投資マンション売却
マンションは売却と賃貸どちらが得か?
売却と賃貸で悩んでいる方に、メリット・デメリット総まとめ
マンションを売却した方が良いのか、また、賃貸として貸し出した方が良いのか、どちらが得かを比較したい人のために、それぞれの選択肢のメリット・デメリット、オススメするケールなどを解説します。
「売却と賃貸同時に募集することもできるのか?」「売却や賃貸に出すおすすめの時期とは?」など、実際の取引事例でイメージ可能です。
これから取引を検討する方は必見です!
目次
マンションの売買と賃貸に正解はない 物件とオーナーにより異なる
売却と賃貸、選択肢ごとのおすすめケースや、それぞれのメリット・デメリットを知り、長期的に考えてどうしたいかを判断して、どちらにするのか慎重に決定しましょう。
どちらかだけが正解ということはありません。市場の影響も受けますので、総合的な判断が必要とされます。
マンションにより売却か賃貸どっちが得か比較
所有するマンションの程度や状況によって、売却、賃貸どちらが得になるのか変わっていきます。
自分のケースがどれに当たるかの把握が重要です。
売却をオススメするケース
安定した家賃収入を期待できる賃貸に比べて、売却によって手にできるのは現金収入です。
売却をおススメするケースを具体的にみていきましょう。
売却をオススメするケース |
広さが40平米以上の物件 |
将来住む予定がない |
築年数が古い |
買い替えで新しいローンを組む |
賃貸需要が少ない立地 |
広さが40平米以上の物件
40平米以上のマンションは空室での売却をおすすめします。
その規模の広さになると、投資目的の購入よりも実需の人気の方が高く、流通量も多いので高く売れる可能性が高いでしょう。
40平米以上であれば、購入者は住宅ローン減税の利用も可能です。
賃貸の場合、広さに対して家賃が必ずしも正比例しないので、利回りが悪い物件になりがちです。
それが原因で売却の際に安くなってしまいます。
ファミリータイプのマンションは空室にしてから売却をして、その資金を利用して投資ワンルームを2部屋買った方が、家賃収入は大きくなる場合もあります。
将来住む予定がない
賃貸の場合、家賃収入を一定期間得た後、築年数が経ち資産価値が下がったマンションを自分の居住用として考えることもできます。
もし将来住む予定がない場合、思い切って売却するのも一つの手でしょう。
築年数が古い
築年数が古い物件は、室内の設備や全体の大規模修繕、立て直しなど、将来発生する維持コストが高くなってしまいます。
売却によって、不動産を所有し続ける限り必要な維持コストの心配がなくなります。
買い替えで新しいローンを組む
金融機関から新たなローンを組む際、借入金の総額が総返済負担率内でなければいけません。
売却できずローン返済金が残ったままでは、十分な借り入れができないケースもあります。
賃貸需要が少ない立地
そもそも入居者がいなければ賃貸収入は入ってきません。
賃貸需要が少ない地域では空室リスクも高く、安定した収入が期待できません。
その地域の賃貸需要を知るために、賃貸ポータルサイトを確認してください。
近隣のマンションの空室状態も参考になるでしょう。
賃貸をオススメするケース
賃貸の場合、入居者がいる限りは安定して一定の収入が期待できます。
また、貸しに出している間は資産としても残ったままです。
次は賃貸をおすすめするケースをみていきましょう。
賃貸をオススメするケース |
一時的な転居 |
賃貸需要が高いエリア |
資産価値が下がらない立地 |
利回りが良い物件 |
一時的な転居
転勤や出張などが原因で一時的な転居を余儀なくされた場合は、今住んでいるマンションをその期間だけ時限的に賃貸に回すこともできます。
その際は、契約期間満了後、契約更新がない定期賃貸借契約をおすすめします。
賃貸需要が高いエリア
賃貸需要が高いエリアであれば、空室率が低く、今後も継続的に入居が期待できます。
人口減少が緩やかな地域などでは、将来的にも安定した家賃収入が期待できるでしょう。
資産価値が下がらない立地
都心6区、人気の駅近くにあるマンションは特に人気が高く、今後も資産価値があまり下がらないことが予想されます。
資産価値が下がらなければ、いったん賃貸に回しておいて、必要に応じて売却するなど柔軟な対応が可能です。
利回りが良い物件
ワンルームやコンパクトマンションなどは、賃貸にして利回りを良くしてから売却する方が高く売れることがあります。
マンションの利回りを良くすることで、資産価値を上げることが可能です。
もし、早期に売却したい場合でも、オーナーチェンジであれば入居者の退去を待つ必要がありません。
マンションの売却と賃貸を同時に募集できる
売却と賃貸を比較しても甲乙つけがたい場合は、同時募集もできます。
しっかりとした査定をおこない、適切な価格で募集することが重要です。
相場より割安だと、どちらか一方がすぐに決まりますが、比較ができず不満の残る結果になる場合も。
可能であれば、同じ会社にどちらも依頼をしましょう。
売却と賃貸を別々の会社に依頼する場合、それぞれに案内があった時には、こまめに連絡をして同時申し込みなどでトラブルにならないような配慮が必要です。
また、内見申し込みが頻繁にあることも予想されるので、時間にゆとりがある方におすすめです。
同時に募集をするので早期成約の可能性も高いでしょう。
売却と賃貸を同時募集する際に気をつけたいポイント
- 適切な価格で募集する
- 同じ不動産業者に依頼する
- 売買と賃貸で申し込みが重ならないように配慮
- 内見が多くなるので時間を確保する
マンションの売却と賃貸 市場で考えるオススメの時期
売却と賃貸どちらが得になるかを左右する要素は、物件の条件やオーナーの置かれている状況だけではありません。
市場の状況も大きく影響を与えます。
マンションの売却はいつが最適か
日経平均株価が上昇や金利低下、金融機関の融資に対する積極的な姿勢がみえたときがマンション売却に最も適した時期といえます。
上記タイミングは、マンション価格が高くなるケースが多いので、タイミングを逃さないように市場の動向をチェックしてください。
逆に市場が悪い時は、賃貸にして売却の時期をずらすことも戦略です。
マンションの賃貸募集はいつが最適か
賃貸需要は、卒業・入学、転勤など人の移動が多くなる2月から5月のGWまでが最盛期です。
この時期を逃すと成約しづらく、入居者を見つけるのに時間がかかります。
その場合、家賃の値下げなども検討しなければなりません。一番の閑散期は6月から9月です。
マンションを売却するメリット
次にマンション売却して得られるメリットをいくつかあげています。売却を検討する方は参考にしてください。
マンションを売却するメリット |
ローン完済で現金化 |
値下がりのリスクから解放される |
維持にコストがかからない |
特別控除が受けられる |
ローン完済で現金化
ローン残債以上で売れれば、現金が残ります。
ローンを完済することで、次のローンを組みやすくなるでしょう。
値下がりのリスクから解放される
市場の影響を受けるので、数年後いくらで取引されるか予想できません。
売却することで利益の確定や損切ができます。
維持にコストがかからない
マンションを所有していると、常にその維持にさまざまなコストがかかります。
売却によって、年間の固定資産税や室内のリフォーム・設備交換、建物全体の管理費・修繕積立金が必要なくなります。
特別控除が受けられる
居住用のマンションを売却した場合、所有期間の長さにかかわらず、譲渡所得から最高で3000万円を控除できます。
マンションを売却するデメリット
売却の場合、当然デメリットも存在します。デメリットについても確認しておきましょう。
マンションを売却するデメリット |
予想通りの価格で売れないことも |
いつ売れるかわからない |
売却に費用が掛かる |
売却益に税金がかかる |
居住中の場合は、内見の立会が面倒 |
予想通りの価格で売れないことも
売却を希望する時の相場により査定額が変わっていきます。
また、不動産会社に仲介を頼む場合、一度売り出してみないと、正確な価格がわかりません。
いつ売れるかわからない
不動産会社に仲介を依頼する場合、一からマンション購入希望者を探すため、状況によっては成約に至るまで時間がかかってしまうこともあります。
売却に費用が掛かる
マンションの売却を不動産会社に依頼する場合、仲介手数料がかかります。
他にも、印紙税や登録免許税といった税金などの費用も別に発生します。
売却益に税金がかかる
マンションを売却し利益が出た場合、譲渡所得税の支払いが必要になります。
居住中の場合は、内見の立会が面倒
仲介での売却の場合、購入希望者の内覧のために時間を確保する必要があります。
他人に自分の部屋を見せるのでストレスになるなど、時間や労力がかかります。
マンションを賃貸するメリット
マンションを賃貸にまわしている間は安定した家賃収入を得ながら、物件の権利は所有者のものです。
マンションを賃貸するメリットを確認しておきましょう。
マンションを賃貸するメリット |
資産として残せる |
将来、住むことができる |
家賃収入がある |
経費計上し節税効果も |
賃貸管理を委託できる |
オーナーチェンジで売却もできる |
資産として残せる
マンションを貸し出している間は資産として所有権は残ります。
将来的に子どもたちへの相続資産にまわすことも可能です。
将来、住むことができる
定期賃貸借契約にして、定期借家として貸し出せば、契約期間終了後の更新が必要ありません。
一定期間は賃貸でまわして、将来的には自分の住まいにするなど自由に選択できます。
家賃収入がある
賃貸の場合、空室にならない限り、家賃収入が毎月入ってきます。
安定した収入源として期待できるでしょう。
経費計上し節税効果も
マンション賃貸にかかわるさまざまな費用を必要経費に計上できます。
減価償却によって、確定申告の際の節税効果も見込めます。
マンションの賃料収入の確定申告は下記を確認ください。
投資用マンションの確定申告をする方法は? 必要書類や経費について解説!
賃貸管理を委託できる
マンションの管理に不慣れでも、専門の管理会社に管理業務を委託できます。
マンション管理における日常のさまざまな業務を任せられるので、オーナーは何もしなくても心配ありません。
賃貸管理について次のコラムも確認ください。
オーナーチェンジで売却もできる
入居者が既にいる場合でも、オーナーチェンジによって売却も可能です。
オーナーチェンジであれば、賃貸から売却にいつでも変更できます。
マンションを賃貸するデメリット
賃貸には継続した収入などメリットも多くありますが、デメリットも無視できません。賃貸する際のデメリットも把握しておきましょう。
マンションを賃貸するデメリット |
維持管理コストがかかる |
空室リスク |
賃貸契約は途中解約ができない |
住宅ローンの返済を求められる |
住宅ローン控除がなくなる |
確定申告が必要になる |
入居者トラブル・クレーム |
維持管理コストがかかる
入居者の入退去時にリフォームや設備交換などの設備維持費用や管理委託手数料など、マンションを維持管理し続けるためのコストが継続的に発生します。
空室リスク
借り主を募集しても入居者が集まらないケースや居住者の転居など、常に空室リスクがともないます。
賃貸契約は途中解約ができない
借地借家法で入居者は保護されるので、勝手に解約できません。
「売却をしたいので退去してほしい」といったオーナーの自己都合は、解約の正当事由になりません。場合によっては立退料が必要になることもあります。
住宅ローンの返済を求められる
賃貸にする場合は、金融機関に連絡をしてください。
不正なローンとみなされるリスクをなるべく排除しましょう。
場合によっては一括返済を求められることもあるので、賃貸する前に必ず確認してください。
住宅ローン控除がなくなる
住宅ローン控除は居住用物件の購入が条件になっているので、賃貸用物件の購入に対しては適用されません。
確定申告が必要になる
マンション経営によって得た利益が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要になります。
入居者トラブル・クレーム
騒音などの近隣トラブル、設備不良や水漏れなどの対応は、その都度必要になります。
マンションの売却と賃貸の取引事例
マンションの売却と賃貸にはそれぞれ一長一短があります。
いくつかのケースを参考に、自分の状況に当てはめながら検討していきましょう。
買替えて資産を増やす
都内の40代公務員のAさんのケース
独身時代に購入したコンパクトマンションが、結婚により手狭になったので、買い替えるために売却をしました。
売却と同時にファミリータイプのマンションとワンルームマンションを購入。
もともと所有していた物件が古くなっていたので、賃貸にすることも考えましたが、維持コストと値下がりのリスクを考えて売却を選択しました。
ローンとの差額で利益の出た現金を元手に、投資用ワンルームマンションを購入。
今では新しい居住用物件のローン支払いの一部に、投資ワンルームの家賃収入を充当しています。
資産価値を維持して新しい物件に住むことができているので満足しています。
空室にして売却成功
50代の主婦Bさんのケース
約10年前に、実家であったマンションを親から相続して貸し出していました。
思い入れもあり売却はあまり考えていませんでしたが、築40年近くなる家の老朽化を懸念し、売却を念頭に不動産会社に相談しました。
査定をすると賃貸中でオーナーチェンジするよりも、空室にして売却した方が高く売れることが判明し、売却の時期を空室になるタイミングに合わせることになりました。
賃貸契約更新の6ヶ月前から入居者と交渉を開始し、満期で退去してもらうことができた結果、高く売却できました。
賃貸中と空室で価格が20%も変わったので、戦略的に空室を待って売却して良かったです。
事前に不動産会社に相談をして良かったと感じています。
転勤で定期賃貸契約
東京郊外の30代サラリーマン男性Cさんのケース
会社の都合で突然、地方に3年間の転勤が決定。
それまで住んでいたマンションの売却も考えましたが、再度買いなおすと手数料もかかるし、その時に手ごろな条件の物件がない可能もあるので賃貸にしました。
定期賃貸借契約なので安い賃料ですが、更新がなく退去が決まっているので、安心して貸すことができました。
3年間であれば老朽化は大きく進まないので、修繕の維持コストや資産の減少も心配ありません。
普通賃貸借と比べて人気がないので、入居者が決まるまで期間がかかりましたが、月々のローン返済も無事に進んでおり満足しています。
早く東京に帰って元のマンションでのんびりしたいと思います。
このように所有しているマンションや個々人の置かれている状況により、売却、賃貸、どちらがその人にとって最善なのか変わっていきます。
賃貸か売却か慎重に吟味した上で、悩んだ場合は専門知識のある不動産会社に相談してください。
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