投資マンション売却
マンション買取で損をしない!チェックすべきメリット・デメリット
マンションを売却するときは、買取と仲介のふたつの方法があります。それぞれのメリットやデメリットを把握して、少しでも高く、早くマンションの売却を目指しましょう。特に投資用マンションを所有している場合は、売却価格が売却益になるため、買取と仲介の違いを理解するのはとても重要です。
マンションの売却を有利に進めるため、買取や仲介の知識を高めましょう。
目次
マンションを手放すふたつの方法「買取」と「仲介」の違い
マンションを売却する際、「買取」と「仲介」というふたつの選択肢があります。どちらも不動産会社を通して行う契約ですが、このふたつには大きな違いがあります。
買取と仲介の仕組みとメリット、デメリットをわかりやすく解説します。大切な資産ですので、メリット、デメリットをしっかり把握して、マンション売却の参考にしてください。
買取の仕組み
マンションを売却するときに、不動産業者が物件を買い取ることを「買取」といいます。買主となる不動産業者が価格査定を行い、売主が査定額に納得すれば売買契約を結び、契約が成立します。
不動産業者は買い取ったマンションにリフォームやクリーニングを行い、自社物件として売り出します。
マンション買取のメリット
買取の大きなメリットは、売却まで時間がかからないことです。また、広告やチラシを出して買主を探す手間がないため、周囲に知られずに売却までスムーズにすすめられます。
とても効率的でスピーディーな売却方法のため、資金計画が立てやすく、住み替えを検討している人やまとまった現金が必要な人には買取が向いているでしょう。
また、「いつになったら売れるのだろう」といった長期的な不安や心配もなく、確実に売却できます。不動産業者が買主になるため、仲介手数料がかからないのもメリットです。
マンション買取のデメリット
買取のデメリットは、売却価格が相場より安くなることです。買取を行う不動産業者は、買い取ったマンションをリフォームしたり、クリーニングをしたりして不動産価値を高めてから売却します。
リフォーム費用などの諸費用がかかるため、不動産業者は相場より2~3割ほど安く査定して買い取るのです。
仲介の仕組み
不動産業者に依頼をして購入希望者を探してもらう方法を「仲介」といいます。依頼を受けた不動産業者は、インターネットやチラシ、ホームページで宣伝活動を行って購入希望者を募集します。
売買契約や書類の用意といった、売却までの難しい手続きは不動産業者が行ってくれます。
マンション仲介のメリット
仲介では相場価格で取引が行われます。そのため、買取に比べて高い金額で売却できる可能性があります。
マンション仲介のデメリット
仲介だとある程度の宣伝期間が必要で、買主が見つかるまで時間がかかることがあります。エリアや価格設定によって、買主が見つかるスピードも変わってきますが、3~5カ月程度の売却期間は想定しておきましょう。
時間的に余裕のない人が仲介で売却する際は注意してください。
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買取・仲介に向いているマンションの特徴
所有しているマンションを手放すときは、買取と仲介のどちらを選べばよいのでしょうか。買取に向いているマンション、仲介に向いているマンションの特徴を解説します。
買取が向いているマンション
仲介よりも買取が適しているマンションには、次のような特徴があります。
- 築年数が古い
- 修繕が必要なマンション
- 立地が悪くて魅力に乏しい
築年数が古い
リフォームをせずに内覧してもらうと古い物件は印象がよくないため、仲介だと買主が見つかるまで時間がかかります。
しかし、買取は不動産業者がリフォーム等を行うのを前提で内覧をして査定金額を出します。そのため築年数の古いマンションでも買い取ってもらえることが多いです。
修繕が必要なマンション
管理状態が悪くリフォーム箇所の多いマンションは、仲介だとなかなか買主が見つかりません。修繕やリフォームなどの費用がかかるため、購入をためらってしまうのです。
だからといって自分が費用を負担してリフォームなどを実施しても、必ず売却できるとは限りません。また、リフォームをしても希望した価格で売れないこともあり得ます。そういった事態を避けるため、修繕やリフォームが必要なマンションは買取がおすすめです。
立地が悪くて魅力に乏しい
駅まで路線バスを利用しなくてはならない、周辺にスーパーやコンビニがないなど、立地の悪いマンションは買主が見つかりにくいでしょう。売りに出しても売却まで長期化するおそれがあります。
仲介で高く売却したかったのに、買主を見つけるために価格を大幅に引き下げざるを得ないこともあるでしょう。これでは仲介でマンションを売却するメリットがありません。立地の悪いマンションであれば不動産会社に買い取ってもらって、短期間で手放すのもよいでしょう。
仲介が向いているマンション
買取にはメリットがあるものの、金額的なデメリットがあるため、できれば仲介で売却したい人も多いでしょう。どういったマンションであれば、仲介での売却を検討するべきでしょうか。
仲介での売却が向いているマンションには、次の特徴があります。
- 立地の利便性が高い
- 人気のエリアにある
- 大手企業が販売している
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
立地の利便性が高い
住まいに利便性を求める人は多く、利便性のよいマンションはとても人気があります。病院や学校、幼稚園、スーパー、コンビニなど日々の生活に直結するものなので、相場よりも高値で売却できる可能性があります。
人気のエリアにある
好立地・好条件で、築20年未満のまだ新しいマンションであれば需要が高く、物件数も少ないため、すぐに売却できる可能性があります。人気エリアのマンションは、投資用に購入しようと考えている人も多いため、仲介で売却を進めていくのがおすすめです。
大手企業が販売している
テレビコマーシャルやインターネット、SNSなどで目にする大手企業が販売するマンションは人気があり、売れやすいという特徴があります。
買主は「家」という大きな買い物をするため、大手企業の持つブランドの安心感が重要視され人気の高さにつながっています。
買取・仲介のどっちがいい?オーナーチェンジ物件の売却
不動産投資によるオーナーチェンジ物件の売却は、収益に大きく関係するため信頼できる不動産会社に依頼することが重要です。
また、不動産投資における売却も、買取と仲介のふたつの選択肢があり、物件によって向き不向きがあります。オーナーチェンジ物件の売却例を3つあげて、買取・仲介どちらが適しているのか解説します。
空室が多くて入居者が埋まらない
入居率が低いマンションは、購入しても赤字になるリスクがあることから、売れにくい傾向があります。購入希望者があらわれない場合は、少しずつ価格を下げて販売する必要があり、投資額を下回って赤字になるおそれもあります。
物件を所有しているだけでも経費や税金がかかるため、入居率の低いマンションは売却から引き渡しまでがスムーズな買取がおすすめです。相場より売却価格は下がってしまうものの、トータル的に見て赤字を抑えられることがあります。
投資の回収を終えた
マンションは経年劣化により修繕が必要となるため、維持していくだけでもコストがかかります。さらに築年数が古くなると家賃を下げたり、空室が続いたりすることもあるため、投資資金を回収したのであれば売却してもよいでしょう。
マンションを売却するときは、仲介による売却がおすすめです。投資資金を回収できたということは、それだけ利回りがよく、人気の高い物件です。買主が見つかる可能性が高いため、不動産会社と媒介契約を交わして買主を探しましょう。高くマンションが売れたら、それだけ売却益を多く得られます。
ローンの残債がある
ローンの残債があるマンションの場合は、売却金額でローンの返済ができるかが重要なポイントです。オーバーローンの状態だと売却できないためです。
少しでも高く売るのであれば、仲介がおすすめです。ただし、入居者が少なくて赤字の場合、買主を見つけるまで時間がかかるとそれだけ赤字が続くことになります。
なるべく手間をかけずに早期売却をしたいのであれば、買取を検討するのもよいでしょう。ただし、売却価格が安くなるため、ローンの残債によっては売却できないかもしれません。投資用マンションの売却に精通している不動産会社に相談して、どれくらいの価格で買い取ってもらえるか査定を受けてみましょう。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤幸弘
資格
宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人
書籍
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』
『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』
プロフィール
2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。