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賃貸管理を解約する具体的な方法!?解約通知書の雛形と注意点
賃貸管理契約を解約する場合、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。トラブルなく手続きを進めるため、解約フローや注意点をあらかじめしっかりと確認しておきましょう。
目次
賃貸管理契約の解約前に契約書を確認する
賃貸管理契約の満了日
賃貸管理契約は、2年の契約期間となっていることが一般的で、自動更新されることもよくあります。期間満了日に解約する場合は違約金が発生しない場合もあるため、まずはこの日付を含め、契約内容をしっかり確認しましょう。管理会社が解約に対して協力的ではない場合は、約定解除による交渉を検討しましょう。
解約予告期間
解約をする場合、解約予告期間が設定されています。1~3か月程度と設定されることが多いですが、契約により異なりますので、契約書を確認しましょう。
また、入居者に賃貸管理会社が変更されることを案内するためにも、一定の時間が必要です。慌てて手続きを進めてしまって入居者を混乱させないよう、入念な計画のうえに手続きを実施していくことが大切なのです。
違約金の計算
これも契約書に定められている内容です。事前に確認をせずに進めてしまい、解約後に想定外の高額な請求を受け取った、ということのないよう、解約の申請時に必ず確認しておきましょう。
預り敷金
入居者の敷金や保証金を、賃貸管理会社が預かっている場合があります。どのように返却するのか、といった手順もあらかじめ確認して理解しておかないと、移行に失敗してしまうリスクもあります。
賃貸管理の解約通知書
解約通知書は、一般的にはこのような内容となっています。このひな形で、どういった事項を記載する必要があるのか、イメージをつかんでおきましょう。対象となる物件や、解約の日付などは特に重要な情報です。記載内容に誤りがないか、しっかりとチェックしましょう。会社によっては、指定のフォーマットでの提出が必要なこともありますので、作成前に賃貸管理会社に確認します。
管理会社解約の流れ
1.賃貸管理契約の確認
まずは、上記で説明してきた解約予告期間や違約金、預り敷金などの確認のため、現在の賃貸管理契約の内容をチェックします。
2.現在契約中の管理会社と打ち合わせ
解約通知書をいきなり送るのではなく、賃貸管理会社と打ち合わせのうえで今後の手続きについて両者の認識を合わせることが大切です。
3.解約通知書
打ち合わせの内容にもとづき、解約通知書を管理会社に送付します。
4.入居者への連絡、敷金などの移行
賃貸管理会社が変更される旨を入居者に案内します。敷金などの移行手続きも忘れずに実施しましょう。
変更合意書
変更合意書を、入居者、旧管理会社、新管理会社の間で取り交わします。このひな形で、記載される内容を確認しておきましょう。対象となる物件と所在地や、契約内容で変更される事項などを記載します。入居者にとっては、賃料や振込先が変更されると大きな影響が生じます。内容に誤りがないことを確認し、認識にずれがないようしっかりと周知することが大切です。
賃貸管理契約解約時の注意点
入居者への連絡
最近では、賃貸管理契約の変更を装った振込詐欺も発生しています。案内は慎重に行いましょう。旧管理会社を経由して、入居者に案内してもらえるよう依頼すると良いでしょう。
入居者から家賃を振り込んでもらう口座が変更される点は、特にしっかりと周知しなければなりません。家賃の振込に支障が出ることのないよう、案内は直前に行うのではなく、余裕をもって行うことが大切です。
保証会社の継承
賃貸管理会社を変更すると、保証会社の契約が終了してしまうこともあります。トラブルが発生することのないよう、賃貸管理会社の解約申請前に、保証会社の契約についても確認し、問題なく引き継がれるようにします。引き継ぎに旧管理会社の協力が必要なこともあります。打ち合わせなどで、引き継ぎの流れを確認しておきましょう。
解約申請のエビデンスを残す
解約を申請し、両者で合意したと思っていても、あとになって「申請などは受けていない」などと賃貸管理会社から反故にされる場合もあります。解約申請は、旧管理会社の担当者と口頭でやり取りするだけではリスクがあります。書面やメールなど、エビデンスとして記録をしっかり残すことを意識しましょう。
鍵・入居者資料などの回収
賃貸管理契約の解約後は、旧管理会社からは協力を得られないと考えておきましょう。鍵や入居者資料、敷金など、旧管理会社で預かってもらっていたものは、解約後に回収することが大切です。対象となるものはチェックリストなどで管理し、新管理会社への引き継ぎが漏れなく行われるようにします。回収の期日も決めておきましょう。
新賃貸管理会社の選定方法は下記のコラムもご覧ください。
ワンルームマンションの賃貸管理は変更できる!? 管理会社の変更の手続きや注意点について
賃貸管理契約の解約に応じてもらえない場合
契約中の賃貸管理会社が、解約に応じてくれないこともまれにあります。このような場合は、民法第651条第1項の委任契約の解除に関する内容にもとづき、交渉を進めることになります。賃貸管理会社によっては、弁護士を立てて交渉を進めようとする場合もありますので、必要に応じて賃貸管理に詳しい弁護士に早期に連絡しましょう。
一般的に、裁判費用のほうが管理手数料屋解約違約金よりも高額です。このため、裁判にまで持ち込まれる可能性は相当に低いと思われますが、早めに専門家に問い合わせて今後の対応を相談しておくと安心でしょう。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤幸弘
資格
宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人
書籍
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』
『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』
プロフィール
2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。