投資マンション失敗
マンションオーナーは儲からない?マンション経営を改善する方法とは

マンション経営は、安定した不動産投資の一つとして注目されていますが、「儲からない」という声も少なくありません。しかし、適切な戦略と知識があれば、十分に収益を上げることが可能です。マンションオーナーが直面する課題と、それを克服するための具体的な方法について解説します。
目次
マンションオーナーの儲けのしくみ
マンション投資の利益は、おもに賃料による収入と、固定資産税・管理費・修繕費用などの支出の差額により得られます。ローンを組む場合は、その返済金額も支出に含まれます。また、物件を売却する際の価格と購入価格の差額からも利益(あるいは損失)が生じます。支出よりも収入が大きければ儲かる、というシンプルなしくみです。
マンションオーナーが儲からないといわれる理由
マンション経営は、一見すると安定した収入が得られる魅力的な投資に思えますが、実際には様々な課題に直面することがあります。なぜマンションオーナーが「儲からない」と感じてしまうのか、その背景にある要因を詳しく見ていきましょう。
マンション経営の基本的な仕組み
マンション経営の基本的な仕組みは、物件を購入し、それを賃貸することで収益を得るというシンプルなものです。しかし、実際の運営はそれほど単純ではありません。
収入面では、入居者から得られる家賃収入が主な収益源となります。一方、支出面では、物件購入時のローン返済、固定資産税などの税金、建物の維持管理費、修繕費用など、様々な費用が発生します。これらの収入と支出のバランスが、マンション経営の収益性を左右する重要な要素となります。
儲からないと感じる主な原因
マンションオーナーが収益性に不満を感じる背景には、いくつかの共通点があります。これらの要因を理解し、適切に対処することが、成功的なマンション経営の鍵となります。
- ローン
- 空室リスク
- 維持管理
- 税金やコスト
まず、高額なローンと返済負担が大きな課題となります。マンション購入には多額の資金が必要となるため、多くのオーナーはローンを組んで物件を取得します。この返済負担が、特に経営初期段階での大きな課題となります。毎月の返済額が家賃収入を上回ってしまうと、キャッシュフローがマイナスになり、経営が苦しくなります。
たとえば、5000万円のマンションを購入し、4000万円のローンを組んだ場合を考えてみましょう。金利1%、返済期間35年としても、毎月の返済額は約11万円になります。これに対して、家賃収入が月15万円だとすると、ローン返済後に残るのは4万円のみです。ここから諸経費を差し引くと、実質的な利益はごくわずかになってしまいます。
次に、空室リスクと収入の不安定さも大きな要因です。安定した家賃収入を得るためには、常に入居者を確保する必要があります。しかし、入居者が退去した後、すぐに次の入居者が見つかるとは限りません。この空室期間中も、ローン返済や固定費は発生し続けるため、経営を圧迫する大きな要因となります。
競合物件が多い地域や、人口減少が進む地方都市では、この空室リスクが高まる傾向にあります。3ヶ月の空室期間が発生すると、年間の収入が25%も減少してしまう計算になります。これは、マンション経営の収益性を大きく左右する要素となります。
さらに、物件の維持管理費用も見逃せない要因です。建物を長期にわたって良好な状態に保つためには、定期的なメンテナンスや修繕が欠かせません。これらの費用は、時として予想以上に高額になることがあります。
10年ごとの大規模修繕では、1戸あたり100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。また、設備の故障や突発的な修理なども、予期せぬ出費となります。これらの維持管理費用が、長期的な収益性に大きな影響を与えるのです。
税金や諸経費の負担も、マンション経営の収益性を圧迫する要因となります。固定資産税、都市計画税、所得税などの税金に加え、管理費や修繕積立金、火災保険料なども必要です。これらの負担が、思いのほか大きくなることがあります。
短期的な視点での評価の問題
マンション経営の成否を正しく判断するためには、長期的な視点が不可欠です。しかし、多くのオーナーが陥りがちなのが、短期的な収支だけで経営を評価してしまうことです。
確かに、経営開始直後は支出が収入を上回ることが多く、一見すると「儲からない」ように感じられます。しかし、マンション経営の真の価値は、長期的な資産形成や税制優遇なども含めて総合的に評価する必要があります。
マンション経営における収支シミュレーション
投資の成否を左右する重要な要素である収支計画は、慎重に検討する必要があります。儲かるマンション経営と儲からないマンション経営の収入と支出を比較してみましょう。
儲かるタイプ
収入が支出を大きく上回る物件は、「儲かるマンション」といえるでしょう。投資用マンションの場合、長期にわたり保有すると家賃が減少する、あるいは修繕費が増大するなど、現状よりも収支が悪化する可能性を視野に入れて計画を立てることが大切です。余裕を持った返済比率にしておくことが成功の鍵で、1.5倍程度が理想的といわれます。
たとえば以下のようなマンションであれば、「儲かるマンション」のタイプに該当します。
- 価格:2200万円
- ローン:1800万円
- 返済期間:35年
- 金利:1.6%
- 家賃:80,000円
- 管理費・修繕積立金:10,800円
収支例
| 収入/月 | 支出/月 | 収支/月 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 購入時 | 80,000円 | 66,799円 | 13,201円 |
| 5年後 | 78,000円 | 67,799円 | 10,201円 |
| 10年後 | 76,500円 | 70,799円 | 5,701円 |
時間が経つごとに家賃が下がり、管理費などの支出が増えていますが、10年後にもプラスの収支を維持できています。
儲からないタイプ
先ほどとは逆に、収入がわずかに支出を上回る程度では、長期的には収支がマイナスに転じるリスクが高いと言えます。大切なのは、長期的に見ても利益が出る設定となっていることです。
以下では、儲からないタイプの物件の収支例をご紹介します。
- 価格:2200万円
- ローン:2200万円
- 返済期間:35年
- 金利:1.6%
- 家賃:80,000円
- 管理費・修繕積立金:10,800円
収支例
| 収入/月 | 支出/月 | 収支/月 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 購入時 | 80,000円 | 79,243円 | 757円 |
| 5年後 | 78,000円 | 80,243円 | ▲2,243円 |
| 10年後 | 76,500円 | 83,243円 | ▲6,743円 |
購入時にはわずかに利益が出ていますが、家賃の値下げや管理費の値上げにより、数年経つと収支はマイナスとなっています。時間が経つほど、損は広がる点にも注意が必要です。
ファイナンシャル・プランナーによる
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マンションオーナーの収入
家賃のほかにも、礼金や更新料などがオーナーの収入となります。ただし、近年では礼金を受け取れないケースも増えています。更新料は、家賃の1か月分程度が一般的ですが、不動産会社に事務手数料を支払うと、利益として手元に残る金額は多くはありません。家賃を自身で管理している場合は、更新の手続きを忘れがちですので注意しましょう。
マンションオーナーの支出
マンション経営における主な支出には
- 管理費
- 修繕費
- 設備交換費
- 原状回復費
- リフォーム費
- 賃貸仲介料
- 集金代行手数料
などがあります。管理の形態によって、費用の項目は異なります。リフォーム費などの設備費用は、オーナー自身では正確に想定することが困難です。不動産会社にあらかじめ確認しておきましょう。
マンションオーナーが儲けを出すためのポイント
マンション経営で成功を収めるには、単に物件を所有するだけでは十分ではありません。継続的に収益を確保するには、戦略的なアプローチが不可欠です。マンション経営で儲けを出すための重要なポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。
キャッシュフローをプラスにする
余裕をもった返済比率を設定し、投資した自己資金の利回りを高めることが大切です。また、不測の事態に備え、利益を留保しておきましょう。十分な資金があれば、ローンの繰り上げ返済で収支をさらに改善することも可能です。あるいは、別の物件の購入の頭金にあてることもできるでしょう。
価格が下がりづらい立地を見極める
都心、駅近、世帯数が増えているエリアといった立地条件を備えていれば、家賃や売却価格の大きな値下がりを回避できる可能性が高まります。
市場相場の動きに合わせた取引をする
不動産市場は常に変動を続けています。市場トレンドを把握し、相場価格が下がった時に安く購入し、上がった時に高く売却することが大切です。
賃貸需要が安定しているエリアを狙う
空室率が低いエリアのマンションを所有することが、成功の鍵となります。駅の乗降客数の推移や市区町村の人口動態統計なども重要な指標となります。
優秀な不動産会社と取引をする
投資用マンションの経営の成否を左右するのは、良質な情報です。こうした情報に通じている不動産会社と取引しましょう。取引実績の多さのほか、資格を持つ社員が多数所属し、情報を積極的に公開している会社がおすすめです。
長期的な視点で考える
利回りの良さや節税効果なども大切ですが、目先の利益だけで判断することは大きなリスクにつながります。少なくとも5年の枠組みで利益が出るかを判断しましょう。投資用マンションでは、しっかりとした事業計画が非常に大切です。
DCF法などを活用し、予想収入と復帰価格について想定をしておきましょう。
不動産投資の知識を身につける
市場の相場を見極めるには、正しい知識が必要です。このほかに、投資不動産の知識や不動産関連の法律知識、会計知識などが成功を大きく左右します。日頃から情報収集や勉強を心がけましょう。
マンション経営が儲からない場合の対策
マンション経営は必ずしも順風満帆ではありません。予想外の支出、空室率の上昇、あるいは市場環境の変化により、期待していた収益が得られないケースも少なくありません。マンション経営が思うように儲からない状況に陥った際の対策について紹介します。
一部繰り上げ返済を行う
繰り上げ返済により、返済する総額が少なくなることから、収支を改善する効果が期待されます。購入から繰り上げ返済までの期間が短いほど、総返済額を少なくすることができます。
関連記事:繰り上げ返済でワンルームマンション投資の収支が改善する 資産を増やすために知っておきたい!
マンション経営の経費を削減する
マンション経営にはさまざまな経費がかかることは、すでにご説明したとおりです。一つひとつはそれほど大きな出費に見えなかったとしても、積み重なれば相当な金額になってしまいます。それぞれ、削減が可能なものはないかをしっかりと確認し、交渉を進めましょう。場合によっては、賃貸管理会社を切り替えることも選択肢です。
関連記事:ワンルームマンションの賃貸管理は変更できる!? 管理会社の変更の手続きや注意点について
利回りの良い物件を買い足す
キャッシュフローがマイナスの場合、利回りの良い物件を追加購入し、複数の所有物件を総合的に見て収支をプラスにするという対策もあります。複数の物件を所有していれば、仮にどれかが空室になってしまっても、家賃収入がゼロになることはなくなり、収入の安定を図れます。
売却する
収支がマイナスの状態が続けば、損は拡大していきます。これまでご紹介してきた対策を講じる時間がない場合などは、売却により損切をするという選択肢もあります。
ファイナンシャル・プランナーによる
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マンション経営で儲けるための戦略
これまで見てきたように、マンション経営には様々な課題がありますが、適切な戦略を立てることで、十分に収益を上げることが可能です。ここでは、マンション経営で儲けるための具体的な戦略について、詳しく解説していきます。
物件選びのポイント
マンション経営の成功は、物件選びで決まるといっても過言ではありません。どんなに優れた経営戦略を立てても、根本的に収益性の低い物件では、十分な利益を上げることは困難です。そのため、物件選びには特に注意を払う必要があります。
まず、立地の重要性について考えてみましょう。不動産投資において、最も重要な要素の一つが立地です。良好な立地の物件は、安定した需要が見込めるだけでなく、将来的な資産価値の上昇も期待できます。
交通の利便性が高い場所、生活インフラが充実している地域、治安の良い環境、そして将来性のある地域などが望ましいでしょう。主要駅から徒歩圏内の物件や、再開発計画がある地域の物件などは、長期的に見て有望な投資対象となる可能性が高いです。
東京都心部や大阪、名古屋などの大都市圏の主要駅周辺は、常に高い需要が見込めます。また、地方都市でも、県庁所在地のターミナル駅周辺などは、安定した需要が期待できるでしょう。
次に、需要の見込める間取りと設備について考えましょう。立地と並んで重要なのが、物件の間取りと設備です。これらは、入居者のニーズに直結する要素であり、空室リスクを低減する上で非常に重要です。
地域の特性や主な入居者層を考慮し、適切な間取りを選ぶことが大切です。都心部のビジネス街近くであれば、単身者向けの1Kや1LDKが人気です。一方、ファミリー層が多い郊外エリアでは、2LDKや3LDKの需要が高くなります。また、学生が多い大学周辺では、シェアハウスタイプの物件も需要がある場合があります。
設備面では、最新のセキュリティシステム、高速インターネット環境、省エネ設備などが、入居者にとって魅力的な要素となります。オートロックや防犯カメラなどのセキュリティ設備、高速インターネット回線の完備、省エネ性能の高いエアコンや給湯器、宅配ボックスの設置なども、物件の価値を高める要素となるでしょう。
これらの設備は、初期投資は高くなる可能性がありますが、長期的には入居率の向上や家賃の維持に寄与し、結果的に収益性を高めることにつながります。
資金計画と自己資金の準備
マンション経営を成功させるためには、適切な資金計画が不可欠です。特に重要なのが、十分な自己資金を準備することです。
自己資金が多ければ多いほど、ローン負担を軽減することができ、毎月のキャッシュフローにも余裕が生まれます。一般的には、物件価格の20〜30%程度の自己資金を用意することが推奨されていますが、可能であればそれ以上の自己資金を準備するのが理想的です。
5000万円の物件を購入する場合、最低でも1000〜1500万円の自己資金を用意することが望ましいでしょう。これにより、ローン返済額を抑え、経営の安定性を高めることができます。
また、物件購入時の諸経費(不動産取得税、登録免許税、仲介手数料など)や、予期せぬ支出に備えた予備費も考慮に入れる必要があります。これらの費用は、物件価格の5〜10%程度を見込んでおくとよいでしょう。
資金計画を立てる際は、長期的な返済計画を立てること、金利変動リスクを考慮すること(変動金利の場合)、大規模修繕や設備更新のための積立金を考慮すること、そして空室期間中の資金繰りを想定しておくことが重要です。
適切な資金計画を立てることで、安定した経営基盤を築くことができ、長期的な収益性の向上につながります。
適切な家賃設定と入居者管理
マンション経営の収益性を左右する重要な要素として、適切な家賃設定と効果的な入居者管理が挙げられます。安定した収入を確保し、長期的な経営の成功につながる鍵になります。
家賃設定については、周辺相場の把握が重要です。同様の物件の家賃相場を十分に調査し、適正な水準を見極める必要があります。また、物件の特徴を反映させ、立地、設備、間取りなどの特徴を家賃に適切に反映させることも大切です。
季節変動も考慮に入れるべきでしょう。引っ越しシーズンなどの需要変動を考慮した柔軟な設定が効果的です。さらに、将来的な相場の変動も見据えた長期的な視点での設定も重要です。
次に、入居者管理については、適切な入居者選定が重要です。信頼できる入居者を選ぶことで、家賃滞納や突然の退去リスクを軽減できます。また、こまめなコミュニケーションを心がけ、入居者の要望や不満を早期に把握し、対応することで満足度を向上させることができます。
設備の不具合などへの迅速な修繕対応も、入居者の満足度を高め、長期入居を促進する効果があります。さらに、更新時の特典や設備のアップグレードなどで、長期入居を促進する工夫も効果的です。
長期的な視点での経営戦略
マンション経営の成功には、短期的な収支だけでなく、長期的な視点での戦略が不可欠です。物件の価値を維持・向上させながら、安定した収益を確保し続けることが重要です。
まず、計画的な修繕と設備更新が重要です。建物の価値を維持し、入居者満足度を高めるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。たとえば、10年ごとの大規模修繕を見据えて計画を立て、毎月の修繕積立金を適切に設定することが重要です。また、設備の更新も計画的に行うことで、物件の競争力を維持することができます。
市場動向の把握と対応も重要な戦略です。地域の開発計画や人口動態などを常に注視し、必要に応じて戦略を修正することが大切です。例えば、周辺地域に大規模商業施設や新しい交通機関が開発される場合、それに合わせて物件の価値向上策を検討することが効果的です。
資産ポートフォリオの構築も長期的な視点では重要です。複数の物件に分散投資することでリスクを軽減し、安定した収益を確保することができます。例えば、都心部の高級マンションと、郊外のファミリー向けマンションを組み合わせるなど、異なる特性を持つ物件に投資することで、市場の変化にも柔軟に対応できます。
相続対策の検討も長期的な経営戦略の一環です。将来の相続を見据えた資産管理と税制対策を行うことで、次世代への円滑な資産継承が可能になります。不動産は相続税の評価額が比較的低く抑えられるため、有効な相続対策の手段となります。
長期的な視点で経営戦略を立てることで、短期的な変動に一喜一憂することなく、安定した収益を確保し続けることが可能になります。マンション経営は、まさに「マラソン」のような長期戦であり、着実に歩みを進めていくことが成功への道となるのです。
優良な管理会社の選び方
マンション経営の成功には、優良な管理会社のサポートが欠かせません。適切な管理会社を選ぶことで、オーナーの負担を軽減しつつ、物件の価値を最大化することができます。ここでは、管理会社の選び方と、特にサブリース契約を検討する際の注意点について解説します。
管理会社の評価ポイント
優良な不動産管理会社を選ぶ際は、まず実績と経験を重視する必要があります。長年の実績があり、多くの物件を管理している会社は信頼性が高いといえます。
サービス内容の充実度も重要なポイントです。入居者募集、家賃回収、建物メンテナンスなど、提供されるサービスの範囲と質を確認します。24時間対応の緊急サービスや、オーナー向けの定期報告会などがあれば、より充実したサポートが受けられます。
コミュニケーション能力も見逃せないポイントです。オーナーとの連絡や報告が迅速で丁寧かどうかは重要な評価基準となります。例えば、月次報告書の提出や、空室が発生した際の迅速な対応などが期待できるかを確認しましょう。
手数料の適正さも確認が必要です。サービス内容と比較して適正な手数料設定かどうかを検討します。一般的に、家賃の5%程度が相場ですが、サービス内容によって変動します。単に安いだけでなく、サービスの質とのバランスを見極めることが重要です。
他のオーナーからの評判や口コミも参考にすると良いでしょう。インターネット上の口コミサイトや、知人のオーナーからの情報など、多角的に評判を確認することをおすすめします。実際の利用者の声は、管理会社の真の実力を知る上で貴重な情報源となります。
サブリース契約の注意点
サブリース契約は、管理会社が一括で物件を借り上げ、オーナーに固定家賃を支払う形式です。空室リスクを軽減できるメリットがある一方で、いくつかの注意点があります。
まず、契約期間と更新条件に注意が必要です。多くのサブリース契約は長期(10年以上)に設定されており、途中解約が難しいことがあります。15年の契約期間で、5年経過後に解約を希望しても、違約金が発生する可能性があります。契約期間と更新条件を十分に確認し、将来的な柔軟性を確保することが重要です。
次に、家賃保証の条件を細かくチェックすることが大切です。固定家賃が保証されるとはいえ、どのような場合に家賃が減額される可能性があるかを確認する必要があります。大規模災害時や、著しい経済状況の変化があった場合などの条件を事前に把握しておくことが大切です。また、家賃の見直し条項がある場合、その頻度や条件についても確認が必要です。
物件の管理責任についても明確にしておく必要があります。大規模修繕などの費用負担がどのようになるかを明確にしておく必要があります。一般的にはオーナー負担となることが多いですが、管理会社との負担割合を事前に取り決めておくことが重要です。例えば、設備の故障や小規模な修繕はサブリース会社が負担し、大規模修繕はオーナーが負担するといった取り決めを行うことがあります。
契約終了後の状況についても確認が必要です。契約終了時に物件がどのような状態で返還されるかを確認しておくことも大切です。長期間の使用による通常の劣化は避けられませんが、極端な損傷がある場合の対応などを事前に取り決めておくことをおすすめします。例えば、原状回復の範囲や費用負担について明確にしておくことが重要です。
また、サブリース契約の中には、オーナーの権利を制限する条項が含まれている場合があります。例えば、物件の売却や担保設定に制限がかかることがあります。これらの条件が自身の長期的な計画と合致するかどうかを慎重に検討する必要があります。
さらに、サブリース会社の経営状況や信頼性も重要な確認ポイントです。長期契約を結ぶため、その期間中サブリース会社が安定して事業を継続できるかどうかが重要になります。会社の財務状況や業界での評判などを調査することをおすすめします。
サブリース契約を検討する際は、これらの点を十分に確認し、長期的なメリット・デメリットを慎重に判断することが重要です。また、契約内容の詳細については、法律の専門家に相談することをおすすめします。契約書の細部まで精査し、不明な点があれば必ず質問し、理解した上で契約を結ぶようにしましょう。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)



