に増えるでしょう。
サブリース物件の売却と解約について解説 物件価格が20%も変わる!?
賃貸管理を変更できる
解約により、自分で直接管理したり別の会社に依頼したりと賃貸管理先を変更できます。その結果、管理手数料を安く抑えられるかもしれません。
リフォームや設備交換もサブリース業者指定で割高なケースが多いので、安くできるでしょう。
入居希望者の選定も自らできるので、トラブルを少なくできる可能性があります。
サブリースが問題視されている理由
なぜサブリース会社は解約させてくれないのか
マンションオーナーにとって、メリットがあるサブリースの解約ですが、サブリース会社にとっては好ましいものではありません。
利益が減少する
家賃の10〜20%の差額分がサブリース会社の利益です。
家賃以外にも、サブリースが管理者になることで、入居者から礼金や更新料の臨時収入も入ってきます。
サブリース会社のグループ会社がマンションのリフォームや修繕を請け負うことで、そこから利益を得るケースもあります。
リフォームや内装業者を、オーナーが指定することはできない?
管理変更が増加している
景気が上向きのため取引数が多く、管理会社の入れ替わりも激しく奪い合いになっています。新築の分譲は少なくなっているため、デベロッパー、販売会社の管理戸数が減少しているのが現状です。
サブリース会社は新規の管理物件を獲得しづらい状況の中、規模が小さくなるとスケールメリットを活かせず、コストだけが大きくなっていま
かんたんLINE査定とは?
サブリース契約で困っているオーナーからの相談は多い?
サブリース解約の成功率は30%!?
弊社に相談したオーナーの近年の解約率は約30%です。年々成功率が下がってきている印象があります。
中古の売買増加により管理変更が増えたことを背景に、解約を認めない会社が増えました。
また、借地借家法による判例を根拠に、入居者としての権利主張をする会社も増えてきています。
解約できる理由は、「期間満了による解約」、「予告期間による解約」、「立退料・違約金による解約」、「空室による解除」、「賃貸の逆ザヤによる解除」などさまざまです。
逆ザヤとはオーナに9万円で家賃保証しているものの、実際の入居者からサブリース会社には8万円しか家賃収入がない場合のことを指します。長期で運営していて、オーナーに家賃減額交渉ができなかったケースです。
解約できない場合は、サブリース会社が「借地借家法による正当事由がないので解約できない」と断ってくるケースです。立退料を払う相談をしても、「受取る気はないし交渉できない」と強硬に回答してくる業者もしばしば見受けられます。
そもそも、サブリース会社は「購入時に空室の不安を抱える」、「オーナーの為に家賃保証する」などのアフターサービスを目的とした会社が多いはずなのですが、自社の利益の方が優先されてしまうのが現状です。残念ですがこのような業者が増えています。
プロが語る。サブリース解約の難しさ
サブリースの解約が難しい理由
サブリース契約は長期的に家賃が保証されるといったメリットがあり、多くのオーナーが利用しています。
しかし、経済動向やオーナーのライフスタイルの変化によってサブリースの解約を希望するケースがあります。しかし、一度締結したサブリース契約は期間満了まで解約が難しいという現実があります。
サブリース契約の解約が難しい理由について解説します。
借地借家法によって借主が保護されている
先ほども紹介したように、サブリース契約は「借地借家法」の適用内にある法律となっており、借地借家法は貸主よりも借主が手厚く守られる内容となっています。
サブリースの場合、この借主には入居者ではなく、又貸しをしている不動産会社が該当します。そして、借地借家法の第二十七条では以下のように定義されています。
建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。
つまり、借地借家法においてサブリース契約を簡単に解約することができず、解約ができる状況においても、解約の申入れから6カ月を経過しないと契約は終了となりません。
適切に解約するには「正当な事由」が必要
借地借家法の第二十七条によって解約するには6カ月以上前から借主に通達しなければならないとされています。
それに加えて、第二十八条では「通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、(中略)正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」とされています。
このことからも、6カ月経過すればどのような理由であれ解約できるわけではなく、サブリース契約を解約するに値する理由があることを証明しなければなりません。
そして、「正当な事由」は他のサブリース会社に変更したいという理由や売却したいという理由では認められないことが多いです。
※正当な事由については後ほど詳しく紹介します。
このように、サブリース契約は借地借家法に影響を大きく受けることから、貸主であるオーナーは希望どおりに解約できないことが多いです。
解約すると違約金が発生する
サブリース会社に解約の相談をし、受け入れてくれた場合でも違約金が発生するおそれがあります。
サブリース契約を解約することで違約金が発生すると、契約書に記載されていることがあります。
違約金は家賃の数カ月から1年分を違約金額として支払うことが一般的です。また、入居者に管理会社や家賃の振込先が変わったことを伝える必要もあり、手間がかかってしまいます。
そのため、適切な手段で解約できる方法を模索し、サブリース会社と根気強く話し合いすることをおすすめします。
サブリース解約は、依頼する会社によって結果は変わる?

サブリース解約の事例
売却に合わせて解約交渉
以前から売却するために出口戦略を考えていたAさんは、
2年契約サブリースの更新が、10ヵ月後に控えているタイミングで交渉を開始しました。
最初は解約するつもりがないと難色を示していたのですが、粘り強く交渉をした結果、正当事由しだいだと回答がありました。どうやら立退料を支払えば正当事由にあたり、解約ができると察したAさんは立退料を計算します。現状の相場家賃が8万円で、サブリース料が7万円ですので、サブリース業者は年間で12万円の収益を上げている計算になります。その10年分(120万円)を支払う提案をし、見事に解約することができました。
サブリース解約して売却することで、250万円価格が上昇することがわかっていたので、立退料を支払った方が130万円得になります。
Aさんはサブリースの解約を成功させて、見事に売却を成功させました。
減額交渉にあわせて解約
長期投資の為に区分マンションを購入したBさんは、管理が面倒なためにサブリースを選択しました。投資開始から10年は問題なく運用ができていたのですが、その後サブリース家賃7万円を6万円にした減額の交渉を受けることになります。
経年劣化で想定していた家賃で貸し出すことができないと主張をしてきます。Bさんは、自主管理に切り替えて運用したいのでサブリースを解約したいと提案をします。サブリース業者は、最初は解約しないと主張をしていましたが、どうやら入居者が退去するタイミングが重なり、数か月後に解約をすることができました。
解約後に7万5千円で入居者を付けることができました。依頼をしていたサブリース業者は、リフォームや賃貸募集にリソースがさけず入居者を募集する力がないので、家賃を値下げして空室率を改善する戦略だったと気が付きます。長期でこの業者に付き合っていたら大きく収益が悪化しており解約して良かったと感じています。
関連記事:サブリースの減額は拒否できない!?家賃減額の回避の方法について
サブリースを解約できたケース
サブリース契約解除の正当事由とは
サブリース契約だからといって、貸主が一方的に契約解除できません。サブリース契約にも裁判所から「借地借家法」が適用される判例が出ているため、一般的な賃貸契約と同様に解約するためには正当事由が必要です。
正当事由には以下の内容が当たります。
- 自分や親族などが物件を使用する。
- 立退料を支払う
- やむを得ず売却する必要がある
- 老朽化などで取り壊す必要がある
基本的に借主側の事情が第一に考慮され、貸主にそれ以上の事情がなければ正当事由として認められません。「貸主物件の利回りを向上させたい」、「高く売却したい」という理由だけでは承認されないことが多いでしょう。
その場合、サブリース会社の減益の補填や立退料などの負担が必要になるケースが多く見受けられます。ただし、サブリース会社が家賃を滞納している場合は、正当事由に関係なく催告による解除が可能です。
どういった会社に相談すればいいのか
正当事由は何で判断されるのか
サブリース契約の解約において重要になるのが、正当事由です。
ただし、正当事由は単純に一つの理由だけで決まるものではなく、複数の事情を総合的に見て判断されるものです。
そのため、「この理由があれば必ず認められる」「この事情だけでは絶対に認められない」と一概に言い切ることは難しいのが実務です。
ここでは、一般的にどのような観点が見られやすいのかを整理します。
オーナー側の必要性
まず見られやすいのが、オーナー様側にどの程度の必要性があるかです。
たとえば、建物の老朽化対応、資産整理、経営状況の悪化、売却の必要性など、契約継続が難しい合理的な事情があるかどうかは重要な判断材料になります。
ただし、単に「もっと収益を上げたい」「別の会社に変えたい」といった理由だけでは、十分と評価されないこともあります。
そのため、オーナー様側の事情をどれだけ整理して示せるかが重要になります。
契約の経緯と信頼関係
契約締結時の経緯や、その後の運用状況も判断材料になりやすいポイントです。
たとえば、契約当初の説明内容と実態が大きく異なっていた、賃料改定や運営方針をめぐって信頼関係が損なわれている、といった事情があれば、解約交渉に影響する可能性があります。
つまり、契約書の文言だけではなく、実際にどのようなやり取りがあったのかも見られることがあります。
日頃のやり取りや説明内容を記録として残しておくことが重要なのは、このためです。
立退料の提示は補完要素になり得る
正当事由の判断では、立退料の提示が補完的な要素になることがあります。
つまり、オーナー様側の事情だけでは弱い場合でも、一定の金銭的補償を提示することで、全体として調整が進むケースがあります。
ただし、立退料を提示すれば必ず解約できるという単純なものではありません。
あくまで、さまざまな事情を踏まえたうえでの補完要素と考えるべきです。
サブリース解約の正当事由が認められる具体的な判例
サブリース契約の解約には正当事由が認められることが前提です。「物件の買い替えのため」や「単に売却がしたい」といった理由では正当事由として認められません。
しかし、正当事由は全く認められないわけでなく実際に認められたケースもあります。これまで認められた事例を確認しておきましょう。
老朽化した自宅の補修改築が正当事由となった判例
老朽化した自宅の補修のために資金を確保する必要があったオーナーが、サブリース契約を解約し自宅と土地を売却することを申し立てました。
建物は60年以上経過した木造平屋で、住むのが困難な状況でしたが、オーナーには資金がありませんでした。建物に居住人がおらずさらに月額の賃料が3万円程度であったことから、サブリース会社には大きな損失がないと判断され、50万円の解除費用を支払うことで契約解除が認められました。
このケースは、サブリース契約がオーナーにとって不利益になる場合、契約解除が可能であることを示しています。
参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 「RETIO判例検索システム」
ローン返済が困難となる
サブリース契約をしている建物のローンの支払いが困難になってしまうと収益物件の維持自体ができなくなることから、資金確保を目的とした解約ができる可能性があります。
サブリース会社もオーナーが破産してしまうと、利益を得ることができなくなってしまいます。そのため、生活が苦しくなる前にサブリース会社や金融機関に相談することで、解約ができることがあります。
ただし、こういった事例は必ずしも正当な事由として認められるわけではないため、注意が必要です。また、サブリース会社側に落ち度がないため、違約金が発生する可能性もあるため、注意が必要です。
国や自治体から立ち退き命令を受ける
再開発事業や都市計画道路の計画立案など、個人で所有している不動産を国が買取するケースがあります。
こうした都市再編事業は駐車場などの更地だけでなく、住宅やアパート、マンションなどの居住物件があるエリアも対象になります。
そして、こうした法令は借地借家法よりも優先されるケースがほとんどであるため、正当事由として認められやすいとされています。
このことからも、国や自治体から立ち退き命令などの説明を受けた場合には、速やかにサブリース会社に相談し、解約の打診をすることをおすすめします。
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サブリース解約の流れと手続き方法
では、サブリース解約に至るまでの流れを、順を追ってみていきましょう。
1、契約書内の解約についての条項を確認する
初めにサブリース契約の解約条項を確認しましょう。
「契約の満期」、「解約の予告期間」、「解約に伴う違約金」などの記載を探します。
解約条項の記載は解約交渉の材料になり、解約通知書の作成時にも使用します。
2、サブリース会社に連絡をする
相手側とサブリース解約について電話、メールで打ち合わせをします。解約通知書を送り記録を残すことが重要です。担当者とのやりとりは必ず履歴を残し、後日の齟齬を防ぎましょう。
【解約通知書の内容】
- 解約通知日
- 契約終了希望日
- 物件の名称
- オーナーの氏名・住所・捺印
- サブリース会社名
- 契約書の第何条に基づく解約になるのか
- 必要があれば違約金・立退料
3、解約が合意されれば解約成功
可能であれば解約の合意書を作成し、違約金の支払いが必要な場合は期日内に振り込んでください。
オーナーが保管している入居者資料や鍵、敷金などはサブリース会社に移管しましょう。
4、合意できない場合は交渉をする
サブリースに詳しい不動産会社や弁護士に相談し、代わりに契約解除の交渉をしてもらいましょう。交渉には専門知識が必要になり、さまざまな面で大きな労力を必要とするので、サポートを受けることをおすすめします。
5、新しい管理会社を選ぶ
解約後に管理を委託する場合は、新たな賃貸管理会社の選定が必要です。自分で直接管理する場合は不要ですが、入退去などの際に相談に乗ってもらえるように不動産会社には連絡しておきましょう。
6、入居者と変更の合意書を結ぶ
サブリース会社との同一の条件で、賃貸契約を継承する合意書を締結します。保証会社の利用があればそれも継承しましょう。また、新しい振込先や連絡先も合わせて通知してください。
なお、通常の賃貸管理契約の解約は、サブリース契約とは手続きや注意点が異なります。
管理委託契約の解約通知書や、管理会社変更時の引継ぎ、トラブル回避のポイントまで詳しく知りたい方は、
賃貸管理契約の解約方法とは?解約通知書の書き方と注意点を解説 もあわせて確認してみてください。
サブリース解約後の選択肢
サブリース契約の解約を検討する際は、「解約できるかどうか」だけでなく、解約後にどうするのかまで考えておくことが大切です。
解約が成立しても、その後の管理体制や運用方針が整理できていなければ、かえって混乱が生じることがあります。
そのため、解約交渉とあわせて、次の選択肢を早めに検討しておくことが重要です。
一般管理へ切り替える
最も現実的な選択肢の一つが、一般的な賃貸管理契約へ切り替える方法です。
この場合、オーナー様が貸主となり、管理会社へ募集・集金・入居者対応などを委託する形になります。
サブリース契約よりも収支改善が見込める可能性がある一方で、空室や修繕などの運営リスクはオーナー様側がより直接的に負うことになります。
そのため、管理会社の選定が非常に重要です。
サブリース契約を解約した後、一般管理へ切り替える場合は、変更の流れや旧管理会社との引継ぎも整理しておくことが大切です。
詳しくは、賃貸管理会社は変更できる!?知っておきたい変更の手続きや注意点 も参考にしてみてください。
自主管理を検討する
物件数が少ない場合や、ある程度ご自身で対応できる体制がある場合は、自主管理を検討するケースもあります。
管理手数料を抑えられる点はメリットですが、入居者対応やトラブル処理、家賃管理などを自分で行う必要があります。
そのため、「費用を抑えたい」という理由だけでなく、実際に対応できるかどうかを冷静に判断することが大切です。
売却して資産整理する
サブリース契約の解約をきっかけに、物件を売却して資産整理を進めるという選択肢もあります。
特に、今後も安定的な収益が見込みにくい場合や、住宅購入・相続・資産組み換えなど他の目的がある場合には、有力な判断材料になります。
解約後に一般管理へ移行するよりも、売却して整理した方が全体として合理的なケースもあるため、保有継続だけを前提にしないことも大切です。
サブリース契約が残ったままでも売却できるケースはありますが、契約内容によっては価格や買主の見つかりやすさに影響することがあります。
売却と解約の関係を詳しく知りたい方は、サブリース物件の売却と解約について。オーナーチェンジで価格が20%も変わる!? もあわせてご覧ください。
サブリース解約の注意点
サブリース解約にはメリットばかりでなく、当然リスクも伴います。解約により発生する問題点を把握して、解約の判断材料にしましょう。
違約金・立退料が高額
サブリース解約に対する違約金が設定されている場合、その支払い金額は家賃の数ヶ月分から1年分以上必要になるケースなどさまざまです。
違約料に加えて立ち退き料が必要になるケースもあります。立退料の相場は家賃の6~12ヶ月分ですが、明確な決まりがなく想定よりも高い負担になることも。
立退料を払った方が得になるのか、総合的な判断が求められます。
交渉期間が長期化
解約の合意が取れれば、予告期間を設けて契約終了です。しかし、長期化すると半年から1年、最悪の場合サブリース期間の満了日まで待たなければいけません。裁判になると判決が出るまで時間がさらに掛かります。売却などで解約の期日が決まっている場合は、早期に動かないと間に合いません。
家賃が下がる
家賃が上がると思っていたら、相場の家賃よりも安く入居者が入っていて、蓋を開けてみると逆ザヤ契約だったという事態も。
他にも入居者がすぐに退去してしまうなど、サブリース契約の解約によって家賃が下がる恐れがあることも覚えておきましょう。
想定外の出費
サブリース会社が入居者からの修繕依頼を放置していたため、急な出費が発生することもあります。保証会社の引継ぎができない場合はオーナーの負担になることも。
サブリースの解約によって、家賃や売却金額が上がるなどのメリットが多くあります。しかし、解約までに多くの時間や労力を要する可能性や様々なデメリットがあることも忘れてはいけません。
もし解約の判断に迷った場合は、サブリース事例を豊富に持つ専門会社に相談することをおすすめします。
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よくある質問
ここまで、サブリース契約の解約が難しい理由や、正当事由、解約後の選択肢について見てきました。
ここでは、実際によくある質問を整理しておきます。
違約金を払えば必ず解約できる?
違約金を支払えば必ず解約できる、とは限りません。
契約書に中途解約や違約金の定めがあったとしても、実際には借地借家法や契約関係全体の整理が必要になる場合があります。
そのため、「違約金を払えば終わり」と単純に考えるのではなく、契約内容と法的な整理を確認しながら進めることが大切です。
サブリースのままでも売却できる?
サブリース契約が残ったままでも売却できます。
ただし、買主側から見ると、契約条件や賃料保証の内容、解約の難しさがそのまま引き継がれるため、売却価格や買い手の見つかりやすさに影響することがあります。
そのため、売却を検討している場合は、サブリース契約をどう整理するかもあわせて考えることが重要です。
家賃保証やサブリースが付いたままの物件売却では、利回りや買主の見え方によって価格差が出ることもあります。
詳しくは、ワンルームマンション投資の家賃保証は売却で損をする!?知っておきたい家賃保証の解約と売却 も参考にしてみてください。
一般管理に切り替えると何が変わる?
一般管理に切り替えると、オーナー様が貸主となり、管理会社はあくまで管理業務を受託する立場になります。
このため、賃料収入の取り方や契約関係がサブリースとは大きく変わります。
収益改善の可能性がある一方で、空室や運営リスクもより直接的に負うことになるため、切り替え後の管理体制をどう整えるかが重要です。
弁護士や専門会社へ相談すべきタイミングは?
解約交渉が進まない場合や、契約内容の解釈が難しい場合、あるいは違約金や立退料などの条件交渉が絡む場合は、早めに専門家へ相談した方が安全です。
特に、契約書の内容だけでは判断が難しいケースや、相手方との認識に大きなズレがある場合は、早い段階で第三者の視点を入れることが重要です。
サブリース解約における法改正と影響
2020年12月15日に、サブリース契約に対する取り扱いが大きく異なりました。
そのため、これからサブリース契約を検討するオーナーはこの章で解説する法改正の影響と変更点、ポイントを把握すべきといえます。
最新のサブリース法改正による影響と変更点
法改正に伴ない、大きく以下の3つが追加されました。
- 誇大広告等の禁止(第28条)
- 不当な勧誘等の禁止(第29条)
- 重要事項説明の義務化(第30条)
誇大広告とはオーナーにとって不利な情報を意図的に隠し、メリットだけを誇張した広告のことです。
このような広告を見たオーナーはサブリースの仕組みを誤認する可能性があるため、借地借家法に基づいた正当な事由が必要であること等は広告の時点で表示することが求められています。
また、しつこい勧誘や一度オーナーが断ったあとの勧誘は不当な勧誘として禁止されることになりました。
さらに契約前には重要事項説明が義務付けられました。不動産の賃貸や売買の際には、不動産会社が重要事項説明書を提供し、その内容を説明することが必須ですが、法改正によって、サブリース契約においても同様の手続きが必要とされるようになりました。
このことからも、法改正によってサブリース会社が不当にオーナーを騙すような行為ができにくくなり、オーナーがより安全に判断できるようになったといえます。
参考:国土交通省「サブリース事業適正化ガイドラインの策定」
サブリース契約者が知っておくべき法改正のポイント
法改正によってオーナーの安全性は向上し、サブリース会社が違法行為によってオーナーを騙すことが難しくなりました。
しかし、100%騙されない状態になったわけではなく結局はいたちごっこになることを知っておく必要があります。そのため、信頼できるサブリース会社を選定するというポイントは変わらないといえます。
サブリース会社の選び方として、誇大広告や重要事項説明書の説明義務化など法改正の内容をしっかり理解しているかどうかという点があります。
こうしたチェックポイントは普段から賃貸に関する法律を勉強していなければ説明できないことが多く、分かりやすく説明するには深く理解していなければなりません。
また、悪徳業者の共通点として、「契約を急かす」ことが挙げられます。質問をしているのに、十分な解答をせずに契約へと進めようとする担当者がいれば、一度立ち止まることをおすすめします。
反対に時間をかけて、一つひとつ丁寧に説明してくれる担当者は信頼ができるでしょう。法改正でオーナーとして安全に取引しやすくなったものの、サブリース会社は慎重に選ぶべきです。
サブリース物件は解約しなくても高く売れるケースもある
サブリース契約は結ばない方が良い?うまく活用できるケースとは

代表取締役伊藤幸弘
サブリースというのは、オーナーさんから不動産会社が物件を借り上げて、家賃を保証するという形態です。その後、借り受けた不動産会社が入居者さんに貸すという仕組みですね。
具体的な例で言うと、10万円で貸せるお部屋だったら、サブリース料として8万円をオーナーさんにお支払いする。この差額の2割程度がサブリース業者の収益になるわけです。
これ、一見すると業者の取り分が大きく見えるかもしれませんが、実は空室の場合でもサブリース業者はその家賃を払い続けなければいけないんです。だからこそ、その程度の差額を取らないと、運営がうまくいかないというのが実情なんですよ。
物件自体は、実際に入居者がいるかどうかに関係なく、サブリース会社がそれを一括して借り上げて、その上で入居者を募集するという形態です。このあたりが通常の賃貸借契約とは大きく異なる特徴ですね。