投資マンション税金
投資マンション売却にともなう税金と確定申告について解説
投資用マンションを売却する際に気になるのが、「税金はいくらかかるのか」「確定申告は必要なのか」という点ではないでしょうか。
特に、以下のような疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。
- 売却すると必ず税金がかかるのか
- ワンルームマンションを売却した場合、税金はどのように計算するのか
- 確定申告は必要なのか
- 少しでも税負担を抑える方法はあるのか
結論から言うと、投資用マンションの売却では、利益(譲渡所得)が出た場合に税金が発生します。
この記事では、不動産投資会社として多数の売却相談を受けてきた実務視点から、
- 投資用マンション売却でかかる税金
- ワンルームマンション売却時の税金計算
- 確定申告の方法
- 節税のポイント
をわかりやすく解説します。
副業などで確定申告に慣れている方でない方にとって、税金や確定申告はなじみが薄いものです。
そのため、売却を検討する際は、どのような税金が発生するのかを把握しておくことが大切です。
想定外の納税が必要になると、資金計画に影響することもあります。
後から慌てないためにも、あらかじめ基本を押さえておきましょう。
目次
投資マンション売却時に支払う税金
投資マンションを売却する際にはどのような税金が課税されるのかを把握しましょう。
- 譲渡所得に対する、所得税、住民税、(復興特別所得税)
- 登録免許税(抵当権抹消登記)
- 印紙税
- 消費税(課税業者のみ該当)
それぞれについて解説します。
譲渡所得に対する所得税、住民税
投資マンションを売却して利益が出た場合は、その利益(売却益)に対して所得税と住民税が発生します。
ここで注意しなければいけないポイントは、売却価格の全体が税金の対象になっているわけではないということです。
売却利益は、一般的に譲渡所得と言われています。
物件の売却価格である譲渡収入から、取得費用と譲渡費用を差し引いたものが譲渡所得です。
売却利益(譲渡所得)=売却代金(譲渡収入金額)-(取得費用+譲渡費用)
取得費用は後ほど解説します。譲渡費用には、投資マンションを売却するために支払った仲介手数料や印紙税があります。
抵当権抹消や住所変更等の登記費用や、ローン繰上げ返済手数料は譲渡費用にはなりません。
取得費用
取得費用とは、投資マンションを購入した際の購入代金や仲介手数料をはじめ、購入後に手を加えた内装設備費などを指します。
- 土地や不動産の購入代金や建築費用
- 購入時にかかった印紙税
- 仲介手数料
- 測量費、整地費
- 設備費 etc
※事業用の物件は登録免許税や不動産取得税は含まれません。
ただし、投資マンションを購入した際の代金は、そのままを購入代金として含むことはできません。当然ながら、建物は時間とともに価値が落ちていきます。そのため、年数経過で価値が下がっている=「減価」を購入代金から差し引く必要があります。これを減価償却と呼びます。
減価償却費は、毎年の確定申告(不動産所得収支内訳書)から、累積金額を使用します。
減価償却費が不明な場合の計算方法
毎年の確定申告で減価償却をしていないオーナーさんは、取得時の売買契約書等から建物価格を求め、減価償却を計算して申告する必要があります。
建物代金は売買契約書の土地と建物内訳を確認するか、内訳がない場合消費税から逆算します。
仮に内訳も消費税も記載がない場合は、購入時の評価証明書から、土地代と建物代を案分をするなどして求めます。
購入時の価格が分からない場合は、売却価格の5%が取得費になってしまうので、譲渡益が大きくなってしまいます。
売買契約書、領収書はしっかりと保管をしてください。
根拠がないと税務署から指摘をされて、修正申告が必要になることがありますので、注意が必要です。
減価償却費の計算
減価償却費=購入価格(取得価格)×0.9×償却率×経過年数
償却率は建物の目的や構造によって異なります。
下記の図を参考にしてください。
| 居住用の不動産 (マンション、戸建てなど) |
事業用の不動産 (投資マンション・ビルなど) |
||||
|---|---|---|---|---|---|
| 耐用年数 | 償却率 | 耐用年数 | 償却率 | ||
| 建物の構造 | 木造 | 33年 | 0.031 | 22年 | 0.046 |
| 軽量鉄骨 | 40年 | 0.025 | 27年 | 0.038 | |
| 鉄筋コンクリート | 70年 | 0.015 | 47年 | 0.022 | |
鉄筋コンクリート造の投資用マンションを2,000万円で購入し、10年持っていた場合を例に減価償却費と取得代金を計算してみましょう。
購入代金2,000万円のうち、土地代金は1000万円、建物代金を1,000万円とします。
1,000万円(建物代金)×0.9×0.022(償却率)×10年(経過年数)
=198万円(減価償却費)
この減価償却費を、購入代金(2,000万円)から差し引いて残った1,802万円が取得費に含まれる購入代金です。
多くの投資家が間違えがちな減価償却の落とし穴
- コメント:あおば税理士法人・田口 豊太郎 税理士
私が経験してきた中でも、減価償却の計算が間違っているケースが往々にして見受けられます。
特に困るのが、土地まで含めて減価償却してしまうケースです。減価償却というのは、時間の経過とともに価値が下がる、つまり目減りするものについて毎年費用として計上していくことが認められている制度です。不動産の中でも建物については、人間が作ったものであり時の経過によって価値が減少していくため減価償却が可能です。しかし土地については、減価という考え方がないため減価償却の対象にはなりません。
マンションの場合を例に説明しますと、1億円で購入した場合でも、その内訳は建物と土地という2つの資産の合計で1億円となっています。売買契約書には、例えば建物7000万円、土地3000万円といった形で記載されています。ところが購入者が1億円全体を減価償却の対象としてしまい、中古で築年数の経過した物件を購入したため20年でその1億円を全て減価償却し終えてしまうといったケースがあります。
このような場合、売却時の確定申告をお願いされた際に、本来であれば土地の簿価3,000万円が残っているはずなのに、土地まで減価償却してしまっているため簿価が1円になってしまっているという問題が発生します。本来であれば50年経とうが100年経とうが、土地の3,000万円という価格は残っているはずですので、1億円で売却すれば1億円と3,000万円の差額である7000万円に対して20%の税金、つまり1400万円の税金となるべきところが、計算が狂ってしまうことになります。
このような間違いがあった場合の対応としては、過去の申告が間違っていたということで、土地の正しい金額3,000万円が残っているという前提で確定申告を行うケースが多いのですが、その場合は過去少なくとも5年程度遡って修正申告が必要になってしまいます。
譲渡所得税・住民税の計算方法
これまでに計算してきた売却利益に対して、所得税と住民税が課税されます。
これらの税率は、売却の金額ではなく、物件の保有期間によって大きく変わります。
短期的に投資ワンルームマンションを保有していた場合は、39%の税率が発生し、長期間保有していた際は、20%の税率が売却の利益に対して課せられます。
この場合の短期と短期が指す期間は、物件を売却した年の1月1日現在の所有期間が5年を超えるかどうかで判断されるのです。
所有期間によって税率が変わる
投資用マンション売却の税率は
所有期間5年を境に大きく変わります。
| 所有期間 | 税率 |
|---|---|
| 5年以下(短期譲渡) | 約39% |
| 5年超(長期譲渡) | 約20% |
つまり5年を超えて売却すると税率が約半分になります。
ワンルームマンション売却の税金シミュレーション
2007年5月に2,000万円で購入した投資ワンルームマンションを2019年4月に2,100万円で売却した場合、確定申告の際に、譲渡所得にかかる税額はいくらか。
取引きするのに費用※1は100万円発生しました。過去の減価償却費※2の累積は240万円でした。
※1仲介手数料や登記費用を含みます。
※2前年の確定申告書の不動産所得収支内訳書から、いくら原価償却が進んでいるのか確認できます。
1)譲渡所得を計算します。
譲渡収入 取得費 累積減価償却費 譲渡費用 課税譲渡所得
2,100万円 − {(2,000万円 − 240万円) + 100万円} = 240万円
2) 税額を計算します。
所有期間は、2019年1月で5年超なので長期譲渡所得の税率20%が適用となります。
課税譲渡所得
240万円 × 20% = 48万円(所得税・住民税)
投資ワンルームマンションを購入して収入を得ていたものの、いざ売却になったときに想定外の税金を納めなければいけなくなり、大きな負担になったというケースも数多く存在します。
どれくらいを期間保有するかで課税の金額は約倍の差が出るのです。
これから不動産投資を始めようと検討している人は、損をしないためにも、まず長期的な戦略を明確にすることが重要です。
投資マンションなどの不動産投資をこれから始める人も、投資用のワンルームマンションの売却を検討している人も、実際に進めるにあたり分からないことが多いはずです。
不動産投資に詳しい友人や同僚に聞くこともできますが、投資にかける金額は高いため、まずはプロである専門家に相談することが非常に大切です。
そして、どのような税金が発生するのかしっかり確認しましょう。
登録免許税(抵当権抹消登記)
投資マンションに設定されている抵当権を抹消するために必要な税金です。
税額は、1つの不動産につき1,000円です。投資マンションや区分マンションの場合は、建物と土地の持ち分それぞれに課税されます。
また、抵当権の抹消は司法書士に依頼することが一般的です。司法書士に支払う報酬は、3万円程度が相場であり、税額に加えて負担する費用です。
印紙税
投資マンションの売買が成立した際に、売主・買主それぞれが取り交わす売買契約書には、印紙を貼付し印紙税を支払わなくてはなりません。
印紙税額は、取引された売買価格によって税額が変動します。
| 契約金額 | 印紙代 |
|---|---|
| 10万円を超え 50万円以下のもの | 200円 |
| 50万円を超え 100万円以下のもの | 500円 |
| 100万円を超え 500万円以下のもの | 1千円 |
| 500万円を超え1千万円以下のもの | 5千円 |
| 1千万円を超え5千万円以下のもの | 1万円 |
| 5千万円を超え 1億円以下のもの | 3万円 |
| 1億円を超え 5億円以下のもの | 6万円 |
| 5億円を超え 10億円以下のもの | 16万円 |
| 10億円を超え 50億円以下のもの | 32万円 |
| 50億円を超えるもの | 48万円 |
印紙税は、税法の改正で変更されることがあるため、売却の際には国税庁のHPで確認するか、不動産会社に聞くことをおすすめします。
税理士が解説。投資マンションを売却する際にはどういった税金が発生する?
- コメント:あおば税理士法人・田口 豊太郎 税理士
まず前提として、全ての売却において税金が発生するわけではありません。売却した際に利益が出た場合に、その利益に対して所得税や住民税が発生するということになります。細かい税金について言えば、印紙税や登録免許税なども発生しますが、メインとしてはやはり売却益に対する所得税、住民税が大きく発生する部分ですね。
特に売却時の税金と言えば、この所得税や住民税を指すことが多いです。全く知識のない方だと、売却金額全体に税金がかかると思われがちですが、実際は利益の出た部分に対してのみ課税されるということです。
この譲渡所得税について、素人の方には分かりにくい部分かと思いますが、譲渡所得というのは簡単に言うと譲渡の利益のことです。つまり、購入金額より売却金額がどれだけ上回っているかで、その上回った金額から売却時に不動産業者に支払う仲介手数料などを差し引いた残りが売却益となります。この売却益に対して、所有期間に応じて税率が異なりますが、約20%または約40%の税金が課税されるという仕組みです。
実際のところ、利益が出るか出ないかが重要なポイントで、必ずしも利益が出るわけではありません。感覚的には、お客様で譲渡所得が発生する確率は、最近この7、8年で不動産価格がかなり上昇してきたため、私の感覚では5分5分程度ですね。税金がかかる方とかからない方が半々といった状況です。
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知っておきたい注意点
毎年の減価償却費は適切か
節税目的で購入し、毎年の確定申告を購入した不動産会社に依頼をしていた方は注意してください。
今まで計上した減価償却費が大きすぎると、売却利益が大きくなり、結果的に譲渡所得による税金額が大きくなるケースもあります。
償却費を大きく出すために、根拠なく建物価格や躯体設備の割合を多くして申告している場合は、税務署に修正申告を求められます。
悪質な場合、過去数年にわたり修正をすることになります。
毎年の家賃収入の確定申告は下記をご覧ください。
投資用マンションの確定申告をする方法は? 必要書類や経費について解説!
消費税が必要になることもある
通常は個人の方は消費税がかかりませんが、一定の条件を満たして消費税の課税業者になっていると、建物部分に消費税がかかります。
課税事業者とは、「2年前の課税売上が1,000万円超の事業者」のことです。
例えば個人事業主として課税業者になっていたり、2年前に複数マンションを売却して、建物部分の合計が1000万円以上の売上になっていたりするケースです。
はじめて課税業者になる時は、事前に税務署から「消費税課税事業者届出書の提出について」という案内が届きます。
税務は複雑で変更も多いので、よくわからないオーナー様は必ず事前に相談をしてください。
税理士が語る投資マンション売却時に伝えたい注意点
- コメント:あおば税理士法人・田口 豊太郎 税理士
最も重要なのは、売却を予定されている場合は売却前に相談していただきたいということです。税理士であれば税金についての知識は当然詳しいため、事前に相談していただければ大きなトラブルは防げると考えています。
特に注意していただきたいのが、短期譲渡と長期譲渡の区別についてです。5年超保有していれば税率20%、5年以下の保有であれば約40%の税金がかかりますが、この5年というのは売却した年の1月1日時点で5年超保有していなければならないという点です。
ここで非常に多い間違いが、購入日と売却日の差で5年経過していると判断してしまうことです。実際には売却年の1月1日基準で判定するため、「短期譲渡だったら売却しなかった」という相談が年に1、2件程度あります。
例えば、年始の取引であれば仕方がない部分もありますが、あと1~2カ月待てば短期譲渡から長期譲渡に変わるのであれば、11月に契約して引き渡しを翌1月にするといった調整により、税率が半分になるわけですから、そういった配慮が重要になってきます。
また、新築分譲業者による確定申告のサポートを受けていたケースで、めちゃくちゃな確定申告が続いているといった事例もあります。業者から送られてきた内容を毎年手書きで提出していたようなケースで、数字が全く正しくなく、売却時の確定申告を受けられないような状況になってしまうこともあります。
売却後に税務調査が入るケースはある?
- コメント:あおば税理士法人・田口 豊太郎 税理士
税務署が実際に調査に来るケースは、正直それほど多くありません。不動産売却の場合は、基本的にまず「お尋ね」というハガキが税務署から送られてきます。これは取引に疑問がある場合や無申告の場合などに送付されます。
このハガキに対して回答を行い、それでも税務署が疑問に思う場合に実際の調査となります。調査の際、購入価格があやふやなケースが多く、税務署から様々な書類の提出を求められることになります。しかし、事情をきちんと説明し、証拠資料としては弱くても、購入金額をここから類推できるという根拠を示して計算すれば、うまく通した経験もあります。
個人の場合、税理士がスポットで確定申告書を作成して提出していれば、税理士への委任状を添付して申告しているため、何かあれば税理士に連絡が来ることになります。そのため、税理士側から対応することが可能です。しかし、ご自身で申告されている場合は、直接納税者のところに連絡が行ってしまうため、事後に税理士を立てて交渉することは可能ですが、初動から税理士が対応した方が確実だと考えています。
修正申告についても、納税者側から行う修正申告は5年間しか遡ることができません。ただし、税務署が脱税などの悪質な行為があると判断した場合は、税務署の職権でさらにプラス2年の7年間修正をさせることができます。しかし、例えば脱税行為が10年前であれば、税務署も実際にはどうにもできないということになります。これは時効が成立してしまうためです。
なお、法人の場合で国税局査察部、いわゆるマルサが出てくるような場合は、もう犯罪レベルの話になってしまいます。通常は一般的な税務調査レベルで発覚するケースが多いということになります。
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投資用マンション売却時の節税ポイント
マンション投資で重要になるのが毎月の利益と、その利益を確定する出口戦略です。
出口戦略である投資用マンションの売却時に、費用や税金をできる限り安く抑えることが、不動産投資の成功につながるともいえます。
投資用マンション売却時の節税ポイントについて解説します。
長期譲渡所得と短期譲渡所得
不動産を売却する際の税金としては譲渡所得税があります。譲渡所得税は「譲渡所得金額×譲渡税率」にて算出できます。
譲渡税率は投資マンションの所有期間が5年以下か、5年を超えるかによって以下のとおり変わります。
| 所得区分 | 長期譲渡所得 | 短期譲渡所得 |
|---|---|---|
| 所有期間 | 5年超 | 5年以下 |
| 税率 | 20.315%
所得税:15.315%/住民税:5% |
39.63%
所得税:30.63%/住民税:9% |
短期譲渡所得における税率が2倍近く高く設定されているのは、土地や建物を仕入れて短期間で転売して利益を上げる行為(土地ころがし)を抑制することが目的です。
譲渡所得金額は取得費と価償却費から算出
譲渡所得金額は「購入価額-減価償却費」により求めます。
相続などにより購入金額が不明な場合、国税庁は売却額の5%を取得費とみなすことと定めています。たとえば、売却額が3,000万円の場合の取得費は150万円となります。
投資用マンションを売却する際、購入時の価格から減価を引いた額を用いて譲渡所得を算出することが譲渡所得税の計算で重要です。
また減価償却費は「建物取得費×0.9×償却率×経過年数」で計算することが可能であり、以下のとおりマンションの構造や使途によって償却率が異なります。
償却率と耐用年数
| 事業用 | 非事業用 | |||
|---|---|---|---|---|
| 建物構造の種類 | 耐用年数 | 償却率 | 耐用年数 | 償却率 |
| 鉄筋コンクリート造 | 47年 | 0.022 | 70年 | 0.015 |
| 鉄骨造(4ミリ超) | 34年 | 0.030 | 51年 | 0.020 |
| 鉄骨造(4ミリ以下) | 27年 | 0.038 | 40年 | 0.025 |
| 鉄骨造(3ミリ以下) | 19年 | 0.053 | 28年 | 0.036 |
| 木造 | 22年 | 0.046 | 33年 | 0.031 |
| 木造モルタル造 | 20年 | 0.050 | 30年 | 0.034 |
例として2,000万円で購入した鉄筋コンクリート造の投資マンション(事業用)が築20年6カ月(6カ月以上は繰り上げ)の場合は以下のように計算します。
2,000万円×0.9×0.022×21=831.6万円
なお取得費には加算特例として、相続で取得した不動産などを売却する場合、以下の条件を満たせば一定金額が加算されます。
- 相続などで取得した不動産である
- 相続時に相続税が課税されている
- 相続から3年10カ月以内の売却である
これは相続税と譲渡所得税により二重課税を防止することが目的です。
事業用不動産の買換え特例について
事業用財産の買換え特例は、所有期間が10年を超える事業用不動産を売却して、一定の期間内に買換えた場合、売却時の譲渡利益80%について「課税の繰り延べ」が可能となります。
事業用不動産には借家・駐車場など個人で営む場合も含みます。この特例を利用することで、税負担を一時的に軽減でき、その結果、資金の再投資や事業拡大への再資源化が可能になります。
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投資用マンション売却時、税金以外にかかる費用
投資用マンションの売却時にかかるのは税金だけではありません。
不動産会社に支払う仲介手数料や契約書の印紙代などが別途必要です。税金以外に必要となる費用について詳しく説明します。
仲介手数料
不動産会社に仲介を依頼する場合、売却価格に応じて仲介手数料を支払います。
| 売却価格 | 仲介手数料(上限額) |
|---|---|
| 200万円以下 | 売却価格(税抜)×5% |
| 200万円超~400万円以下 | 売却価格(税抜)×4%+2万円 |
| 400万円超 | 売却価格(税抜)×3%+6万円 |
たとえば、300万円で投資用マンションを売却する場合「300万円×4%+ 2万円」となり、14万円(税抜き)が仲介手数料の上限です。
なお、仲介手数料は売買契約の締結時に半額、引渡し時に残りの半額を支払うことが一般的です。不動産会社によって異なる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
登記・抵当権抹消
投資用マンションを売却する際は「所有権移転登記」が必要であり、所有権移転登記には登録免許税が発生します。
所有権移転登記の登録免許税は売買契約書にとくに記載がない場合は買主が支払うことが一般的です。
一方で、売却する投資用マンションにローンが残っている場合は、抵当権の抹消をする必要があり、これは売主が負担します。抵当権抹消登記費用は、不動産ひとつにつき1,000円です。司法書士に依頼した場合は、別途手数料が必要となります。
この他にも空室であれば室内のリフォーム費用やハウスクリーニング費用、ローン残額を金融機関に支払う際の手数料などが必要となるため、出口戦略を実施する際は赤字にならないよう事前に確認しておくことをおすすめします。
売却時の手取りを正確に把握するには、税金だけでなく仲介手数料や諸経費も含めて確認することが大切です。
投資マンションの売却費用全体は、こちらの記事で整理しています。
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売却から確定申告の流れ
売却すると、税務署から確定申告前に「譲渡所得がある場合の確定申告のお知らせ」が届きます。
こちらは法務局と連携されており、自動で売主のもとに届きます。
売却について利益が出ていない場合は、利益が出ないので申告しないと回答して返送すれば終わりですが、利益が出ている場合は、3月15日までに、確定申告を実施することが必要です。
なお、ハガキに回答をしないと、税務調査の対象になることがありますので、利益がなくても必ず返信をしてください。
明確な期限があるため、不慣れな場合は不動産取引に精通した税理士に依頼することをおすすめします。
自身で確定申告を行いたい方や時間に余裕がある方は、税務署に設置された確定申告に関する無料相談所も活用をおすすめします。
投資マンションを売却して確定申告が必要なケース
投資マンションを売却したことで利益(譲渡所得)が発生した場合は確定申告をしなればなりません。先ほど解説した譲渡所得を計算し、利益が発生していることが分かった場合は、確定申告を行い、譲渡所得税を支払います。
利益のない売却損でも確定申告をした方が良いケース
投資マンションを売却して譲渡所得が発生しない、売却損が大きい場合でも、確定申告を行った方が良いケースがあります。
他の不動産の売買でプラスがあった場合、投資マンションの売却価格が取得費よりも下回ったことによる売却損と相殺することで、節税することできるからです。
ちなみに、不動産以外の給与所得などとの損益通算は、現在はできなくなっています。
税法は変更されることが多いので、取引前に税務署や税理士などに相談することをおすすめします。
税金や確定申告の全体像がわかったら、次は売却実務の流れを押さえておくと安心です。
査定から契約、引き渡し、確定申告までの手順は、こちらで詳しく解説しています。
投資マンション売却の流れを解説。高く売るためのポイントや費用も網羅
確定申告で必要な書類
投資用マンションを売却して利益が出た場合は、原則として確定申告が必要です。
ただし、いざ申告しようとすると「何を準備すればよいのか分からない」という方も少なくありません。
土地・建物の譲渡所得を申告する場合は、通常の確定申告書に加えて、申告書第三表や譲渡所得の内訳書【土地・建物用】などを併せて作成します。
必要書類一覧
投資用マンション売却後の確定申告で、主に準備しておきたい書類は次のとおりです。
-
売却時の売買契約書
-
購入時の売買契約書
-
売却時にかかった仲介手数料や印紙税などの領収書
-
購入時にかかった仲介手数料、登記費用、不動産取得税などが分かる資料
-
譲渡所得の内訳書【土地・建物用】
-
所得税及び復興特別所得税の確定申告書
-
申告書第三表(分離課税用)
-
本人確認書類
-
振込先口座(還付を受ける場合)
加えて、特例の適用を受ける場合は、別途添付書類が必要になることがあります。
実務上は、「いくらで買ったか」「売却にいくらかかったか」を証明できる書類をそろえることが重要です。
譲渡所得は、原則として「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」で計算されるため、
購入時・売却時それぞれの費用資料が不足すると、正確な税額計算がしにくくなります。
譲渡所得の内訳書とは
譲渡所得の内訳書とは、土地や建物を売却したときに、譲渡所得の金額を計算するための書類です。
この書類では、主に次のような内容を整理します。
-
いつ、どの物件を売却したのか
-
売却金額はいくらか
-
購入金額や取得費はいくらか
-
売却にかかった費用はいくらか
-
最終的な譲渡所得はいくらか
つまり、売却益に対してどれだけ税金がかかるのかを算出するための土台になる書類です。
確定申告書だけでは譲渡所得の計算過程が分からないため、この内訳書の作成が非常に重要になります。
また、内訳書は契約書や領収書などに基づいて記載します。購入時や売却時の資料が手元にそろっていないと、申告作業が想像以上に複雑になります。
売却が決まった段階で早めに資料を集めておくと安心です。
申告書第一表・第二表・第三表とは
投資用マンションの売却益は、給与所得や事業所得とは別に、分離課税として申告するのが原則です。
そのため、通常の確定申告書に加えて、第三表を使う必要があります。
国税庁も、土地・建物の譲渡所得がある場合は「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」と「申告書第三表」
さらに「譲渡所得の内訳書【土地・建物用】」を併せて作成すると案内しています。
それぞれの役割は、次のように考えると分かりやすいでしょう。
第一表
確定申告全体のメインとなる書類です。所得金額や税額、還付金額など、申告内容の全体像を記載します。
第二表
所得の内訳や社会保険料控除、配偶者控除など、第一表を補足する情報を記載する書類です。
第三表
土地・建物の譲渡所得など、分離課税の対象となる所得を記載する書類です。投資用マンションの売却では、この第三表が特に重要になります。
会社員の方は、ふだん確定申告に接する機会が少ないため、第一表・第二表は見たことがあっても、第三表まではなじみがないことが多いかもしれません。
ですが、不動産売却にともなう申告では、第三表まで含めて申告が完結すると考えておくとよいでしょう。
確定申告のやり方
投資用マンションを売却したあとの確定申告は、流れを把握しておけばそこまで難しいものではありません。
大まかな流れは、次のとおりです。
-
売却時・購入時の資料をそろえる
-
取得費、譲渡費用、譲渡所得を計算する
-
譲渡所得の内訳書を作成する
-
確定申告書第一表・第二表・第三表を作成する
-
e-Tax、税務署への持参、郵送などで提出する
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に沿って金額を入力することで、確定申告書や譲渡所得の内訳書を作成できます。
不動産売却の申告でつまずきやすいのは、取得費の整理と減価償却の反映です。
書類はそろっていても、どこまで取得費に含められるのか、減価償却後の金額をどう考えるのかで迷うことが多いため、
不安がある場合は無理に自己判断せず、税理士や不動産売却に慣れた専門家へ相談するのがおすすめです。
申告期限
譲渡所得の申告は、資産を譲渡した日の属する年の翌年2月16日から3月15日までに行います。
たとえば、2026年中に投資用マンションを売却した場合は、2027年2月16日から3月15日までが基本の申告期間になります。
売却した年の年末が近づいてから準備を始めると、購入時の資料探しや取得費の確認に時間がかかることもあるため、
売却が決済まで完了した段階で、申告準備を意識しておくことが大切です。
e-Tax・税務署・税理士依頼の違い
確定申告の提出方法は、大きく分けてe-Taxで申告する方法、税務署へ書面提出する方法、税理士へ依頼する方法の3つがあります。
それぞれの特徴は次のとおりです。
e-Tax
自宅から申告できるのが最大のメリットです。国税庁の作成コーナーの案内に沿って入力することで作成しやすく、忙しい会社員の方にも向いています。
一方で、マイナンバーカードや利用環境の準備が必要になる点、入力内容を自分で正しく判断しなければならない点には注意が必要です。
税務署へ持参・郵送
紙で作成して提出したい方に向いています。書類を手元で見比べながら進めやすい反面、提出の手間はe-Taxよりかかります。
税理士へ依頼
取得費の整理が複雑なケースや、減価償却計算、他の所得との兼ね合いまで含めて慎重に申告したい場合に向いています。
費用はかかるものの、申告ミスのリスクを抑えやすく、忙しい方でも進めやすいのがメリットです。
特に、複数物件を保有している方や、購入時の資料が不足している方は、専門家のサポートを受ける価値があります。
どの方法がよいかは、物件数や資料の整い具合、ご自身の税務知識によって変わります。
「書類はそろっていて、比較的シンプルな売却」ならe-Taxや自力申告も現実的ですが、
「取得費の判断や減価償却に不安がある」「間違えたくない」場合は税理士依頼が安心です。
投資用マンションを売却して利益が出たのに確定申告をしないとどうなる?
例年、確定申告は収入を得た翌年の2月から3月15日までの期間に実施します。
会社員であれば、雇い主である会社が納税手続きを実施するため確定申告は不要ですが、投資マンションの売却により得た収入については、自ら確定申告を行うことで正しく納税をする必要があります。
確定申告は収入や費用の考え方が難しく、そもそも申請をどうすればよいかわからないなど敷居が高く、できることなら避けたい気持ちになるかもしれません。
しかし、投資用マンションを売却して利益が出ているにも関わらず確定申告を実施しない場合、脱税とみなされる可能性が発生します。脱税は故意過失を問わず犯罪であり、悪質とみなされた場合は厳しい処罰が課せられます。
確定申告が必要な場合
原則として個人が事業により収入を得た場合、確定申告が必要となります。
これは投資用マンションを売却して利益(譲渡所得)を得た場合も同様であり、万が一、利益を得ているにも関わらず確定申告を実施しなければ、さまざまな問題が発生します。
税務署の調査により脱税行為とみなされた場合、延滞税や加算税など高額な追徴課税が請求されるおそれがあります。また課税だけではなく財産の差し押さえや、場合によっては逮捕される可能性もあります。
延滞税は、納付期限の翌日から2月を経過するまで年7.3%であり、納付期限の翌日から2月を経過した後は14.6%が課税されます。
また無申告加算税は以下の条件により課税額が異なります。
- 納付税額が50万円までの金額は15%
- 納付税額のうち50万円を超える金額は20%
なお申告漏れに気が付くなどにより、調査を受ける前に自ら修正確定申告を行い納税する場合は5%の課税額となります。
いずれにしても納税は国民の義務です。追徴課税にならなければラッキーではなく、収入を得た場合は必ず申告し、納税するようにしましょう。
確定申告が不要な場合
確定申告は利益を得た場合に必要です。
そのため損失により、赤字となった場合は確定申告を実施する必要はありません。
しかし赤字の場合でも確定申告を実施することにより、事業所得などから控除を受けられる可能性もあります。たとえば、赤字の年があった場合でも、その損失を翌年以降の利益から控除できる「損失の繰越控除」を利用できます。これにより、将来的に利益が出たときに支払う税金の額を減らすことが可能です。
確定申告=税金を支払うイメージがありますが、正しく行うことにより節税につながる可能性もあるのです。
関連記事:ワンルームマンション売却の流れ。知っておきたい売買契約の注意点
税理士が語る投資マンション売却時にできる節税対策
- コメント:あおば税理士法人・田口 豊太郎 税理士
節税対策というよりも、特に重要なのが購入時の売買契約書をなくさないということです。これを紛失してしまうと非常に大変なことになります。購入金額を証明できない場合、売却金額の5%で取得したと仮定して譲渡所得を計算しなければならないため、利益が膨大になってしまう計算になってしまいます。
購入時の売買契約書がない場合は、購入金額を証明する証拠を集めるしかありません。例えば、銀行から2,000万円のローンを組んでいるということであれば、少なくとも2,000万円以上で購入したということは証明できます。しかし、記憶では3,000万円程度だった。1,000万円の自己資金と2,000万円のローンで購入したという場合でも、その3,000万円であることを証明する材料がなければ、確実な借入金額2,000万円をベースに減価償却や取得費の計算をしなければならないことになってしまいます。
これは納税者にとって非常に不利な状況です。過去には購入時のパンフレットで申告した方もいらっしゃいましたが、それも証拠の一つにしかならず、購入金額の証拠を積み上げていくしかありません。パンフレットだけでは弱いのですが、それに加えてローンの契約書や、通帳に手付金500万円というメモが残っていて、そのメモの信憑性が高いということで購入金額に加算してもらったという実体験もあります。
このような判断は基本的に税務署の判断によるところが大きいのですが、税務署が実際に調査に来ることはそれほど多くなく、まずはお尋ねのハガキが来て、それに対する回答により判断されることが多いです。税理士が初動から対応していれば、委任状により税理士に連絡が来るため、適切な対応が可能になります。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)




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