投資マンション基礎知識
ワンルームマンションの大規模修繕と費用と時期について解説
気になる売却の価格との関係はどうなる!?
目次
大規模修繕工事の時期は約15年周期
築年数が古くなった投資用マンションの大規模修繕は売買に大きな影響を与えます。
近頃、老朽化した築古の投資用マンションを、大規模修繕した物件が売り物として市場に出てきています。
築古の物件を購入する際に重要になってくることは、
・大規模修繕工事をいつ、どのような内容で行うのか。
・修繕積立金の総額は十分な状態なのか。
これらの情報を確認することです。
修繕の計画がしっかりできていないマンション管理組合が多くあります。
そして、計画が適当なので当然ですが積立金も十分になく、場当たり的な修繕を繰り返し、結果コストが余計にかかり、悪循環に陥ってしまうマンションもあります。
マンションは平均15年の周期で工事が必要になります。詳しくは下記の資料を確認ください。
ワンルームマンション購入時に長期修繕計画を確認する
投資用のワンルームマンションにおいても、長期修繕計画の重要性が認識され、新築販売当初から計画を策定し説明されるようになっています。
しかし、新築販売時に販売しやすいように、デベロッパーが月々の修繕積立金を安く設定している物件が大半です。
そのため、大規模修繕工事が必要になった際に積立金に不足が生じ、1戸あたり数十万~百数十万円の負担が必要になる場合や、修繕工事のたびに月々の修繕積立金が値上げになるようなケースも珍しくありません。
所有しているオーナーさまは不満に思っても、管理組合で決定されたものについては従うしかありません。
これは、買う側の懸念ですが、売る側=オーナーさまにとっても同じくらい重要なポイントです。
売却はせずに、ずっと所有して、貸し続けたいと考えている物件が、30年、40年、50年後に、物件としての競争力を維持して、使用に耐えうるかどうかを、しっかりと検討したいです。
また、大規模修繕工事が必要になったら、どのくらい費用が掛かるのか、現在の修繕積立金は適正か、マンション管理組合が機能しているのかも、事前に知っておきたいところです。
大規模修繕工事の費用は戸当たり約100万円
大規模修繕をすることになって、負担金が生じても、全オーナーの合意がえられて、負担金が徴収できる。または、管理組合が金融機関からの融資を組めれば問題はないのですが、管理組合で予算の合意が形成できない可能性もあります。
それは、各オーナーで懐事情や年齢など、投資用マンションに対する姿勢がことなるからです。
特に、赤字続きで費用負担が一切できないオーナーさまや、ご高齢でこれ以上追加の現金を投資したくないオーナーさまは反対をされるケースが多く、トラブルに発展しているケースも実際にあります。
自分は大規模修繕をして、物件の競争力を積極的に高めたくても、マンション管理組合の総意は「行わない」となるかもしれません。
そうなると、必要な修繕ができなくなってしまい、満足な家賃で貸すことができず、資産価値を大きく下げてしまうでしょう。
また、大規模修繕でも対応できない問題が発生して、建て替えが必要になることも考えられます。
レアケースとは言え、大規模修繕より費用もかかり、管理組合の合意形成はさらに難しくなります。
管理組合の5分の4の議決が必要になるので、なかなか厳しい現実があります。
当然ながら、すでに大規模修繕や建て替えのような議案が出ている物件ですと、不確定要素が多すぎて買い手が付きにくくなります。
修繕積立金の値上げが、利回りと売却価格に影響する
修繕積立金が十分にないマンションは、月々の修繕積立金の値上げも、大規模修繕工事と同時に議案として提出されていることも多くなります。
これにより、購入後の利回りが低下することになるので売買価格が下がる影響が出ます。
同じ利回りで売却した場合、積立金が4,000円値上げになるだけで、売買価格で960,000円の差になります。
これほどの差がついてしまうので侮ることはできません。
5%の利回りで売買されたケース
①家賃75,000円で管理費修繕積立金の合計が8,000円の物件
②家賃75,000円で管理費修繕積立金の合計が12,000円の物件を同じ5%の利回りで売買した場合
①(75000-8000)×12÷5%=16,080,000(売買価格)
②(75000-12000)×12÷5%=15,12,000(売買価格)
16,080,000-15,120,000=960,000円(差額)
大規模修繕工事の前に売り抜けることも戦略
投資用マンションをどのように所有していくのか、というプランを考えるなら、遠い未来の大規模修繕や、建て替えの可能性をしっかりと見据えなければいけません。
購入時から売却の出口戦略まで検討する必要があります。一棟アパートなどは、最終的に更地にして処分することができます。
しかし、区分所有のマンションでは更地にするのも大変で、さらに土地の持ち分が少ないので資産価値が少なく、将来の処分をどうするのかは、避けられない課題です。
実際のプロフェッショナルな投資家の方は、築古の物件を購入して、大規模修繕が始まる前に、短期間で売り抜ける方が少なくありません。
現在のオーナーさまも、売却の際には、所有物件の大規模修繕工事の予定、修繕積立金の値上げのタイミングなどを、管理組合の議事録や長期修繕計画書を確認しておくことをオススメいたします。
大規模修繕工事の数年前から、積立金の値上げなどの議案が提出されることが多いので、その前に売り抜けることを検討するのも、必要な戦略かもしれません。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)




