投資マンション失敗
不動産投資の失敗事例4つ。うまくいかない原因を徹底分析
不動産投資の失敗とは、投資金額を回収できずに赤字で投資を終えてしまうことです。
失敗する不動産投資家は、ある程度、行動のパターンが決まっています。よくある失敗とその原因を理解して、対策を練ることが重要です。
不動産投資をこれから考えている人や、投資を始めたものの失敗したと感じている人はぜひ参考にしてください。
目次
不動産投資の失敗事例4つ!失敗の原因
不動産投資でよくある失敗の事例とその原因について解説します。
失敗1:相場よりも高い価格で物件を買ってしまった
不動産会社の中には、「利回りが大きい」「相場よりも安い」「この物件を検討中の人がいる」など、言葉巧みに魅力的な表現で物件を紹介する会社もあります。この売り言葉を鵜呑みにしてしまうと、結果的に冷静な判断ができず、相場よりも高い物件を購入してしまいます。
不動産投資家の多くは、銀行からのローンで物件を購入します。相場より高い物件を買った結果、返済額が増えて支出が収入を上回る、いわゆる赤字状態に陥ります。
失敗の原因:相場観をつかんでいない
不動産投資を成功させるには、よりよい物件を低価格で購入することが有利になることは明白です。高値で物件を購入すれば、当然黒字化は遅くなります。
不動産会社の話を信じて高い物件を買ってしまうのは、相場観をつかめていないためです。
事前に近隣で築年数や広さなどの条件が似ている物件の価格を確認して、大きくかけ離れた価格や利回りの物件を不動産会社から提示されていないかを判断する必要があります。
複数の不動産会社に相場を尋ねてみると、その差がわかります。
失敗2:家賃収入が想定よりも伸びない
満室かそれに近い想定で計画を立ててしまい実際の空室率が低く、家賃収入が想定より伸び悩み、赤字になるという失敗があります。ローンの返済金だけが増えて、経営を圧迫してしまいます。
失敗の原因:空室対策ができていない
空室対策を策定せずに不動産投資をすると、大きなリスクを抱えてしまいます。できるだけ空室の期間を短くする必要があります。
短期的には、以下のような対策があります。
- 家賃を下げる
- 入居条件を見直す
- 設備更新をして物件の魅力を増やす
また、築年数の古い物件では、敷金や礼金の値下げも効果的です。
中長期的な対策としては、物件をサブリース会社が借り上げて入居者に転貸するサブリース契約を締結したり、管理会社に相談して家賃保証プランに変更したりといった方法があります。ただし、両者とも手数料が差し引かれて実質の家賃収入が減少するため、トータルで黒字化が可能であるかを計算する必要があります。
失敗3:想定以上に経費が必要だった
不動産投資には、さまざまな経費がかかります。
その中でも比較的大きなウエイトとなるのは、修繕費です。修繕費の計画がずさんで予想以上にコストがかかり、失敗する例があります。
失敗の原因:修繕費の見積が甘い
修繕費は、マンションであれば以下のような費用があります。
- 棟ごとに実施する大規模修繕費用
- 原状回復のための小規模修繕費用
- 修繕予防のための費用
予想以上に修繕費がかかる場合は、大規模修繕費用を削減するのは難しいですが、それ以外については費用を抑える方法もあります。
まず、中間マージンを抑えることです。たとえば、管理会社を通じて修繕を依頼した場合は、管理会社の委託先である、工事会社などにマージンを払うため、費用が大きくなります。しかし、直接工務店か工事職人の接点があれば、その分費用が節約できます。
また、複数の工事会社に見積もりを依頼する、相見積もりを取るのもよいでしょう。
失敗4:黒字化するまで所有する運用資金がない
投資期間中は、ローン返済金や固定資産税、管理費、修繕費などのさまざまな経費が必要なため、相応の運用資金が必要です。
不動産投資は、物件の売却が完了して初めて収益が確定します。黒字化の前に運用資金が足りなくなると、失敗する可能性が高いといえます。
失敗の原因:資金運用のシミュレーション不足
たとえば、当初計画よりも高い物件を購入した、修繕費が予算をオーバーして推移している、などの理由で運用資金に余裕がなくなると、赤字のまま物件を手放さざるを得ず、その不動産投資は失敗に終わります。
失敗しないためには、運用資金の計画までを含めた綿密なシミュレーションを行ったうえで、適切な価格で物件を購入することが大切です。
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不動産投資を失敗しやすい人の特徴
不動産投資を失敗しやすい人には、共通した特徴があります。自分が当てはまっていないか、確認してみましょう。
計画性のない人
不動産投資を銀行の利子のように勘違いして、物件を購入して管理会社に任せておけば自動的に収入が得られると勘違いしている人がいます。
このような計画性のない人は、不動産投資に向いていないでしょう。
不動産投資は、あくまでもビジネスです。自己資産を計画的に目的を持って運用することが不可欠であると理解する必要があります。
自己資金が少なすぎる人
不動産投資では、物件を比較的長期間保有して家賃収入を得つつ、借入金を返済します。
しかし、保有期間中に空室率の上昇などで一時的に赤字となる場合は、借入金の返済などの支出を自己資金でまかなう必要があります。その資金に余裕がない場合は、新たな借入金をするか、物件を手放すかの選択肢しかありません。
たとえば、老後の年金対策で黒字化時期が遅い計画の場合は、黒字化する前に物件を手放すと、それまでに支払ってきた自己資金の回収ができません。自己資金が少なすぎる人は注意しましょう。
不動産投資を失敗に終わらせないために
もし、すでに不動産投資が失敗だったと感じていても、いまからでも遅くありません。次のポイントをよく見直してみてください。
繰り上げ返済をする
家賃収入はあるものの、空室率の上昇や家賃低下の影響で収入が下がって赤字になってきている場合、ローン残債を減らすことを検討しましょう。ローン残債が減ると毎月の利息が減少し、黒字への転換時期を前倒しできます。
ただし、繰上げ返済による黒字化の時期をきちんと計算しましょう。減少した自己資金で定期的な修繕費用などの経費が不足しないように、綿密に計画を立てることが重要です。
また、物件を複数所有している場合は、高い金利の物件から返済していくのがセオリーです。
管理会社を変更する
空室率が上昇した場合は、家賃収入の減少に直結します。そのため、できるだけ早い時期に空室率を下げる努力が必要です。
たとえば3カ月以上も空室が続くなら、管理会社にどのような入居者募集をしているかを具体的に聞き、状況を詳細に把握しましょう。
このときに、物件の報告や連絡がない、家賃の滞納が続いているなど、反応が悪い場合は管理会社を変更することも良策です。ただし、管理解約は数カ月前に申告することが条件のため、どのような契約となっているかを十分に理解して臨みましょう。
出口戦略を考える
不動産投資は、物件を売却してトータルの収支が確定し、初めて投資が成功か失敗かが決まるものです。
出口戦略というのは、物件を持ち続けるのか、継続して家賃収入を得るのか、投資をいつ切り上げるのかを考えることです。
ひとつの目安としては、売却によって1年間の家賃収入の5倍から10倍の利益が得られるのであれば、売却を検討するとよいでしょう。
また、以下のポイントにも注目しましょう。
- 築年数が10年以上で設備や内装の改修が必要な物件
- マンションの場合は10年から15年周期で実施される大規模改修を行う際に徴収される費用
多額の修繕費用が発生する時期に売却を考えるのもよい戦略です。
信頼できる不動産会社に相談する
物件の売却によって収益が出ると想定できる場合は、売却を進めます。反対に、物件を所有し続けて赤字額が膨らむと想定されるときは、損切りを決断する必要があります。
不動産は個人間取引も可能ですが、当事者間のトラブルを避けるために不動産会社に取引を依頼するのがよい方法です。
不動産会社といっても、居住用不動産を得意としている会社と投資用不動産を得意としている会社に分けられます。
前者は、居住用の家の売買が得意なため、不動産を投資物件として見積もることに不慣れです。それに対して後者は、物件の売買相場に投資物件としての収益率を見る目を持っています。高い収益率が見込める場合は、買取価格も高くなる傾向にあります。
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