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投資マンション税金

投資用マンションの相続税について
相続税対策するか売るべきか?

相続税の申告書

投資用マンション 相続対策と売却について

人に貸し出すことで収入を得られる投資用マンション。それだけでなく、基礎控除を超える資産を保有している場合は、投資用マンションを購入することで、現金として残すよりも大きな節税効果が見込めます。

節税対策としても利用される投資用マンションですが、相続のタイミングでは相続税においてトラブルの元になりやすいので注意が必要です。とくに、相続する側が投資マンションに対しての知識や理解がないと、泥沼の争いに発展してしまうことも。

また、空室リスクやリフォーム設備交換費用など、相続時には物件の将来性も冷静に判断する必要があるでしょう。

このように、投資用マンションを相続する場合、相続税対策、後々の運用に関しての決め事などあらかじめ準備しておくことがたくさんあります。事前に関係者で話し合いをして、現金で残すのか、物件で残すのであれば誰にどの物件を相続させるのかなどを決めることが大切です。合わせて、投資マンション運営の知識も引き継ぐようにしましょう。

相続税の基本的な仕組み

相続税の基本的な仕組みについて解説します。

計算方法 税率と控除額について

まず最初に、基礎控除額は3000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算できます。

法定相続の人数が1人の場合は3600万円、2人の場合には4200万円……と、法定相続人が多くなるほど、基礎控除の額は大きくなっていきます。

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3600万円
2人 4200万円
3人 4800万円
4人 5400万円
5人 6000万円
6人 6600万円
7人 7200万円

<現在の税計算(基礎控除等)>

【平成27年1月1日以降の基礎控除額】

3000万円+(600万円×法定相続人の数)

【平成26年12月31日以前の基礎控除額】

5000万円+(1000万円×法定相続人の数)

<税率の変化>

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1000万円以下 10%
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円

引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm

相続税の節税対策について解説

ここからは、相続税の節税対策について解説します。

現金よりも不動産にすることで節税効果がある

例えば1億円をそのまま現金で相続すると、「贈与税」が加算されます。

これには「贈与された財産価額」が大切になるのですが、この財産価額の価値が現金よりも不動産のほうが低いため、節税効果が見込まれます。

<イメージ>

ケース 内訳 相続税評価額
現金1億円を所有している方が

亡くなった場合

現金1億円 1億円
現金1億円を持っており、生前に2000万円の収益物件を5つ購入したのちになくなった場合

(内訳:土地=6000万円 建物=4000万円)

土地:3300万円

建物:2100万円

5400万円

また、被相続人と同じ土地に住んでいた場合、その土地を相続するのであれば、330㎡までは土地の評価額を80%減額できる「小規模宅地等の特例」が使える可能性もあるので必ず条件を確認しましょう。

賃貸することでさらに節税効果がある

投資マンションを賃貸で貸すことで、さらに財産価額の評価額は下がります。

<ケース>

ケース 内訳 相続税評価額
現金1億円を持っており、生前に2000万円の収益物件を5つ購入したのちになくなった場合

(内訳:土地=6000万円 建物=4000万円)

土地:3300万円

建物:2100万円

5400万円
現金1億円を持っており、生前に2000万円の収益物件を5つ購入し、賃貸で貸し出していたのちになくなった場合

(内訳:土地=6000万円 建物=4000万円)

土地:2640万円

建物:2100万円

4740万円

購入したマンションを賃貸に出すことで、評価額をさらに2割減らすことができます。結果としてマンションは購入するだけでなく、投資用マンションとして賃貸で提供したほうが、最も節税効果が見込めるといえるでしょう。

具体的な相続の手続きや注意点は、下記を確認ください。

投資マンションを相続する際の手続きや注意点を解説!相続税はどうなる?

投資用マンション相続のメリット

それでは実際に投資用マンション相続のメリットをみていきましょう。

一部屋ごと、相続人に分けやすい

投資用マンションを相続する場合、部屋ごとに運営を分けることができます。これにより、一部屋ごとに相続人を分けられるため、同じ価値の不動産を複数人で所有したい場合にも対応できる可能性があります。

流動性が高く、現金化が早い

流動性とは、売買のしやすさのことを指します。

投資用マンションは、流動性が高く、2000万円以下の取引が多いことから、現金化までのスピードが早いこともメリットでしょう。

一部屋ごと、自由に保有・売却を選べる

お子様などがいる場合や、リタイア後に自分たちが住む部屋を残しておきたい場合などは、投資用マンションの部屋を一部屋ごとに保有できるため、後々の自由度が高いです。

空室リスクが高い物件は売って現金化、将来的に残したい物件は保有するなど、所有者が物件をどうするか自由に選べるのも、メリットの一つといえます。

好立地の物件が多く、賃貸需要が安定している

投資用マンションには好立地の物件が多いため、賃貸の需要が安定しています。特に駅前や都心部などのマンションは、空室になってもすぐに次の入居者が決まりやすいので、相続もしやすいといえるでしょう。

管理会社がいるので、清掃や修繕を自分で行わなくていい

投資用マンションを相続する場合、専有部分は賃貸管理会社、マンション全体は建物管理会社に委託していることがほとんどなので、賃貸募集、更新、清掃、修繕などを自分で行う手間がいりません。

詳しい賃貸管理については下記を確認ください。

賃貸管理の手数料はいくら?管理のメリットや注意点のまとめ

投資用マンションの相続対策の注意点

投資用マンションを相続する場合、事前にどのような対策を行っておけばよいのでしょうか。注意点をお伝えします。

配偶者、子供の合意はとれているか

配偶者、子供の同意が取れているかどうかは、投資用マンションを相続する際にトラブルになりやすいポイントです。

ストレスの元になり気が重くなりがちですが、将来を考えてこまめに話し合いの時間を持つように心がけましょう。

同意を取れていないまま投資用マンションの相続手続きを進めてしまうと、後々大きな禍根となりトラブルに発展することも。相続する側の人間関係がこじれてしまい、「物件を処分してお金にしてしまおう」と相続税対策がまったくできていない無茶な売却となるケースも増えています。

運営は安定しているか

将来的に負債になる物件を相続してしまうと、相続された側もデメリットが大きくなってしまいます。そのため、将来的に賃貸物件として競争力があるか、安定して運営していけるかどうかはチェックしておきましょう。

また、物件は所有しているだけでも、管理費やリフォームの費用、固定資産税などのコストが発生します。そのことも視野に入れ、相続する物件を冷静に見分けることが大切です。

将来の換金性

たとえ相続税が安くなるとしても、流動性が悪いとお金に換金したいと思ったときに、思うように物件が売れずに苦労することも考えられます。将来の換金性を考えることも、とても重要なポイントといえるでしょう。

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コラム監修

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伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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