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マンション買取業者とは。業者選びのポイントや特徴を解説

マンションを売却する方法のひとつとして、そのマンションを直接業者が買い取る「マンション買取」という方法があります。

不動産業界には、マンションの買取に特化した「マンション買取業者」と呼ばれる業者も存在します。では、マンション買取業者とはどういった業態なのでしょうか。

今回は、 マンション買取業者の業務内容や業者選びのポイントなどについて紹介します。
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マンション買取業者とはなにか

マンションを手放す際、まず思いつくのは不動産会社など仲介業者に依頼して第三者に販売する方法です。しかし、その方法では購入希望者が現れない限りマンションを処分することができません。

マンション買取業者であれば、早くて数日でマンションを売却することが可能です。マンション買取業者はどのようにオーナーからマンションを買い取るのでしょうか。

また、買取だけを専門で行う業者もいるようです。なぜ買取だけを行うのでしょうか。

まずは買取業者の仕組みやビジネスモデルについてご紹介しましょう。

マンションの買い取りだけをする宅建業者

マンション買取業者とは、読んで字のごとくマンションの買い取りだけを行う宅建業者のことです。仲介業者とは異なり、自社でマンションを買い取り、リフォームやリノベーションを行ったうえで転売をしたり、賃貸物件として運用したりすることで収益を上げています。転売に特化した買取業者のことは「買取再販業者」ともいいます。

なぜマンションの買い取りをするのか

中古不動産の売買に関わることで収益を得る宅建業としては、他に不動産仲介業があります。不動産仲介業は物件を売りたい人と買いたい人の橋渡しをすることによって得られる仲介手数料が収益となります。

しかし、仲介手数料には上限が定められており、物件の売買価格により異なりますが3〜5%程度となっています。仮に両手仲介(売主と買主双方に対して媒介契約を結ぶ)だとしても、6〜10%程度に留まります。

それに対し、マンションの売却価格には上限がありません。入居ニーズに合ったリノベーションができれば、購入価格よりはるかに高い価格で物件を転売することも可能です。マンション買取業者の収益は条件によって異なりますが、10〜20%程度といわれています。リノベーションにかかるコストや手間、買手がつかないリスクはあるものの、仲介業者より多くの利益を得られる可能性があるため、マンションの買い取りに特化した買取業者が存在するのです。

マンション買取業者のビジネスモデル

それでは、マンション買取業者の事業の流れや仕事内容についてもう少し詳しく解説しましょう。

物件の仕入れ

まずは中古物件の仕入れを行います。仕入れ先は仲介業者もしくは物件オーナーです。

リフォーム・リノベーション計画・施工

物件を購入したら、その状態を確認してリフォーム・リノベーションのプランを立てます。汚損や設備の不具合を調査し、現在のニーズに沿った内装デザインや設備導入を検討します。

プランが決まったら施工に入ります。施工期間はさまざまですが、フルリノベーションの場合は2カ月程度かかるようです。工事期間は、施工内容や建物の状況によって、大きく変わります。

物件の転売・運用

施工が完了したら物件の転売、もしくは自社での運用を行います。この時に発生した売却益もしくは運用益(家賃収入)が、不動産買取業者の収益となります。仕入れから収益を得るまでには、4カ月程度かかるようです。
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マンションを買取業者に売却するとどうなる

上記でご紹介した通り、マンション買取業者と仲介業者では事業内容や利益を得る仕組みがまったく異なります。仲介業者の利用と比較して、マンション買取業者にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

マンション買取業者に売却するメリット

まずは、マンション買取業者に売却するメリットをご紹介します。

時間や手間をかけずに売却できる

マンション買取業者に売却する一番のメリットは、時間をかけずに売却ができるという点です。査定も原則1回で完了し、業者の提示した価格に同意しさえすれば数日で現金化できます。

また、契約や登記などの手続きに関する手配も行ってくれるため、マンションの売却に必要な作業を大幅に省くことができます。

仲介では買い手を見つけづらいマンションでも売却できる

マンション買取業者は、リフォームやリノベーションを施すなど、買い取ったマンションに手を加えることを前提としています。そのため、汚損が激しかったり、築年数が古かったりするマンションでも買取対象にします。

また、仲介業者では敬遠されがちなオーナーチェンジ物件(入居者がいる物件)の買取もしてもらえます。

仲介手数料がかからない

仲介業者に不動産売却の仲介を依頼し、契約が成立した場合、通常は売却できた物件価格の3%+ 6万円を仲介業者に支払う必要があります。しかし、マンション買取業者は直接マンションを買い取るため、仲介手数料がかかりません。

契約不適合責任が免除される可能性が高い

仲介業者によって第三者にマンションが売却された際、売主には契約不適合責任が生じます。これは売却から一定の期間、不動産や取引内容に契約と異なる点が発覚した場合、売手がその責任を負うというものです。たとえば中古マンションで家屋の内部にある配管に不具合があり、売却後水漏れが生じたとします。その際、買主は売主に対し、配管の修理や損害賠償、契約解除などを請求できます。

売主側からすると、やっとマンションを処分できたと思ったら、いきなり損害賠償請求をされるということにもなりかねません。

しかし、マンション買取業者に売却した場合、契約不適合責任は免除されるケースがほとんどです。売却後にトラブルの心配なく、安心して売却できるという点も、不動産買取業者にマンションを売却する大きなメリットです。

マンション買取業者に売却するデメリット

続いて、マンション買取業者に売却するデメリットをご紹介します。

売却価格が安くなる

先述の通り、マンション買取業者はマンションを購入してリフォームやリノベーションを行い、そこから生み出される売却益もしくは運用益を得ることを目的としています。施工のコストや利益を織り込んで購入価格を決定するため、仲介業者と比べると売却価格は低くなります。仲介業者に依頼した場合と比較して、6〜8割程度になるのが一般的です。

とはいえ、ハウスクリーニング費用やリフォーム費用、仲介手数料がかからないため、純粋な売却益で考えると仲介業者と比較して極端に低くならないケースも多いようです。

物件の状態が良好でも高額買取にはなりづらい

マンションの資産価値を維持するためには、修繕や設備交換、リフォームなどを施して状態を良好に保つことが重要です。

しかし、マンション買取業者はリフォーム・リノベーションを前提としているため、物件の状態が良くても、仲介で売るよりも高額の買取にはならない傾向にあることは覚えておきましょう。

買い取ってもらえない場合もある

先ほどご紹介した通り、マンション買取業者には買手がつきづらいマンションでも買い取ってくれるというメリットがあります。とはいえ、必ず買い取ってくれるとは限りません。リフォームやリノベーションを施しても利益が得られないと判断され、買い取りを断られる場合もあります。

こんな人はマンション買取業者に任せよう

上記のメリットとデメリットを踏まえ、マンション買取業者への売却に向いている人の特徴をまとめると以下のようになります。

とにかく早くマンションを処分したい

不動産は現物資産であることから流動性が低い(現金化しにくい)という特徴があります。仲介業者に依頼した場合、買手が見つかり売買契約が成立するまでに3カ月〜1年程度かかるのが一般的です。

そのため、以下のような方はマンション買取業者に依頼した方がスムーズです。

  • すぐに現金が必要なのでマンションを早く売りたい
  • マンション投資に失敗し、手を引きたいので早く手放したい
  • マンションを相続したが不要なのですぐに手放したい

条件の悪いマンションを売りたい

汚損箇所がある、築年数が古い、立地が悪いなど、条件の悪いマンションはなかなか買手が見つかりません。ニーズを高めるためハウスクリーニングやリフォームを行う手もありますが、費用がかかるうえ、必ず買手がつくとは限らないというデメリットがあります。

不動産買取業者であれば、状態の悪いマンションでも現状のまま買い取ってくれますので、費用をかけずにマンションを処分できます。

所有しているマンションが遠方にある

地方に住む人が、投資用にすすめられて東京のマンションを所有しているなど、物件が遠方にある場合、仲介業者に依頼すると業者との打ち合わせや査定、購入希望者が現れた場合の内見立ち合いなどで何度も現地へ行かなければならず、費用や時間がかかってしまいます。マンション買取業者であれば、原則として1回の査定で買い取りしてもらえます。

不動産投資失敗、相続などはマンション買取業者で素早く現金化する

上記でご紹介した通り、「不動産投資に失敗した」、「相続で不要な区分マンションを所有することになった」など、不動産投資から早く手を引きたい場合にはマンション買取業者で現金化することが得策といえます。状態の悪いマンションでも買い取りしてもらえるうえ、現地に足を運ぶ回数も少なく、迅速に現金化できることも大きなメリットです。

マンション買取業者に依頼する場合は急いでいることが多いかもしれませんが、焦るあまり質の悪い業者に依頼してしまうと足元を見られ、相場より安く売却してしまうことにもなりかねません。買取業者のホームページなどで買取実績や事業規模を確認し、信頼できる買取業者に依頼するようにしましょう。
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コラム監修

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伊藤幸弘

資格

宅地建物取引主任者・賃貸不動産経営管理士・FP技能士・公認 不動産コンサルティングマスター・投資不動産取引士・競売不動産取扱主任者・日本不動産仲裁機構ADR調停人

書籍

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』


『マンション投資IQアップの法則 ~なんとなく投資用マンションを所有している君へ~』

プロフィール

2002年から中古投資マンションを専門に取引を行う。
2014年より株式会社TOCHU(とうちゅう)を設立し現在にいたる。

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