
投資マンション基礎知識
不動産の媒介契約とは?契約の種類や仲介との違いについて
不動産売却を検討した場合、「媒介契約」という言葉を耳にする機会が増えるでしょう。
初めて不動産売却を行う方には難しく感じるかもしれませんが、媒介契約の概要や仲介との違いを理解することは、スムーズに売却を進めるうえでとても重要です。
媒介契約の種類ごとに特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
目次
不動産における媒介契約の基礎知識【初心者向け】
媒介契約は不動産売買ならではの契約です。そのため、まずは不動産売買における媒介契約の概要と、媒介契約と仲介の違いについて解説します。
媒介契約とは?
媒介(ばいかい)契約とは、不動産売買において売主と不動産仲介業者との間で取り決めた契約のことです。
宅地建物取引業法により、不動産売買では不動産会社が仲介を担う場合は、媒介契約を締結することが義務付けられています。
媒介契約と仲介の違い
媒介契約と仲介は似たような言葉ですが役割が若干異なります。
先述の通り、媒介契約は売主が「この物件を売りたい(賃貸に出したい)」と、不動産会社に依頼する契約自体を指します。
一方、仲介は不動産会社が売主と買主の間に立って、売却手続きの代行や物件探しのサポートなど、幅広い業務のことを指します。
以上のように、媒介契約は契約の種類、仲介は不動産の売買に関する業務全般を指す言葉です。
媒介と仲介の意味に大きな違いはありませんが、仲介の方がより広い意味を持つといえるでしょう。
媒介契約でも仲介手数料が発生する
媒介契約で支払う報酬は「媒介手数料」ではなく「仲介手数料」です。
なお、媒介契約には3種類ありますが、契約の種類によって仲介手数料の金額が変わることはありません。
また、仲介手数料は宅地建物取引業法で以下のように上限が定められています。
物件の売却価格 | 仲介手数料の上限料率 |
---|---|
200万円以下の部分 | 5.5% |
200万円超400万円以下の部分 | 4.4% |
400万円超の部分 | 3.3% |
出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ-売買取引の仲介手数料の上限額」
媒介契約書に記載する内容
媒介契約書に記載する主な内容として以下の7つが挙げられます。
- 契約の種類
- 指定流通機構(レインズ)への登録義務
- 契約の有効期間
- 依頼者の義務
- 報酬支払のタイミングや料率・計算方法
- 契約解除時の違約金や費用の償還請求について
上記に加え、契約の種類によって以下の項目も記載されます。
- 一般媒介の場合:明示型と非明示型のどちらに該当するか
- 専任媒介および専属専任媒介の場合:報告義務について
媒介契約書に記載すべき項目がしっかり書かれているか、内容に問題がないか必ず確認しましょう。
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媒介契約は3種類ある!メリットとデメリットを解説
媒介契約は3種類あります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
媒介契約の種類
媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類に分けられます。
以下はそれぞれの特徴をまとめた表です。
契約の種類 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
---|---|---|---|
自己発見取引の可否
(売主自身が買主を見つけた場合に、不動産会社を通さず直接契約を結ぶことを指します) |
不可 | 可 | 可 |
複数の不動産会社との契約可否 | 不可 | 不可 | 可 |
契約期間 | 最長3カ月 | 最長3カ月 | 特に規定なし |
レインズへの登録義務 | 契約締結後5日以内に登録が必要 | 契約締結後7日以内に登録が必要 | 登録義務なし |
不動産会社から売主への報告義務 | 週1回以上の報告義務あり | 2週間に1回以上の報告義務あり | 報告義務なし |
専属専任媒介契約のメリット・デメリット
「専属専任媒介契約」は3種類の中でも最も厳しい制限がかけられています。契約できる不動産会社は1社のみ、売主が自分で買い手候補を見つけた場合でも不動産会社を通した取引が必要です。
不動産会社には契約締結後5日以内にレインズへの登録、販売状況について売主へ週1回以上の報告が義務付けられています。
迅速かつ小まめな対応が求められるため、売却活動の状況を把握しやすいのも特徴です。
専属専任媒介契約のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
- 販売状況について小まめに連絡をもらえるため現状を把握しやすい
- 手厚いサポートにより好条件での売却成立が期待できる
- 1社で売却活動を対応してくれるので、売主にかかる手間が少なく済む
デメリット
- 対応に不満があっても契約期間中は別の不動産会社への変更ができない
- 自分で購入希望者を見つけても直接取引ができず、仲介手数料も発生する
専任媒介契約のメリット・デメリット
「専任媒介契約」は専属専任媒介契約と同様に、1社にしか依頼できません。しかし、不動産会社ではなく、自身が見つけた買主と直接取引をすることが可能です。
不動産会社から売主への報告義務は2週間に1回以上で、専属専任媒介契約より緩く設定されています。
媒介契約3種類の中で、自由度とサポートのバランスが最も良い手法です。
専任媒介契約のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
メリット
- 自分で購入希望者を見つけた場合は不動産会社を通さず契約が可能
- 売主への報告義務が2週間に1回以上のため、連絡頻度の面で負担がかかりにくい
- 契約は1社だけのため、連絡・進捗管理・各種調整などの手間が少なくて済む
デメリット
- レインズへ登録されるまでに時間がかかる
- 対応に不満があっても契約期間中は別の不動産会社への変更ができない
一般媒介契約のメリット・デメリット
「一般媒介契約」は3種類の中でも最も自由度が高く、制限が少ない方法です。レインズへの登録義務がないため、物件を売却に出している事実を公にせずに済みます。
一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」の2種類があります。明示型は他の不動産会社との媒介契約の有無を知らせるタイプです。一方の非明示型の場合、他の不動産会社との媒介契約については知らせません。
なお一般媒介契約には契約期間の定めはありませんが、3カ月以内に設定するのが一般的です。
一般媒介契約のメリットとデメリットについては以下で詳しく解説します。
メリット
- 契約における制限が少なく、不動産の売却活動を自分でコントロールできる
- 不動産会社同士の競争が起こることで、売却価格が高額になる可能性がある
- 基本的に違約金の支払なく解約が可能
デメリット
- 複数の不動産会社とのやり取りが必要になる
- 販売状況の整理や内見日程の調整などを売主自身で行うことになる
- 進捗状況の報告義務がないため売主から質問する必要がある
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あなたに合った媒介契約の選び方
媒介契約には3種類あり、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。
どの方法が良いと一概にはいえないため、自分に合う方法を選ぶことが大切です。この章ではそれぞれの契約方法に合った人の特徴について解説します。
不動産を早く売りたい人は一般媒介契約
不動産をできるだけ早く売りたい人は一般媒介契約がおすすめです。
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約が可能なため、会社同士の競争が発生し、活発な売却活動をしてもらえる可能性があります。
また、複数の不動産会社へ依頼できるので、1社のみと契約する場合よりも広い範囲に情報が伝わるでしょう。
ただし、契約する会社数が多いほど売主にかかる負担は重くなります。また、進捗状況についても自分から確認する必要があり、最も手間がかかる媒介契約です。
不動産会社とのやり取りを減らしたい人は専任媒介契約
不動産会社とのやり取りを減らしつつも、ある程度のサポートを受けたいと考える人には専任媒介契約をおすすめします。
専任媒介契約は、契約する不動産会社が1社のみとなるため、やり取りをする会社の数が少なく済みます。
また、不動産会社から販売状況について最低2週間に1回以上の報告が行われるため、売主側からの連絡が必要な場面は多くありません。
専任媒介契約の注意点として、レインズへ登録されるまでに時間がかかる点が挙げられます。
不動産会社同士での競争が起こる一般媒介契約や、後述する専属専任媒介契約に比べると、売買成立までに時間がかかる恐れがあります。
状況報告を小まめにしてほしい人は専属専任媒介契約
状況報告を小まめにしてほしい人は専属専任媒介契約が最適です。
専属専任媒介契約は週に1回以上の報告が義務付けられているため、リアルタイムで状況を把握できます。
不動産会社側も状況報告の義務があるために、積極的な売却活動を行うことが期待できるでしょう。
先に述べた通り、専属専任媒介契約では自己発見での取引ができません。自分で購入希望者を探したい場合は別の方法をおすすめします。

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