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借主の家賃滞納!1カ月遅れた時点で大家は何をすべき?誤った対処方法も紹介

賃貸経営のリスクに、入居者の家賃滞納があります。

滞納といっても、1カ月の軽微な滞納から2カ月以上の滞納までさまざまなケースがあります。また滞納者の今後の支払い能力や支払い意思の有無によっても、大家が取るべき対応は異なるでしょう。特に、滞納1カ月遅れのケースは、単なるうっかり忘れなのか本当に支払えないのか、判断に迷うのではないでしょうか。

直近の賃貸物件の家賃滞納率や、家賃滞納1カ月遅れで大家がするべきこと、家賃滞納への誤った対処法について解説します。
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賃貸物件の家賃滞納率はどのくらい?

実際の賃貸物件の家賃滞納率はどれくらいなのでしょうか。今後の見通しと併せて紹介します。

250世帯に1世帯が2カ月以上の滞納

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協)の「賃貸住宅市場景況感調査」によると、2021年の全国家賃滞納率は1カ月の滞納で対象世帯の0.9%、2カ月の滞納で0.4%となっています。

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「賃貸住宅市場景況感調査」より

2カ月以上の滞納世帯は1ヵ月滞納世帯の約半数、250世帯に1世帯が2カ月以上の滞納という計算です。

1カ月遅れと2カ月遅れの違い

賃貸経営で見る家賃滞納の1カ月遅れと2カ月遅れとでは、意味合いが異なります。

1カ月の滞納はうっかり忘れや一時的に引き落としできなかっただけのケースも多く含まれます。1カ月滞納しても、すぐに督促に応じられる場合は問題ありません。

しかし2カ月以上の滞納となると、今後も継続的に滞納する可能性が高くなります。2カ月以上の滞納では金銭的に困窮している可能性が高く、仮に退去となっても原状回復費用や未納分の回収ができないことがあります。

大家にとっては、家賃収入の減少でローン支払いに支障が出ることも考えられます。そのため滞納1カ月の早い段階で家賃をすぐに回収するのはもちろん、滞納が続くのかどうかを見極める必要があります。

滞納率の推移と今後の見通し

新型コロナウイルスの影響で、勤め先の業績悪化や収入が不安定になったことで、近年は滞納率が増加していると考えられています。また、物件の入居率に関しても物件により格差が生じているようです。

たとえば、間取りの広い物件やWi-Fi完備など、リモートワーク向け設備のある物件の人気が上昇しています。こういった物件の需要により入居者の質、引いては家賃回収率が左右される可能性はあるでしょう。

家賃回収をめぐる近年もう一つの変化として、2020年の民法改正により連帯保証人の責任が明確化されました。具体的には、保証すべき限度額について事前に定めることが義務付けられました。

この結果、保証会社の利用が進み、家賃滞納で法的手続きへ移行するケースが増えました。賃貸経営とすれば、法的手続きにかかる期間が約10カ月、その間は部屋が塞がっているのに家賃収入がない状態となってしまいます。

これらの状況から考えると、今後は入居者の家賃滞納を回避できるよう、事前に対策を立てることが重要になりそうです。

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借主の家賃滞納!1カ月遅れた時点で大家は何をすべき?

入居者が1カ月の家賃滞納をするだけでも、大家にとっては大きな損失になります。

家賃が入らないにもかかわらず空室ではないため、新規入居者募集ができません。そのうえ、会計上は滞納された家賃部分に対しても税金がかかるため、家賃滞納は大家にとって二重三重の損失になってしまいます。

安定した賃貸経営のためにも、滞納入居者へは早い段階での対応が必要です。滞納1カ月遅れの段階で大家がするべきことは次のとおりです。

  • 滞納している旨を1週間以内に連絡する
  • 1週間を過ぎたら督促状を出す
  • 1カ月の滞納を断続的に繰り返すケースに注意する
  • 連絡が付かない場合は緊急連絡先へ連絡する

ひとつずつ対処法を解説します。

滞納している旨を1週間以内に連絡する

まず、滞納が開始して1週間以内に、滞納している旨を本人に直接連絡しましょう。

1カ月遅れは悪意のない場合も多く、うっかり忘れや支払いが一時的に遅れてしまったケースが大半です。連絡方法は電話、留守番電話、その他連絡が取りにくい場合は携帯番号にメッセージを送るショートメッセージサービス(SMS)も便利です。SMSは1通数十円程度で書面に比べると手間も費用もかかりません。

連絡が取れたら、滞納をとがめるのではなく、次の内容を確認することから始めます。

  • なぜ滞納しているのか
  • いつなら支払えるか

はじめから回収のために強硬姿勢で臨むと、入居者との関係を悪化させてしまうため注意しましょう。

最初の連絡はできるだけ早いタイミングで行うことが重要です。早期に滞納解消をするとともに、入居者へ家賃支払いを意識づけできます。

支払いの意思が確認できた場合は、うっかり忘れを防ぐために支払方法の見直しをしてもよいでしょう。継続的に家賃を支払えるのであれば、大家にとっては長くいて欲しい入居者だからです。

1週間を過ぎたら督促状を出す

家賃の滞納が1週間以上続いた時点で、督促状を送付します。督促状の書面には、以下の3点を記載します。

  • 家賃が期日を過ぎても支払われていないこと
  • 早急な入金と、その旨の連絡をお願いしたいこと
  • 不明点があれば連絡をお願いしたいこと

それでも入金がない場合は、2回目の督促状で期日を明記し、期日を過ぎても入金がなければ連帯保証人に連絡をすると通告します。

滞納2カ月目に入って解消しなければ法的効力のある「内容証明郵便」を送付し、実際に連帯保証人に連絡することになります。

滞納者と連絡が付かない場合

滞納者と連絡が取れない場合もあります。必ずしも悪意があるわけではありません。不規則勤務や仕事のかけ持ちで多忙なケースも考えられるでしょう。

大家としては本人の安否確認をしなければなりません。

家賃滞納について、電話や文書で数回連絡してもレスポンスがない場合には、緊急連絡先へ連絡するのが一般的です。緊急連絡先とは、本人と連絡が付かない場合の連絡先で、連帯保証人のように家賃を肩代わりする責任はありません。通常は契約時に決定し、近しい親族である場合が多いです。

連絡先を連帯保証人と迷うかもしれませんが、連帯保証人へ連絡するのは一般に滞納が2カ月以上の場合です。

1カ月の滞納を断続的に繰り返す場合

滞納が初めてではなく、1カ月の滞納を断続的に繰り返すケースも見られます。その場合は1回の滞納と捉えず、滞納が長期化する兆しと考えるべきでしょう。

滞納を繰り返す人は多くの場合、次のいずれかに当てはまります。

  • 充分な収入がない
  • 収入はあるが借金の返済がある
  • 滞納を甘く見ている

中には、借主が守られていることを逆手に取り「簡単に退去させられることはない」と考える悪質な入居者もいるようです。しかし、どんなに相手が悪質でも、滞納1カ月の段階では法的手段を取ることはできません。大家の側からの契約解除は通常、3カ月以上の滞納が目安です。

大家の自己判断で強硬手段に出てしまうと、違法行為と見なされる場合もあるため注意が必要です。

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危険!大家の誤った対処方法とは

たった1カ月の滞納家賃から、いつの間にか滞納額が増え、回収が困難になることはよくあります。かといって、大家はどんな方法で回収してもよいわけではありません。

ここから家賃滞納に対し、大家が行ってしまいがちな誤った対処法を紹介します。

  • 早朝や深夜に督促をする
  • 同じ日に繰り返し督促をする
  • 払うまで帰らないと居座る
  • 玄関ドアに督促の張り紙をする
  • 職場や学校へ督促の連絡をする
  • 部屋に勝手に入る
  • 所持品を勝手に処分する
  • カギを勝手に交換する
  • 連帯保証人以外へ督促をする

実は滞納家賃の取り立てには「貸金業法第21条第1項」にある借金取立てのルールが適用さます。条項を踏まえ、禁止行為を確認していきましょう。

早朝や深夜に督促をする

早朝や深夜に電話や訪問で督促をしてはいけません。

午後9時から午前8時までの間に訪問や電話・FAXで取り立てを行なってはいけないことが、貸金業法第21条第1項に定められています。

迷惑な時間帯の電話や訪問で督促することは脅迫と見なされ、逆に告訴されるおそれもあるため慎むべきです。

同じ日に繰り返し督促をする

同じ日に繰り返し電話や訪問で督促することも、避けるべきです。

迷惑な時間帯での督促と同じく相手に恐怖心を与えるため脅迫と見なされ、告訴される可能性があるため、控えましょう。

払うまで帰らないと居座る

滞納者の部屋の前で「家賃を払うまで帰らない」と居座ることもやめましょう。

こちらも滞納者に恐怖心を与え、脅迫行為と取られても仕方のない行為です。告訴のおそれもあるため慎みましょう。

玄関ドアに督促の張り紙をする

家賃を支払うよう玄関ドアなどに張り紙をすることもやめましょう。

滞納者と連絡がつかない場合の連絡手段としてかつてはよく行われましたが、第三者に家賃の滞納が分かってしまう督促方法は、違法と見なされます。過去には名誉棄損に該当した判例もあるため、避けるべきでしょう。

職場や学校へ督促の連絡をする

家賃滞納者の職場や学校へ督促の連絡をすることも、控えるべきです。

こちらも玄関ドアの張り紙と同じく、第三者に家賃の滞納が分かる督促方法とされます。他に連絡方法がない場合に、督促でなく連絡だけなら正当と認められる場合もあります。しかし「私生活の平穏を保持する」ことに抵触するため、慎むべきでしょう。

部屋に勝手に入る

大家が家賃滞納者の部屋に勝手に立ち入る行為も、するべきではありません。

たとえ大家であっても、住人の部屋に無断で立ち入れば住居侵入罪に問われる可能性があります。

所持品を勝手に処分する

大家が家賃滞納者の所持品を勝手に持ち出し処分することは、論外です。

滞納家賃の形として所持品を勝手に持ち出す行為は「自力救済禁止の原則」に違反するとされ、違法です。場合によっては窃盗などの刑事罰に処されても仕方がありません。

カギを勝手に交換する

大家が家賃滞納者のカギを一方的に交換することも、認められません。

カギの使用は大家の権限のように思えますが、入居者のカギを勝手に交換する行為は違法です。さらに器物損壊罪に問われる可能性もあります。

保証会社、不動産会社による追い出し行為も同じく違法です。家賃滞納者といえども強制退去をさせるためには、法的手続きを経て裁判をする必要があります。

連帯保証人以外への督促

連帯保証人からの家賃の支払いがなかったとしても、本人と連帯保証人以外の親族など第三者への支払い請求はできません。

入居者が支払い義務を履行できない場合に、債務を保証するのが連帯保証人です。それ以外の人に一切の支払い義務はありません。(配偶者は例外もあります)

連帯保証人以外へ督促をして、脅迫じみた督促と取られれば逆に告訴もされかねないため、やめておきましょう。

家賃滞納を防ぐには管理会社選びが大切

たとえ1カ月の家賃滞納でも、賃貸経営へ与える影響は大きなものです。

滞納1カ月の早い段階で、正しい手順を踏み回収に向けて動きましょう。ただし回収を急ぐあまり、過った対処法を行ってしまえばトラブルになり、場合によっては違法行為で逆に告訴されてしまうことにもなるため、注意が必要です。

家賃トラブルは日頃から入居者とコミュニケーションを取れていれば、ある程度防げる問題です。しかし忙しい大家も多く、入居者管理に割く時間が取れないかもしれません。

もし確実な家賃回収をしたい場合には、優れた入居時審査や入居者管理を行う管理会社に一任できれば、滞納を未然に防ぐこともでき安心です。

管理会社を選ぶ際には、入居者管理の行き届いた会社を選ぶことが大切です。
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コラム監修

コラム監修

伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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