投資マンション失敗
新築ワンルームマンションは売却するべき!? 「買ってしまった」対処法とは
新築ワンルーム物件を十分に検討することなく購入してしまい、「失敗した!」と後悔する人が後を絶ちません。購入後に後悔しはじめたとき、どのように対応すべきなのでしょうか。事例とともにご紹介します。
目次
新築ワンルームマンション購入を後悔する理由
勢いに乗ってしまった
少し話を聞くだけのはずが、営業担当者のセールストークに気圧され、気がつけば契約書にサインをしていた……という事例も少なくありません。同じ年に複数件の物件を購入している人もいます。営業担当者の中には、買い手に冷静に考える時間を与えることなく、「今買わないと大きなチャンスを逃してしまいますよ!」と決断を急がせる販売手法を採る人もいます。こうして流されるままに十分に検討せずに購入してしまうと、後々その判断を悔やむことになりかねません。
リスクについて知らなかった
営業担当者の精度の低いシミュレーションや、「損が出ることはない」といった説明を真に受けてしまう買い手も多いと言います。しかし、新築ワンルームにはさまざまなリスクがつきものです。心の準備もないままに家賃の低下や管理費の高騰、リフォームなどの維持費用の増大といった局面を迎え、思わぬマイナスの拡大でマンション経営に行き詰まるオーナーもいるのです。
価格の相場がわからない
「定価から割り引きします!」という提案を受け、営業担当者に勧められるままに購入してしまった、という人もいます。しかし、新築ワンルームの定価(分譲価格)は、そもそも中古の市場相場から乖離していることも少なくありません。こうした営業トークを鵜呑みにすることなく、自身で相場価格を調べることが大切です。
投資の経験がない
投資とひと口に言っても、株式や債券、FXなど、さまざまな種類があります。不動産投資もその1つです。不動産投資を始める場合でも、他の投資について一通りの知識を持っておくことは非常に重要です。営業担当者の説明を十分に理解できるだけの知識がなければ、リスクを回避することもままなりません。
新築ワンルームマンション投資の闇とは
不動産会社の担当者が退職してしまう
不動産会社は実力主義の厳しい環境です。中には「契約が取れればどのような手段でも構わない」と考える人さえいます。こうした担当者から購入してしまうと、「購入時に聞いていた話と違う!」と後悔するケースも多くあります。
また、社員の入れ替わりも早く、購入時の担当者が気付けば退職していた、ということも少なくありません。購入時に営業担当者が話していたことが、後任に引き継がれるとは限りません。当時の約束が反故にされてしまった、ということもあるのです。
販売した会社が買い取らない
購入後に売却しようとして販売を担当した会社に連絡したものの、なかなか買い取ってくれない、といった事例も多く聞かれます。「売却すると損をしますよ」などと説得されてしまい、結局売却できなかったオーナーもいます。仮に買い取ってくれたとしても、新築物件は購入の翌日には価格が大きく下がります。3割以上価格が下がることもあるのです。
利益が出るのは業者だけ
新築ワンルーム投資では、オーナーにはまったく利益が出ず、販売した不動産会社や融資をした金融機関だけが利益を得た、というケースも多くあります。不動産会社は販売時の利益や、家賃集金代行等で利益を得られます。また、金融機関は金利による利益が生まれます。その分、オーナーが得られる利益は減り、むしろマイナスになることすらあります。
新築ワンルームマンション投資、失敗時の対処法
早期売却で処分
購入後、収支が悪化した場合、所有する期間が長期化するほどにマイナスは膨らんでいきます。金銭的な負担が続くだけでなく、精神的に大きなストレスも生じます。マイナスを補填するために自己資金を注入することになりますが、キャッシュがいつ尽きるかも分かりません。このような事態に陥った場合は、できる限り早期に売却をする方が良いことがほとんどです。売却のタイミングが早いほど、損失を少なく抑えられる可能性が高まります。
繰り上げ返済
一部繰り上げ返済をすることで、月々のキャッシュフローをプラスに転換できる可能性があります。繰り上げ返済を行う場合、購入後早めの時期から開始するほど、総返済額を抑えることができます。ただし、売買相場の変動や経年劣化による物件価格の低下などの条件も考慮しつつタイミングを決定しなければなりません。家賃が下がることでさらに繰り上げ返済が必要となることもあります。
物件を所有し続ける
ローンを完済するまで物件を所有し続けることも選択肢の1つです。ただし、マイナスを補うために自己資金で負担をする必要が生じます。支払額が高額化することもあるため、慎重に検討しましょう。月々の収支のマイナス分の補填だけではなく、リフォームや設備交換費用などを負担することも考慮に入れる必要があります。空室となれば収入はなくなるため、補填する金額が増えることも忘れてはいけません。
所有し続け、ローンを完済する頃にどの程度のリセールバリューがあるか、といった観点で考えることも必要です。その頃には新たなリスクが生じている可能性もあります。
新築ワンルームマンション売却の事例
30代地方公務員のAさんは、妻、子どもとの3人暮らしです。ある日、知人の紹介で新築ワンルーム投資について話を聞く機会がありました。団信に加入すれば生命保険に入る必要もなくなる、節税対策としても有効、といったセールストークを聞き、家族に相談することもなく購入を決めてしまいました。結局、ワンルームマンションを購入したことは妻には話さないまま1年が過ぎました。
その頃、ワンルームマンションの経営は当初思ったほどの利益が出ず、収支はマイナスに転落していました。そんなとき、自宅に届いた固定資産税の納税通知を妻が目にして、Aさんが投資をしていたことが露見します。収支がマイナスであることも知られ、物件を売却してほしいと頼まれてしまいました。
購入から2年で物件を売りに出そうと見積もりを取りますが、ローン残金と比較して売却額が600万円ほど低い結果となります。自己資金ではこの差額を用意できず、結局両親に借金をして売却することになってしまいました。
よく検討せずに新築ワンルームマンションを購入してしまうと、大きなマイナスだけが残ることも少なくないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
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