投資マンション売却
不動産価格が上昇、バブル越え報道も続くが収益物件は今が売り時か
不動産投資で利益を出すためには、収益物件の売り時を見極める必要があります。
売り時を見極めるためには、何をするべきなのでしょうか。また、不動産バブルと言われる現代は売り時なのでしょうか。
目次
収益物件は今が売り時なのか知りたい
不動産投資をしているけれど、家賃収入からローンの支払いや経費を引くと赤字になっている…そんな状況に悩んでいる方はいらっしゃいますでしょうか。
ローンの支払いが終われば楽になるかもしれないと思っても、本当にこのまま不動産投資を続けていいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。
さらに、現在はバブル超えと言われるほど不動産価格が高騰しています。収益の出ない物件は速やかに売り払い、現金化をしてしまった方が得かもしれません。
現在の不動産価格と、売却・所有それぞれのメリットを以下にご紹介します。
不動産価格はバブル超えと言われるが売り時?
国土交通省が発表している「不動産価格指数」の推移を見ると、以下の通り不動産価格は上昇傾向にあります。
特にマンションは2010年と比較して1.7倍と高騰を見せており、バブルを超えているとの報道も続いています。
国土交通省 「不動産価格指数(住宅)」より作成
※不動産価格指数は2010年平均値を100とし、各年の1月時の数値を抜粋してグラフを作成。
この不動産価格上昇の理由としては、以下3点が考えられます。
- 物件を建設するための資材費や輸送費が高騰したため
- 少子高齢化による年金制度への不安感や新型コロナウイルスの影響により、資産形成の一環として不動産投資を始める人が増えたため
- 金利低下によりマイホームを所有しやすくなったため
1の理由による建設費の増加及び2、3による需要増により、物件価格が上昇しているのではないかといわれています。
収益物件を所有しており、なおかつ思うように収益が出ていない方は、「こんなに高く売れるのなら、今のうちに売ってしまったほうが良いのではないか」と思われるかもしれません。
確かにそれも一つの選択肢といえます。なぜなら、不動産の価格は今後頭打ちになり、下落に転じるとも予測されているためです。
その理由は以下の通りです。
価格高騰による買い控え
このまま不動産の価格が高騰すると買い控えが生じ、需要が減るために不動産価格は下落に転じることも考えられます。
金利上昇による物件価格の下落
日本は現在、長期的な金融緩和により、低金利の状態が続いています。しかし、現在、世界各国においてインフレに対応するため、金融引き締めを行う動きが見えています。
日本だけ低金利が続くと、海外株式や債券への投資が増え、日本通貨に対するニーズが減少することから過度な円安になってしまいます。
それを防ぐためには、日本も金利を上げざるをえません。その結果ローン必須の物件は買い控えが起こり、不動産価格は低下すると予想されています。
少子高齢化による影響
少子高齢化が進む日本において、住居のニーズは年々低下しています。それに加え、労働人口が減少することから経済活動が停滞し、物件を購入できない人が増えることから、物件価格が下落してしまうのではないかともいわれています。
特に地方はその傾向が顕著であるといえます。
保有するほうがトータルでは儲かる可能性もある
先ほどご紹介したとおり、不動産価格が上昇している現在は「売り時」であるといえます。しかし、不動産投資はそもそも長く保有し、家賃収入という得る投資法で、これはインカムゲインと呼ばれます。今なら、高く売れるからといって手放してしまうのは、この先、数十年のインカムゲインをも手放すことでもあります。
また、不動産投資の節税効果も見逃せません。不動産投資は経費計上により所得税を圧縮できますし、相続税も現金より安くなる場合がほとんどです。
それに加え、不動産はインフレに強い現物資産です。不動産を売却して現金化してしまうと、インフレによって価値が目減りしてしまうかもしれません。
上記の理由から、保有している方がトータルで考えると儲かる(収益が大きくなる)可能性もあります。
不動産価格が高騰しているからといって慌てて売るのではなく、自身の投資目的や計画を再度見直し、慎重に検討しましょう。
収益物件を売ったら税金などはどうなる?
収益物件を売却した場合、以下のような納税義務が発生します。
- 譲渡所得税
- 住民税
- 復興特別所得税
- 登録免許税
- 印紙税
1~3の税金は不動産所得があった期間によって税率が変わるため注意が必要です。
売却した年の1月1日までの所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得となり、それぞれの税率は以下のようになります。
| 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 計 | |
| 短期譲渡所得 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
※復興特別所得税は2037年3月31日まで継続
固定資産税・都市計画税はどうなる?
また、1月1日の時点で不動産を所有している場合、固定資産税・都市計画税※の納税義務が生じます。
年の途中で売却した場合、売却から年末までを日割り計算して、売却後の期間に当たる税金は買い手に支払ってもらうのが慣例ですただし。義務ではありませんので、後々トラブルにならないよう契約の段階でしっかり確認しておきましょう。
※市町村によっては課税されない場合もある。
そもそも収益物件の売り時はどう考える
株式やFXは安く売って高く売ることで利益を得ます。つまり、購入額より相場が上がった時が売り時です。
しかし、収益物件は違います。確かにバブル時代においては、物件を安く買って高く売る、いわゆる転売によって多額の収益を上げることができました。
しかし、現在では、先ほどご紹介した通り短期譲渡は税額が高くなるため、転売のうまみはあまりありません。また、物件を売却すると将来に渡り得られるはずだった家賃収入はもちろん0になります。
収益物件は「高く売れる=売り時」ではありません。
(家賃収入+売却益)-経費(税金を含む) で算出される最終的な利益を最も大きくできるタイミングが、「売り時」であるといえます。
売却戦略がなければ投資ではない
先ほどご紹介したとおり、不動産投資は最終的な利益を大きくすることが重要です。そのため、どのタイミングで売却するかという「出口戦略」を練らなくてはなりません。
明確な出口戦略もなく、高くなったからといって、さしたる考えもなしに、慌てて売るのは正しい不動産投資とはいえないでしょう。
とはいえ、不動産価格が高騰している現在では売却を前倒しするのも立派な出口戦略です。
売却するにせよ、保有を続けるにせよ、自身の投資目的にあった出口戦略をしっかり立てることが重要です。
そもそも収益物件は売却できるのか
収益物件の売却について、もう一点見落としてはならないポイントがあります。それは流動性の低さです。
市場で自由に売買できる株や暗号資産のような金融投資とは異なり、物件は買い手がいなければ売ることはできません。
好立地にある築浅物件であれば購入希望者が殺到するかもしれませんが、収益性の低い物件は買い手がつかない場合もあります。
その結果売却価格を下げなければならなくなり、思うように収益を得られないということもありますので注意が必要です。
収益物件は残債が残らないなら売却できる
収益物件を売るには、買い手を見つけるほかにもう1点しなければならないことがあります。それは不動産投資ローンの完済です。
ローンが残った状態で物件を売却する場合、その売却益で残債を全て支払わなくてはなりません。そのため実際の手残りはそれほど多くない、ということも起こりえます。
また、もし残債が売却額を超えていた場合は手持ちの資金から支払わなくてはなりません。物件を売却して利益を得るどころか、損失になってしまう恐れもあるという点は押さえておきましょう。
キャッシュフローがマイナスでも売却できることもある
キャッシュフローとは現金の流れを指します。不動産投資でいうと、家賃収入から税金や管理費、修繕積み立て費といった経費を差し引いたものがキャッシュフローになります。
キャッシュフローがマイナスということは、すなわち赤字が出ているということです。
とはいえ、その赤字の内容によっては買い手がつく場合もあります。
好立地の物件で資産価値が高く、その分ローン返済額も高いという場合は、キャッシュフローがマイナスになってもおかしくはありません。
このような物件はニーズも高く、買い手がつきやすいでしょう。
収益物件の早い現金化を考えるなら買取も選択肢になる
キャッシュフローがマイナスになっているから、価格が高騰している今のタイミングで物件を売却したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
好立地で人気の高い物件であれば、キャッシュフローがマイナスでも売却できる可能性は十分にあります。
しかし、ニーズも収益性も低い物件はなかなか買い手がつかず、現金化するのが難しいかもしれません。
そのような時は買取も選択肢の一つに入れましょう。買取業者であれば業者が直接物件を買い取ってくれるため、すぐに現金を手にすることができます。
買い手が現れるのを待っていては、現在の価格高騰の波を逃してしまうかもしれません。すぐに物件を売却し、現金を得たいという場合は、買取業者に相談してみてはいかがでしょうか。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)





