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サブリースの減額は拒否できない!?家賃減額の回避の方法について

サブリースの減額交渉をするビジネスパーソン

 

サブリース契約を利用した不動産投資は、安定した家賃収入が獲得できる点や管理業務の手間が必要ない点など、多くのメリットがあり人気です。しかしその一方で、最初に契約した家賃収入がずっと続くと思いサブリース会社と契約をしたが、家賃減額交渉を受けたなど、サブリースに伴うトラブルも少なくありません。

今回のコラムでは、「業社からの減額交渉は拒否できないのですか?」、「サブリースの減額交渉にあったら、どうしたらいいのでしょうか?」というサブリース契約についての疑問にお答えします。

併せて、減額交渉の結果、サブリースが解約になった場合の対応方法についても解説しています。不動産投資オーナーであれば事前に知っておきたい内容ですので、是非チェックしてください。

 

 

サブリースの減額交渉は禁止できない

入居者を保護する借地借家法によって、賃料減額交渉を禁止することはできません。また、賃料を減額できないように契約を結ぶ、「不減特約」に対しても入居者は保護されています。

サブリース契約において、入居者としての地位を有しているのはサブリース会社側です。オーナーの立場はあくまでも貸主側になるので、消費者保護法の保護対象ではありません。つまり、貸主側で権利の弱いサブリースオーナーは、借主として保護されているサブリース会社からの減額交渉を拒否することはできません。

 

 

サブリースの減額をどう対処するのか

サブリースオーナーは、サブリース会社からの減額交渉を阻めません。しかし、減額交渉=減額と決まっているわけでもありません。

それでは、減額交渉を受けた場合、実際にどうなるのかを考えてみましょう。

 

減額に応じる

まず減額する額を少なくするように、業者と交渉をしましょう。焦って減額する必要はないので、なるべく協議に時間を使ってください。少しでも家賃を高くできるように、相場資料を集めて対抗しましょう。

また、減額交渉期間中の家賃の滞納は心配いりません。もし滞納してしまうと、解約交渉に発展してしまう可能性があるので、サブリース業者は通常と同じく家賃を振り込みます。

 

同一条件で交渉

「従前の条件以外は認められない」と交渉に臨むことも可能です。交渉がもつれた結果、調停、訴訟に発展する恐れがあります。弁護士費用も必要となる調停や訴訟は、現実的でないと思われるかもしれません。一方、調停や訴追による手間や費用を危惧するのは、サブリース業者も同様です。減額するメリットを裁判費用が上回っては業者側も全く意味がないので、一切交渉に応じない強い姿勢で臨むことで、交渉自体を取り下げることも少なくありません。

減額交渉に対してオーナーは、最悪解約になっても仕方ないと腹をくくる覚悟も必要です。

 

解約をする

サブリース契約をオーナー側から解約することは、通常正当事由なしでは困難です。しかし、相手から減額交渉があった場合、それを正当事由にして解約できる可能性があります。

解約についてサブリース会社と協議する際は、「減額に応じるつもりはないので、減額したいのであれば解約してくれ」や、「解約違約金なども払うつもりはない」、「サブリース会社から交渉してきたので、それに応答しているだけ」と強気で交渉してください。

サブリースは解約できない!?契約解除と正当事由について解説
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サブリースの減額で解約になったらどうすればいいのか

サブリース会社との減額交渉の結果、サブリース契約が解約に至るケースも考えられます。

その場合のオーナー側がとるべき対応や、注意点についても確認しておきましょう。

 

入居者との契約を引き継ぐ

サブリース契約解除後、オーナーはサブリース会社と入居者の賃貸契約をそのまま継承します。家賃、敷金、期間なども全て同じ条件です。解約後に入居者に通知をして、書類を取り交わしてください。

 

合意解約は入居者を退室させることはできない

サブリース会社が実際の入居者と取り交わしていた、契約内容や賃料条件が気に入らないケースも想定されます。しかし、合意の上でサブリースが解約された場合、入居者側の契約内容は保護されます。従前の契約を破棄して、入居者を退室させることはできません。

 

滞納による解約は入居者を退室させられる

サブリース会社が家賃を滞納して解約になった場合には、入居者の追い出しも可能になります。しかし、そのような家賃が滞納されているようなケースでは、入居者の家賃や敷金など、サブリース会社から引き継げる資産はないと考えてください。

家賃が遅配するような不動産会社は、経営状態が思わしくない可能性が高いといえます。そのような場合には、次の管理会社を探すなど、事前の準備をお勧めします。経営状態の悪化が原因で、サブリースの減額交渉をしている可能性もあります。家賃の滞納など不審な兆候がみえる会社からのサブリース交渉には、特に注意しましょう。

 

サブリースの減額の実例

新築ワンルームマンションを35年ローンで購入したオーナーのAさん。担当者から「サブリース賃料は減額しない」という約束を信じて、マンション購入を決意しました。しかし、5年後に当時の担当者が退職、その後連絡が一切取れなくなってしまいました。

その後、引き継いだ担当者から家賃の減額の交渉が続いていましたが、「購入時の約束が違う」と言って何度も突っぱねていました。新しい担当者の話では、最初に結んだサブリースの契約は、新築販売をしやすくするための材料として、高い家賃でのサブリースで取引をしていたようです。

Aさんは長期的に物件を所有するつもりでしたが、この業社の営業姿勢が信用できなくなり売却をすることに。しかし、売却にあたって業者側は、「サブリースは解約させないし、引き継ぐのであれば、家賃を2割減額にしろ」と請求してきました。さまざまな交渉を続けた結果、サブリース契約解除のための解約金を支払い、売却することになりました。

「『購入時にサブリース契約を、オーナーのためのアフターサービスだと思っていた』のが失敗の原因だった」とAさんは話していました。いったんサブリースで物件を購入してしまうと、サブリース会社とオーナーの関係性は、貸主と入居者の関係になってしまう点がトラブルを引き起こす原因の一つです。

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安定した家賃収入が魅力のサブリース契約。しかし、借主の立場として保護されるサブリース会社からの減額交渉を拒否することはできず、最初の家賃が永久に保証されるわけではありません。しかし、減額交渉を受けた際も慌てることなく冷静に一つ一つ対処することで、家賃の減額回避や損失を最低限に抑えることは可能でしょう。

賃貸管理会社からの減額交渉でお困りの方は、サブリース案件の実績豊富な専門会社に相談することをお勧めします。

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コラム監修

コラム監修

伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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