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区分マンションの減価償却を解説。売却時に知っておきたい経費のポイント

家の経年劣化イメージ

区分マンションの売却時に知っておきたい減価償却について解説します。

減価償却について知らなければ、思うように経費を計上することができず、税金面で思わぬ損をしてしまうかも知れません。節税対策として減価償却を理解することはとても大切なことですから、ぜひ参考にしてください。

 

区分マンションの減価償却とは

減価償却は、固定資産の会計処理では一般的な方法です。まずはどのような考え方なのかみていきましょう。

減価償却の考え方

減価償却とは、経年劣化する固定資産取得にかかる経費を一括計上するのではなく、経年していく中で1年間の資産価値減少分だけを経費として計上することです。

減価償却の対象となる固定資産は10万円以上のものです。土地のように経年劣化のないものは減価償却の対象にはなりません。

また一般的にあまり知られていませんが、牛や豚などの生物も固定資産として減価償却の対象となります。

減価償却費

勘定科目としては減価償却費といい、対象となる固定資産の取得にかかった費用を固定資産の耐用年数に応じて按分し、1年間の経費を計算します。

計算の仕方にはいくつかの種類があるため、処理を行なう場合には基本的な簿記会計の知識が必要です。

区分マンション売却時の節税対策として減価償却は重要

よく不動産投資は節税になるといいますが、正確には減価償却をうまく利用すれば節税になるということを指している場合があります。

区分マンションの売却で発生する税金とは

区分マンションを売却すると売却代金が手元に入ります。所得の種類でいえば、譲渡所得にあたる収入です。

実際には、仲介を依頼する不動産業者に対して支払う手数料や契約書に貼る印紙代などの売却費用を差し引いて、所得を計算します。

譲渡所得=売却価額-(売却費用+取得費)

また、所得税と住民税は、所得に対して一定税率をかけて計算します。これらの税金を総称して、譲渡所得税と呼ぶことがあります。譲渡所得がマイナスになる場合には課税されません。

譲渡所得税は、土地や建物などの不動産をはじめ、株式の譲渡などにも課税される税金です。不動産の譲渡所得税は、物件の所有年数によって税率が変化します。

短期譲渡税 長期譲渡税
所有期間 5年以下 5年超
税率 39% 20%
税率内訳 所得税30%+住民税9% 所得税15%+住民税5%

区分マンション売却時に減価償却について知っておくべき理由

譲渡所得税を節税したい場合には、譲渡所得を小さくする必要があります。

課税対象額を小さくするには、経費を多く計上する必要があります。

その経費の大部分を占めるのが、取得費です。取得費は、物件の購入代金のことです。しかしそのまま計上するのではなく、経年分を勘案した売却時点での価値を使用します。

価値を算出する際に必要なのが、減価償却です。

よって、「減価償却によって売却時点の価値が変化する=税額が変化する」ため、区分マンション売却時に減価償却を知っておくことは重要なのです。
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減価償却費の計算方法

それでは、取得費を算出する為に減価償却費の計算方法について解説します。まず、経費として計上できる取得費の算出方法は以下の式になります。

取得費=購入代金-減価償却費

取得費は経費ですので、額が大きいほど節税になります。

つまり、減価償却費が小さければ小さいほど物件価値の目減りが少なく、経費にできる部分が大きくなるため、節税効果が高くなるといえます。

次に肝心な減価償却費の計算方法を解説します。

減価償却費の計算方法は、定額法と定率法とがありますが、平成28年4月1日以降に取得した不動産については定額法の計算方法しか認められていません。

それ以前に取得した物件でも、定率法での算出をする際には別途届出が必要になるため、特別な事情がある場合を除き、定額法での計算になります。

定額法は、減価償却の対象となる額を物件の対応年数で割り、毎年、一定額を償却していく計算方法です。区分マンションの減価償却費を定額法で計算する際は、以下の計算式です。

減価償却費=購入代金×0.9×償却率×経過年数

まず、0.9をかけて取得原価の90%を算出します。

償却率、経過年数は、ケースごとに数値が変わります。

償却率とは、法律で定められた1年ごとに目減りする価値の指標であり、売却するマンションの耐用年数によって一定率で決まっています。

マンションを売却する際の耐用年数を算出する際は以下の式で計算ができます。

耐用年数=法定耐用年数47年-(築年数×0.8)

※通常の鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年です。

例えば、築30年の鉄筋コンクリート造マンションの耐用年数を計算します。

⇒47年-(30年×0.8)=23年

償却率は、売却するマンションの耐用年数によって一定率で決まっており、以下のサイトから確認できます。

参考:減価償却資産の耐用年数等に関する省令|e-Gov法令検索(e-gov.go.jp)

こちらの、「平成十九年四月一日以後に取得をされた減価償却資産の定額法の償却率表」を参照すると、耐用年数23年の定額法の償却率は、0.044%と定められています。

築年数が法定耐用年数を超えてしまっている物件については、法定耐用年数に0.2をかけた数値が耐用年数となり、鉄筋コンクリート造マンションの場合には、5年となります。

※小数点以下の年数はすべて切り捨てて計算します。

※仮に耐用年数が2年未満の場合は、2年で計算します。

また、経過年数とは単純に購入してから売却までの期間のことであり、半年以上は1年として計算し、半年未満は切り捨てます。

以上をふまえ、区分マンションを購入した時の価格が3,000万円、売却した時の築年数が30年、10年間所有していた場合で、減価償却費を計算してみましょう。

減価償却費=3,000万円×0.9×0.044×10年=1,188万円

基本的には、一定の数式により算出できますので、売却を検討されている投資家の方は、ぜひ参考にしてみてください。

区分マンションの売却時は事前のシミュレーションが大切

減価償却費が大きい物件については経費部分が少なくなり、売却することで、税金が多くかかってしまう可能性もあるため、事前のシミュレーションが鍵となります。

実際に物件を売却する際には、減価償却費だけではなく、売却するときの市場価格、物件を購入する側にかかってくる不動産取得税や固定資産税の相場感など様々なシミュレーションが必要になります。

もし売却検討段階にある方は、一度不動産会社に相談しシミュレーションしてもらうといいでしょう。
まずはご相談ください!

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コラム監修

コラム監修

伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント

プロフィール

2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。

専門分野

・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング

メディア掲載・業界実績

投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。

保有資格

・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人

著書・実績

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)

『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)

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