不動産
マンション管理会社の変更は失敗しやすい?変更方法やトラブル事例を紹介

分譲マンションの一室を購入した方にとって、そのマンションの管理業務を行う管理会社は重要です。
管理会社の業務は、日常清掃や設備などの保守、住民への連絡や総会の運営補助、大規模修繕と多岐に渡ります。しかし、なかには管理費に見合わない低いサービスレベルの管理会社も存在します。
そんな場合に備えて、分譲マンションにおけるマンション管理会社の変更の基礎知識や手順を紹介します。管理会社の変更にはデメリットもあるため、気をつけましょう。

目次
マンション管理会社は変更できる?
そもそもマンション管理会社の変更には、条件などがあるのでしょうか。
5割超の同意があれば変更できる
管理会社を変更するには、区分所有者の総会決議で過半数の賛成が必要です。
マンションにおける通常総会は年に1度と頻度が低いことが一般的のため、変更したい場合はしっかりと計画を立てて進める必要があります。
マンション管理会社の変更を検討するタイミング
管理会社の変更を検討することが多いのは、やはり現行の管理会社のサービスレベルに納得がいっていない場合です。
管理会社に不信感を抱くタイミングは、以下のように人それぞれです。
- 清掃や修繕が行き届いていない
- 管理費や修繕積立金を滞納している区分所有者への対応ができていない
- 大規模修繕の業者選定の基準を示さず高い修繕費を提示してくる
よりよい管理会社に変更すると、これらを解消できる可能性があります。
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マンション管理会社を変更する流れ
管理会社を変更するには、理事会や総会で変更について区分所有者の同意を取りつつ、新しい管理会社を選定する必要があります。
具体的には、以下の流れで行います。
- 理事会議題を持ち込む
- 区分所有者全員へのアンケート
- 新しい管理会社を選ぶ
- 総会決議
- 現行の管理会社への解約通知
- 新管理会社との契約締結
それぞれについて詳しく解説します。
理事会議題を持ち込む
管理会社を変更するには、区分所有者の過半数の同意が必要です。
まず、現行の管理会社が抱える問題点を明確にし、それを議題として理事会へ持ち込みましょう。理事会では、現行の契約内容を見ながら、管理会社が行う業務の実施状況について意見を交換します。
区分所有者全員へのアンケート
理事会のメンバー内である程度の意思統一ができたあとは、区分所有者全員に対してアンケートを実施します。現行の会社への不満や、変更の意思があるかないかなど、幅広い意見を集めましょう。
なお、その際は管理会社を変更したいと思うに至った問題をなるべく具体的に聞き出しましょう。
アンケートは、区分所有者からの意見を集約できるだけでなく、マンション管理業務への関心が高まり、管理会社の変更について心の準備をしてもらえるというメリットがあります。
新しい管理会社を選ぶ
アンケートの結果、過半数の同意が得られそうであれば、新しい管理会社の候補を複数社選び、見積もりを依頼しましょう。
この際、各社を同条件で比較するために、必ず現行の管理業務委託契約の内容を元に見積もりを出してもらいましょう。
管理会社は現地調査を行い、提案書を提示します。この提案をもとに3社ほどに絞り、プレゼンテーションをしてもらいましょう。プレゼンテーションの終了後、改めて区分所有者にアンケートを実施するなどして、理事会で1社を選定します。
総会決議
理事会で新しい管理会社候補を選定したあとは、いよいよ総会決議です。同意が得られるよう、事前に選定した1社に区分所有者全員へ向けた説明会を行ってもらうのもよいでしょう。
通常、マンションの総会は年に1度の通常総会のみです。しかし、通常総会では多くの審議する議案があるため、臨時総会を開くのもひとつの方法です。
臨時総会を開催するには、組合員総数の5分の1以上、議決権総数の5分の1以上の賛成が必要です。アンケートを活用して同意を集め、開催するのが望ましいです。
総会では、新しい管理会社から、管理委託契約の内容を含む重要事項の説明を受けます。そのうえで、管理会社変更に関する議案を決議します。これらの運営においては、現行の管理会社に依頼するのが難しいことが多いため、新しい管理会社に依頼するのがよいでしょう。
現行の管理会社への解約通知
総会決議を経たあとは、現行の管理会社に対して解約通知書を送付します。
管理会社との契約書が、国土交通省公表の「マンション標準管理委託契約書」に準拠している場合は、解約通知を3カ月前に書面で行えば契約を終了できます。
| 前条の規定にかかわらず、甲及び乙は、その相手方に対し、少なくとも三月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。 |
引用:国土交通省「マンション標準管理委託契約書」
契約書の内容に則り、適切に行いましょう。
新管理会社との契約締結
新しい管理会社が提示する契約書が、事前に行われた重要事項説明に従っているかを確認します。
特に、以下のような費用が発生した際、組合と管理会社のどちらが負担するのかを確認しておきましょう。
- 総会資料の印刷費
- 管理人が使用する電気代や電話代
- 消耗品費
また、区分所有者が管理費を滞納した際の督促対応についても注意が必要です。滞納が発生した際、管理会社は電話や督促状などで滞納者に対して督促を行います。この業務に期間が設定されている場合は、その期間が短すぎないかを確認しましょう。
新会社との契約締結が完了したあとは、現行の管理会社が契約終了となるまでの3カ月間で、現行会社と新会社との間で引き継ぎが行われます。
こうして、無事にマンション管理会社の変更が完了します。
マンション管理会社の変更にはデメリットもある
変更した管理会社が期待通りの成果を上げるとは限りません。ここでは、変更に伴い発生する可能性があるデメリットについて説明します。
管理会社変更で失敗!トラブルが起きることも
マンションが抱える課題は、建物や区分所有者によりさまざまです。
現行の管理会社から新しい管理会社への引き継ぎでは、詳細な内容までカバーされるわけではありません。変更当初はどうしても細かい認識の相違やトラブルが起こりがちです。
引き継ぎの内容や進捗は、理事会などで報告してもらうようにしましょう。管理組合側からも、新会社に対して課題の引き継ぎを実施するとなおよいでしょう。
また、管理会社変更について、管理組合で意見が割れるおそれもあります。過半数の同意が得られたとしても、変更に反対の区分所有者に対してもしっかりとフォローを行いましょう。自分の意見を無理に押し通すと、今後の管理組合の運営に支障が出るかもしれません。
サービスレベルがさらに低下してしまう
管理会社の変更で、管理の質が現行より下がってしまうおそれもあります。
新しい管理会社の営業担当のプレゼンテーションがいかによくても、実際に管理を行うのは現場の担当者です。選定する際は、現場担当者や体制も含めて判断しましょう。
特に、管理費の削減を目的として変更を行った場合、こういったサービスレベルの低下が起こる可能性は高いです。
現行の管理会社に不満を抱いているとしても、変更によってさらなる悩みの種が増えるかもしれないということは認識しておきましょう。
投資用マンションはいまが売り時
管理会社を変更するには、総会による区分所有者の過半数の同意が必要であり、推進するうえで相当な労力がかかります。変更したとしても新しい会社に不満を抱くこともあるため、売却も選択肢として持つとよいでしょう。
特に、投資用マンションの場合は、収益を目的としているため、投資をいかに黒字の状態で終了するかが重要です。
国土交通省が年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに公表する「不動産価格指数」によると、区分所有マンションの価格指数は全国平均で2010年比で約180%と好調に推移しています。
売り時のうちにマンションを売却して収支をプラスにするというのは賢い選択です。
ただし、投資用物件の場合、購入希望者の層が限られていることもあり、売却には豊富な経験と知識が不可欠です。そのため、よりよい条件で売却するには、投資物件専門の不動産会社に相談しましょう。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)


