投資マンション基礎知識
区分マンションは複数所有するべきか!? メリット・デメリットを知りたい

「区分マンションは複数所有しておく方がいいですよ」と言われて購入してみたものの、思うほどの収益が上がらない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。今後どうするべきかと不安にお思いかもしれません。今回は、メリットとデメリットの両面から、区分マンションの複数所有についてご紹介します。これから区分マンションを購入予定の方にも役立つ情報が満載です。
目次
区分マンションを複数所有するメリット
リスク分散
区分マンション投資にはさまざまなリスクがあります。たとえば、天災地変や空室、価格の変動といった事態です。区分マンションを1室しか所有していなければ、このような事態の影響を大きく被ることになります。しかし、複数の物件を所有することにより、仮にこうした状況に陥ったとしても、その影響を軽減できるというメリットがあります。
流動性が高い
次に、1棟物件を所有する場合との比較でメリットを考えてみましょう。1棟物件の場合、ある程度まとまった資金を作る必要がある場合には、1棟まるごとを売却しなければなりません。一方、区分マンションの複数所有の場合は、1室単位で売却することが可能です。また、成約までにかかる時間は区分マンションのほうが短く、流動性が高いため、素早く資金化することができます。追加購入する場合にも、区分マンションの方が物件数が多いため、良い物件を比較的見つけやすいと言えます。
レバレッジ効果
投資利回りの方がローン金利よりも高ければ、レバレッジ効果により自己資金利回りを高くできます。複数の物件を所有することで、リターン額をさらに大きくできます。条件の良い物件を複数所有すると、大きな成功を収めることができるでしょう。
青色申告で節税
不動産貸付が事業として認可されれば、青色事業専従者や青色申告特別控除などの控除により節税が可能です。認可にあたっては、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上あることが必要です。
ローンの借り換え
複数の区分マンションをまとめて共同担保にすることで、金利を安くできる場合があります。複数の物件を所有しており、事業収益が黒字なら、信用が増し、有利な条件でローンを組むことができます。
相続の分割対策
現物を相続する場合、相続人が複数いるのに対して物件が1つのみなら、換価分割、共有物分割、代償分割などの方法を取ることになります。一方、複数の物件があれば、相続人が複数いる場合でもトラブルになる可能性が低くなります。区分マンションであれば売却に時間がかからないため、売却して相続税を捻出する際にもスムーズです。
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区分マンションを複数所有するデメリット
投資金額が大きい
購入資金もローンの金額も、すべて金額が大きくなります。事業の収支計画をしっかり立てないと、多額の損失を生み出しかねないことに注意しましょう。ゆとりを持った返済余裕率を設定し、自己資金を投入できる状態にします。複数の物件を持つということは、それだけ運用にかけるエネルギーも大きくなります。
手間が増える
それぞれの物件で入退室があり、リフォーム、入居者募集などに対応しなければなりません。区分ワンルームマンションの入退室のサイクルは3年程度と言われ、複数の物件を所有すればそれだけ意思決定のタイミングが増えることになります。その都度手間がかかるため、場合によっては管理会社への委託なども検討が必要です。
心理的ストレス
前述の通り、複数の物件を所有するとローンの金額も大きくなります。また、家賃の滞納や設備不具合のトラブルに遭遇する確率も高くなり、確定申告など事務作業も増大します。想定していないほどのストレスに悩まされることもあります。複数の物件を所有しようとする場合は、そうしたストレスに耐えられるか、問題を解消するために手間や時間をかけられるかをよく考えましょう。
区分マンションを複数所有する事例
まとめて3戸同時に購入
さまざまな投資セミナーに参加しているAさんは、株式投資よりも不動産投資の方が安定しており、メリットが大きいと判断し、物件を購入することにしました。株とは異なり、物件を担保に入れてローンが組めるため、ほとんど自己資金を使用することなく、同じ年にまとめて3戸の中古の区分マンションを購入しました。5年ほど所有したら売却して買い替える予定でした。
最初の3年間は収支も良く、順調に返済が進みましたが、次第に家賃が低下していき、やがて収支はマイナスに転落してしまいました。売却をしようと査定をするも、ローン残債よりも各物件の評価額が安くなってしまい、自己資金を投入しなければ売却をすることができません。結局繰り上げ返済をすることで、収支のバランスをプラスにできましたが、投下した資金は、長期的に回収していくほかありませんでした。
借り換えでアパート購入
10年間かけてワンルームマンションを少しずつ増やしていったBさんは、現在4戸の物件を所有しています。しかし、少し収支が悪化してきたため、利回りの良い物件に買い替えようと考えていました。そこで区分マンションを探し始めますが、なかなか良い物件に出会えません。最終的に地方で利回りの高いアパートを購入し、ワンルームマンションと共同担保でローンの借り換えをすることにしました。アパートを購入したおかげで利回りが向上しました。複数マンションを所有していた実績が評価されて、低金利でローンが組めました。
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コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)


