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リロケーションで家を賃貸するには|貸す方法と注意点を解説

せっかくマイホームを購入・建てたのに、転勤を命じられてしまうことがあります。そういったとき、家を空き家にせずに人へ貸すリロケーションを検討してはいかがでしょうか。

リロケーションは転勤中の家を賃貸物件として、貸し出すことをいいます。利用にあたっては、さまざまな注意点がありますので、よく検討しておきましょう。
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転勤中に家を賃貸にする「リロケーション」の基本

リロケーションとは、転勤や長期不在などで留守にするあいだだけ、期間を定めて持ち家を賃貸住宅として貸し出すことです。

以前の賃貸借契約では、借主が契約を更新したいといった場合、よほどの理由がなければ貸主から契約を終了させることはできませんでした。そのため、転勤のあと戻ってくる予定がある場合は、自宅に住めなくなるおそれがあるため、リロケーションを敬遠するケースがありました。

しかし、借地借家法の改正により定期借家権が導入され、契約期間が満了したら契約を終了させられるようになり、現在ではリロケーションが広く利用されています。

リロケーションを利用すれば、留守にしているあいだに家を空き家にすることなく有効活用が可能です。賃料収入を得たり留守宅の劣化を防げたりなどのメリットがあります。

リロケーションの仕組み

リロケーションでは、借主とのあいだに契約期間を定めた定期賃貸借契約を締結します。契約期間が満了したら、借主は契約を更新できないため退去しなければなりません。

リロケーション会社は、貸主の代わりに、賃借人の募集や賃貸借契約の締結、賃料の集金、入居中の管理などを行います。

リロケーションには、ふたつの契約方式があります。契約方式によって貸主が誰と賃貸借契約を結ぶのかが異なります。

代理委託方式 貸主と借主が直接賃貸借契約を締結し、リロケーションを行う管理会社が貸主の代理で管理を行う
転貸借方式 貸主はリロケーション会社と賃貸借契約を締結して貸し出し、管理会社が借主と賃貸借契約を結んで貸す。管理はリロケーション会社が行う

代理委託方式では、リロケーション会社に賃貸契約や管理の代理を依頼します。貸主は借主とのあいだに期間を定めた定期賃貸借契約を締結し、期間が満了すると契約は終了となり、借主は退去します。

転貸借方式では、貸主が貸し出すのは借主ではなくリロケーション会社です。賃貸保証がある場合は、貸主は毎月一定の賃料を受け取れます。リロケーション会社は、貸主から借りた家を借主に貸し出し、入居中の管理を行います。

賃貸借の期間が満了して借主が退去する際の手続きなども、リロケーション会社の業務です。退去時に室内を点検して、修繕が必要な場合は借主に請求します。

リロケーションの賃貸借契約は期間限定なので、リロケーション会社と貸主の契約も賃貸借契約の期間が終了したら解約します。

また、リロケーションは貸主の留守中に自宅を貸し出すため、家具や家電などもそのまま貸し出すケースが多いです。借主はそれらを使わなくても勝手に処分することはできません。

一般の賃貸借契約との違い

リロケーションと一般の賃貸借契約との大きな違いは、賃貸期間が決まっているかいないかです。

一般の賃貸借契約は、契約で定められた契約期間が満了しても更新できます。そのため、借主が更新したいといえば貸主は更新しなければならず、貸主が契約を更新したくない場合は相当の理由が必要です。住居は生きていくうえで重要なため、貸主の都合で借主が家を追い出されて困ってしまうことのないように、借主を保護しているためです。

一方、リロケーションは期間限定の定期賃貸借契約なので、契約期間が過ぎれば契約は終了します。借主は契約を更新できず、退去しなければなりません。貸主は、契約期間が過ぎれば自宅に戻れるため、退去してもらないのではないかという不安がなく、安心して貸し出せます。

サブリース契約との違い

サブリース契約とは、サブリースを行う会社が建物を借り上げて、賃借人に賃貸することです。つまり、貸主はサブリース会社に貸し出し、サブリース会社が借主に貸します。

リロケーションはサブリース契約と似ているように思われますが、異なる点もあります。リロケーションとサブリースの違いは以下のとおりです。

リロケーション サブリース
契約形式 代理委託・転賃借(サブリース) 転賃借(サブリース)
契約期間 短期間 長期間
賃料保証 会社による あり
入居審査 厳しい サブリース会社による

一番の違いは契約期間です。リロケーションは、貸主が転勤などで留守にしているあいだだけ貸し出す、定期契約です。一方、サブリースは長期間で契約するケースが多く見られます。サブリース会社にとって、長期間契約にすることにより家賃を保証する見込みが立つためです。

サブリースの場合、貸主が受け取れる賃料は相場より安いケースが多いですが、サブリースでは賃料保証があるため、空き家でも安定した収入が見込めます。

一方、リロケーションの代理委託方式では貸主と借主が賃貸借契約を締結するため、賃借人が見つからなければ賃料収入はありません。転貸借方式でも賃料保証の有無は、リロケーション会社との取り決めによります。定期での賃貸借契約のため賃料は相場より安くなる傾向がありますが、期間が終了すれば自宅に住めるため、将来の計画を立てやすいシステムといます。

また、サブリースの場合、入居者を決めるのはサブリース会社です。そのため、貸主は入居者を選べず、どのような人が入居するのかわかりません。リロケーションの代理委託では貸主と借主が賃貸借契約を結ぶため、入居審査が厳しくなる傾向があります。

リロケーション物件を借りる人のメリット

リロケーション物件を借りる人には、次のようなメリットがあります。

  • グレードの高い物件に住める
  • 相場より安い賃料で住める

リロケーションは、転勤などで留守にしているあいだに持ち家を賃貸するため、分譲マンションや注文住宅など、グレードの高い物件が多いです。また、期間限定の賃貸のため、相場より賃料が安く設定される傾向があります。

通常より安い賃料でグレードの高い住宅に住めるのが、リロケーション物件を借りるメリットです。

リロケーションで家を貸し出すメリット

リロケーションで持ち家を貸し出すメリットは、以下のとおりです。

  • 建物の劣化を抑えられる
  • 防犯面で安心できる
  • 留守のあいだに収入を得られる
  • 契約期間が終われば、物件を返してもらえる

家は住まなくなると劣化するといわれています。

留守中に長期間空き家にしておくと、家の老朽化が進むおそれがあります。窓を閉め切っていると湿気がたまってカビの原因になったり、給排水管を使わないと劣化するほか害虫が侵入したりするためです。留守中に賃借人が住んでくれれば、換気や排水などを行ってくれるため、家が傷むのを防げます。

また、空き家にすると防犯面でも心配です。留守中に泥棒や不審者が侵入するリスクがあります。リロケーションで借主が住んでいれば、その心配がなくなります。

リロケーションにおいて、留守宅を活用して家賃収入を得られるのは大きなメリットです。留守中でも固定資産税や住宅ローン、マンションの管理費など費用がかかるため、賃料収入を支払いに充てられれば家計も助かります。

リロケーションは賃貸の期間をあらかじめ決めるため、転勤などから帰ってきた場合に退去してもらえず困ることがありません。安心して賃貸に出せます。

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リロケーションを利用する方法と契約の流れ

リロケーションを利用するには、どのような手続きをすればよいのでしょうか。リロケーションを利用する方法と契約の流れ、押さえておくべき注意点について解説します。

どこに依頼すればよい?

リロケーションを利用するには、リロケーション専門会社やリロケーションを得意とする不動産会社などに依頼します。一般の不動産会社に依頼することも可能ですが、リロケーションでは管理委託契約や定期賃貸借契約を締結するため、不慣れな不動産会社ではトラブルになるおそれがあります。専門の会社に依頼するのがよいでしょう。

リロケーションしている期間、貸主は長期間留守にしているため目が届きません。リロケーション会社にすべてを任せることになるため、信頼できる会社を選ぶことが重要です。リロケーションの実績があり、ていねいで迅速な対応をしてくれる会社を選びましょう。

また、リロケーションは賃借人が見つからなければメリットが得られません。空室リスクを避けるために、地域の賃貸募集に強い会社を選ぶのもポイントのひとつです。

リロケーションで賃貸するまでの流れ

リロケーションは、以下のような流れで行います。

  1. リロケーション会社と契約を締結する
  2. 賃借できるように家を整える
  3. 賃借人を募集し、定期賃貸借契約を締結する
  4. 入居する
  5. 期間が満了し、賃借人が退去する

流れを把握しておけば、実際にリロケーションを利用する際に、落ち着いて準備や契約ができるでしょう。

1.リロケーション会社と契約を締結する

はじめに、リロケーション会社と契約を締結します。貸主がリロケーション会社に賃貸募集や管理を委託する代理委託方式の場合は「管理委託契約」、貸主がリロケーション会社に貸し出す転貸借方式の場合は「賃貸借契約」を締結します。

リロケーション会社と契約する際には、管理委託料などの費用が発生する場合があるため、確認が必要です。

また、賃料や期間など賃借する際の条件についても、打ち合わせしておきましょう。賃借人を募集する際には条件を提示しなければならないため、あらかじめ管理会社との賃貸の条件を決めておく必要があります。

2.賃借できるように家を整える

賃貸住宅として貸し出せるように家を整えます。設備が問題なく使用できるかをチェックし、家具や家電、不用品などをきちんと片づけましょう。転勤先に家具や家電を持って行かない場合は、管理会社と相談して家具つきで貸し出すかを検討しなければなりません。

賃貸の募集の際に室内がきれいなほうが印象がよいため、できる限りきれいに掃除しましょう。特に水回りは念入りに掃除することをおすすめします。費用はかかりますが、クリーニング業者に依頼するのもよいでしょう。

3.賃借人を募集し、定期賃貸借契約を締結する

家が片づいたら、賃借人を募集します。すでに転勤先へ移動している場合は室内の内見などに立ち会えないため、募集業務は管理会社が行う場合が多いです。

賃借人とのあいだに条件など合意したら、定期賃貸借契約を締結します。代理委託方式の場合は借主と直接、転貸借方式の場合はリロケーション会社と借主が契約します。

4.入居する

定期賃貸借契約を締結したら、敷金や初月の賃料の支払いなどを経て、鍵を渡し入居します。入居中の賃料の集金や修繕などの管理業務はリロケーション会社が貸主の代理で行います。貸主はリロケーション会社に毎月管理費用を支払わなければなりません。

5.期間が満了し、賃借人が退去する

賃貸借の契約期間が満了したら、契約は終了です。リロケーション会社は契約満了日までに、借主立ち会いのもと、室内の劣化状況や損傷などの点検を行います。

契約にもとづき借主が負担する修繕がある場合は、敷金などで清算し、超える分は借主に請求します。

契約満了日になったら貸主は家を返してもらい、リロケーションは終了です。

リロケーションの契約の注意点

リロケーション会社に依頼する業務内容はしっかりと確認しましょう。

リロケーションにはふたつの契約方式があり、リロケーション会社の業務内容や貸主の負担範囲などに違いがあります。リロケーションの契約を締結する際には、リロケーション会社に依頼する内容と貸主がしなければならない内容とをしっかりと明記する必要があります。

また、リロケーション契約を締結する際には、賃貸借の条件を管理会社と話し合っておきましょう。賃貸借の期間や賃料の希望など、賃貸するにあたって希望があればあらかじめリロケーション会社に伝えておくことが大切です。

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リロケーションを利用するときの注意点

リロケーションは、留守にしているあいだの自宅を有効活用できますが、利用にあたってはリスクもあります。損をしないために、注意点をしっかり押さえることが大切です。

リロケーションを利用するときの注意点は以下のとおりです。

  • 空室でも管理費用が発生する
  • 家の損傷・設備破損のリスクがある
  • 住宅ローン返済中は金融機関の承諾が必要
  • 住宅ローン控除が使えない
  • 住んでいなくも固定資産税がかかる
  • 確定申告が必要になる

これらの注意点をひとつずつ解説します。ポイントをしっかり押さえて、リロケーションを活用しましょう。

空室でも管理費用が発生する

リロケーションでは、リロケーション会社に毎月管理費用を支払います。たとえ空室でも管理費用は発生するため、注意が必要です。空室の場合は賃料収入がないため、手元の資金から管理費用を支払わなければなりません。

管理費用の支払いで損をしないように、空室が続く場合は賃貸の条件を見直すなど対策を検討しましょう。

家の損傷・設備破損のリスクがある

短期間とはいえ家を他人に貸し出すため、設備を雑に扱ったり、汚れを放置したりして、家の損傷や設備の破損につながるリスクがあります。

誰もが持ち家と同じようにていねいに家を扱ってくれるわけではありません。掃除の頻度も人それぞれでしょう。自分で住むのとは違い、傷や汚れがつくおそれがあることを認識しておきましょう。

住宅ローン返済中は金融機関の承諾が必要である

住宅ローンを返済している場合、リロケーションを利用するには金融機関の承諾が必要です。なぜなら、住宅ローンは自分で住む家を購入するためのローンだからです。

居住用の住宅ローンは、家を取得しやすくするために金利を優遇しています。自分で住まなくなったら、優遇されていた金利が適用されなくなったり、一括での返済を求められたりするおそれもあります。リロケーションを利用する場合は、必ず事前に金融機関へ相談しましょう。

住宅ローン控除が使えない

持ち家をリロケーションにすると、住宅ローン控除が利用できなくなります。住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して居住用の家を購入あるいは新築した場合に受けられる優遇措置だからです。

住宅ローン控除が使えないと、住民税の控除が受けられず、税金が上がるおそれがあります。毎月の出費ではないため見逃してしまいがちですが、全体的な収支をしっかりと把握することが重要です。

住んでいなくても固定資産税がかかる

家を持っていると、住んでいなくても固定資産税がかかります。所有しているだけで税金がかかるため、注意しなければなりません。賃料収入でまかなえない場合は手元の資金から支払うことになるため、収支をしっかりと把握しましょう。

確定申告が必要である

リロケーションを利用して年間で20万円を超える賃料収入がある場合、不動産収入として確定申告が必要です。申告しないと追徴課税として通常より高い税率で支払いを求められる場合があるため注意してください。

仮に、管理費用や修繕費などで、賃料収入より多い支出があって赤字になった場合は、給与収入と損益通算を行うことにより税金の還付が受けられます。リロケーションをしたら、忘れずに確定申告を行いましょう。

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コラム監修

コラム監修

伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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