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「不動産投資はやめとけ」と言われる原因
失敗と成功、それぞれの要因とは!?

バツを指で示す男性

「不動産投資はやめとけ」――こんな言葉を聞いて、不安を感じたことはありませんか。投資において重要なのは、根拠のない不安に振り回されることなく、ご自身でメリットやデメリット、リスクをしっかりと把握し、適切な判断を行える力を身につけることです。今回のコラムでは、不動産投資の適性がないタイプや、おすすめの資格についてもご紹介しますので、ぜひ投資判断にお役立てください。

 

「不動産投資はやめとけ」と言われる原因

 

身近に成功者がいない

不動産投資に失敗した話を聞くことはあっても、成功した人は見たことがない。こうした理由から、不動産投資を勧めないという人も多いようです。

ネガティブな噂はどうしても広がりやすく、失敗事例ばかり聞こえてくるという点には注意しましょう。また、日本人は資産運用に保守的な傾向があると言われ、不動産投資を実践する人口自体が少ないという背景や、お金の成功を他者にアピールしない傾向があることも、考慮しておくべきでしょう。

 

借金をして購入しなければならない

ローンへの抵抗がある人が多く、不動産投資をしようとして家族の反対にあったという方も少なくありません。まず、「借金は悪」という思い込みを捨て去りましょう。借金そのものが悪いのではなく、無謀な収支計画に基づく借り入れがさまざまなトラブルの原因となるのです。

 

不動産業者から強引な勧誘を受けるのではないか

不動産業者に対するネガティブなイメージのために不動産投資を勧めない、という方もいるでしょう。残念ながら悪質な業者が存在するのは事実ですが、すべての業者に当てはまるわけではありません。しっかりと業者を選定することで、回避できるリスクも多いのです。

 

収支が悪化するリスク要因が多い

空室や家賃低下、管理費や修繕費などの多額のコストといったリスク要因があり、予測も立てづらいという側面も確かに存在します。利益を得るための投資で、かえって支出ばかり増えるのではないかというネガティブなイメージを持つ人が多くいます。

 

投資の経験がない

さきほどお話したとおり、日本人は投資に積極的ではありません。経験がない人にとって、投資額が大きい不動産投資は、不安ばかりが膨らむ不確かな資産運用方法として映るのでしょう。得をするより損したくないと考える方が多いのです。

 

不動産投資のしくみ

仕組みを記入するビジネスパーソン不動産投資は、物件を購入し、維持・修繕をして、家賃収入を得る、そして最終的に物件を売却するというステップに沿って行います。利益を出すには、「安く買う」、「高く売る」、「適切な運営を行う」という3つの原則を守り、PDCAを回すことが大切です。

 

インカムゲイン

物件を所有し、入居者に貸し出すことで得られる利益です。

「家賃、礼金、更新料、節税還付金」が主な収入の項目です(①)。ここから支出項目である「管理費、修繕積立金、金利、保証料、固定資産税、リフォーム・設備交換費」(②)を引くと、インカムゲインを算出できます。

 

キャピタルゲイン

物件の売却時に得られる利益です。

売却時には、仲介料や登記費用がかかるため、まずこれらを売却価格から差し引きます(③)。さらに、物件を購入した際にかかった費用、すなわち「物件価格、登記費用、取得税、仲介料」の合計(④)を引くと、キャピタルゲインを算出できます。

 

トータル収支

インカムゲインとキャピタルゲインそれぞれを合計して、総合的な収支を算出します。これがプラスになれば、不動産投資は成功と言えるでしょう。

計算式は、(①-②)+(③-④)となります。

物件の資産価値は、購入から時間が経つにつれて減少していきます。このため、キャピタルゲインをプラスにすることは容易ではありません。月々の家賃収入で利益を出し、資産価値の減少分を補うよう物件を運営していくイメージを持ちましょう。

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不動産投資のメリット

 

不労所得を得られる

労働の直接的対価以外の所得、すなわち不労所得を得られるということは、不動産投資の大きな魅力です。もちろん物件の管理作業などは発生しますが、管理会社を活用するといった選択肢で労力を削減することも可能です。

 

インフレに強い

インフレになると、現金の価値は目減りします。しかし、現物資産である不動産は現金と比較すると価値が下がりにくく、インフレに強い資産と言えるでしょう。

 

レバレッジ効果

不動産投資は、物件を担保にローンを組む、レバレッジを効かせた運用が可能です。同じ元手で、より大きな利益を上げることができます。また不動産投資の場合、団体信用生命保険(団信)に加入しておくことで生命保険と同じ効果が得られるというメリットもあります。

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不動産投資のリスク

 

価格が変動する

不動産に定価はなく、景気により価格が変化します。このため、情報をしっかり収集していないと、取引で損をすることがあります。

 

キャッシュフローがマイナスになる

物件は、老朽化に伴い家賃が減少し、修繕管理費が増加していきます。また、突発的な不具合が生じ、想定外の修繕費が発生することもあります。こうした事態の備えがないと、収支がマイナスに転じてしまうリスクがあるのです。

 

災害

地震・水害・火事はいつ起こるか分かりません。物件に大きなダメージが生じ、高額の修繕費を支払うことになるかもしれません。場合によっては再建築ができず、大きな損失となる可能性もあります。

 

不動産投資に向かないタイプとは

 

経営視点での思考ができない

不動産による投資は、「買ったら終わり」ではありません。事業として適切な判断・運営を行い、絶えず改善していく姿勢が成功の鍵となります。

 

収入にゆとりがない

一般的に、不動産投資で成功するには600万円以上の年収があり、ある程度の余剰資金を確保できるゆとりが必要だと言われます。現時点でそのようなゆとりがない場合は、まず自己投資で自らの経営資源を高めることを優先すると良いでしょう。

 

余剰資金がない

さきほどの項目とも関連しますが、不動産投資においては修繕費用など、想定外の出費が発生する可能性があります。また、繰り上げ返済もできる限り実施しておくと、リスクを抑えることができます。こうした出費に対応できるよう、余剰資金を確保しておくことが大切です。

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投資の勉強に割く時間がない

不動産投資はほかの投資と同じく、基礎的な知識をしっかりと身につけ、多くの情報を活用することが成功の鍵となります。情報収集や勉強にあてられる時間や気力がないと、利益を出すことは困難でしょう。

 

大きなライフイベントが予定されている

結婚や自宅の購入などの大きなライフイベントが直近で予定されている場合は、不動産投資のスタートは見送る方が賢明です。こうしたイベントでは大きな出費があることがほとんどで、投資のための余剰資金まで確保することは困難だからです。自宅を購入する場合、住宅ローンを契約するために不動産投資ローンの返済が必要となる場合もあります。

また、家族の理解が得られないと、不動産投資がトラブルの原因になりかねません。

 

不動産投資におすすめの資格

不動産の資格リスクがあるから「やめておけ」と言われがちな不動産投資ですが、勉強や情報収集にしっかり時間をかければ、多くのリスク要素を回避することができます。以下でご紹介する資格は、投資の勉強に非常に役立つものばかりです。取引をする不動産業者がこうした資格を取得しているかをチェックするのも良いでしょう。

 

宅地建物取引士

不動産の売買や賃貸などに関する基本的な法律について学ぶことができます。自身が不動産会社と取引をする際に、相手が法令を遵守しているかを確認できるようになるため、リスク回避に有効です。投資だけでなく、広く生活に役立つ知識を身につけることができます。

 

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産管理について、幅広い専門知識を学ぶことができる国家資格です。物件の管理方法から入居者トラブルまで、さまざまな知識を身につけることができます。200室以上の賃貸管理をする場合には登録が義務つけられていますので、賃貸管理会社の選定にも役立ちます。

 

ファイナンシャル・プランニング技能士

貯蓄や投資など、お金の基礎知識についての技能を認定する国家資格です。住居だけでなく、教育や老後の備えなど、顧客のライフプランに即した財務計画を立案できるようになります。資産形成について広く学ぶことができるため、不動産投資にも役立ちます。

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コラム監修

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伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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