投資マンション基礎知識
不動産投資を小さく始めることは有効?種類や始め方も紹介

不動産投資と聞くと、「大きな資金が必要で敷居が高い」というイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、近年では少額から始められる不動産クラウドファンディングなど、投資の選択肢が拡大しています。そのため、「小さく始める」ことは十分可能です。不動産投資を小さく始める方法、メリットとデメリットについても詳しく解説します。

目次
不動産投資は小さく始められる?
現代の不動産投資の仕組みは従来と大きく変わり、少額からの参入が現実的な選択肢となっています。特に金融技術の発達により、個人投資家が手軽にアクセスできる投資商品が充実してきました。
不動産投資の基礎知識
まず、不動産投資で利益を得る方法としては、「インカムゲイン(賃料収入)」と「キャピタルゲイン(売却益)」の2種類があります。
現在は投資信託や証券化商品を通じて、物件の管理運営をプロに任せながら、不動産の収益を間接的に得ることが可能です。物件選定から入居者の募集、建物の維持管理など、投資家自身が行う必要があった業務をすべて事業者に委託できます。
投資家は資金を提供するだけで、不動産投資の恩恵を受けられるようになったのです。
なぜ「小さく始める」ことが大切なのか
小さい金額から始めることは、投資における基本的なリスク管理の考え方に基づいています。不動産投資は魅力的な投資手段ですが、市場リスクや流動性リスクなど様々なリスクが存在します。
そのため、最初から大きな資金を投入するのではなく、少額から始めることでリスクを抑えられます。
さらに、リスクの許容度や目標額は個人によって大きく異なるため、自分に適した投資方法を発見できます。最初から一点集中で投資をするのではなく、複数の投資商品に分散投資することで、リスクを軽減しながら安定した収益を目指すことも可能です。
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小さく始められる不動産投資の方法
現在、不動産投資を少額から始める方法は多岐にわたります。それぞれ特徴や仕組みが異なるため、投資目標やリスク許容度に応じて選択することが重要です。
区分マンション投資(ワンルームなど少額物件)
区分マンション投資はマンションの一室を購入し、賃貸として運用する投資方法です。一室だけなので投資額が少なく、不動産投資の初心者という方でも始めやすいでしょう。
頭金として物件価格の10〜20%程度を用意すれば、残りは金融機関からの融資で補うことが可能です。そのため、実質的な初期投資額は数百万円から始められます。 立地の良いワンルームマンションは賃貸需要が高く、空室リスクを抑えながら運用できます。
また、管理会社に委託することで、入居者の募集から建物の維持管理まで一任できるため、手間をかけずに投資を続けられます。ただし、ローン返済や修繕費が収益を圧迫する場合もあるため、利回りが下がりやすい点には注意が必要です。
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは、運営会社が複数の投資家から資金を集めて不動産を購入・運用し、その収益を分配する仕組みです。少額から投資できることが特徴で、1口1万円前後から始められる商品が多くあります。
専門知識がなくても手軽に投資でき、投資初心者や資金を大きく拘束したくない方にも適しています。
一方で、契約期間中は解約ができず途中で現金化できないため、元本割れのリスクがあることが注意点です。
J-REIT(不動産投資信託)
J-REIT(ジェイ・リート)のREITは、投資家から集めた資金で不動産を購入・運用し、賃料収入や売却益を投資家に分配する仕組みです。日本国内の不動産に投資するためJ-REITと名付けられました。
J-REITは証券取引所に上場しており、証券会社を通じて証券を購入することで分配金を得ます。数万円程度から投資できるため、実物の不動産を購入するよりも始めやすい方法といえるでしょう。
賃貸事業に特化しているため、一般的な不動産会社のように開発リスクを抱えにくく、収益の安定性が高い傾向にあります。また、J-REITは利益の90%超を分配するなど条件を満たせば法人税がかからないため、投資家に還元されやすい点も魅力です。
しかしながら、市場の動向や金利変化によって分配金が変動するため、株式投資と同様のリスクがある点には注意が必要です。
不動産小口化商品
不動産小口化商品は高額な不動産を複数の投資家で共同購入し、持分に応じて収益を分配する仕組みです。
実物不動産に近い収益を得られる一方で、運用期間が決まっているため原則として途中解約できません。また、解約できる場合でも違約金や手数料を取られることがあります。
不動産小口化商品は主に以下の3種類に分けられます。
- 任意組合型:投資家自身が不動産の共有持分を持てるが、契約や管理の手間が増えるケースがある。
- 賃貸型:投資家が不動産の共有持分を所有し、事業者と賃貸借契約を締結して賃料収入を分配する仕組み。相続対策にも利用できる。
- 匿名組合型:事業へ出資する方式で不動産を所有できない。運営会社が管理・運用を中心となって行い、投資家は収益を分配金として受け取る。
不動産小口化商品は種類によって特徴が異なるため、自分の投資目的やリスク許容度に合ったタイプを選ぶことが重要です。
その他:駐車場・戸建てなど小規模投資
小規模な不動産投資として、駐車場投資や中古戸建て投資も選択肢の一つです。駐車場投資は比較的少額で始められ、初期投資を抑えながら不動産投資を体験できます。立地によっては安定した収益を期待できるため、リスクを抑えた投資手段として考えられます。
戸建て投資は、築古物件を低価格で購入してリノベーション後に賃貸運用するのも一つの方法です。付加価値を生み出すことで高い利回りを実現できる可能性があります。
ただし、これらの投資方法は物件の管理や運営により多くの時間と労力を要するため、投資家自身が手間をかける必要があることを理解しておきましょう。
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不動産投資を小さく始めるメリットとデメリット
小規模な不動産投資には明確なメリットとデメリットがあります。投資を検討する際は、これらを十分に理解した上で判断することが重要です。
メリット:少額で始めやすい・リスク分散が可能
小さく始める不動産投資の最大のメリットは参入のしやすさです。従来の不動産投資では数千万円の資金が必要でしたが、近年は数万円から始められる商品が多数登場しています。そのため、若い世代や投資初心者でも無理なく投資できるようになりました。
また、少額投資により複数の投資商品に分散投資することで、特定の物件や地域に投資が集中するリスクを回避できます。
そのほか、学習コストの最小化も見逃せない利点です。少額から始めることで、不動産投資の仕組みや市場動向について実践的な知識を習得できます。この経験は、将来の投資規模拡大時に貴重な資産となるでしょう。
デメリット:利益が小さい・規模拡大には時間がかかる
一方で、小規模投資には明確なデメリットも存在します。投資額が少ないため、得られる利益は小さくなります。
たとえば、年利回り5%の投資商品に10万円投資した場合、年間の利益は5,000円程度となり、高額な収入は期待できません。一方、100万円投資した場合は年間の利益が5万円程度になり、初期費用によって差が出ることが分かります。
さらに、投資規模を拡大させるために相当な時間を要します。少額投資から始めて大きな資産を築くには数十年単位の時間が必要になるでしょう。短期間で大きな収益を求める投資家には不向きといえます。
少額投資は選択肢が限定される場合があります。好条件の投資は初期費用が高い傾向があるため、効率的に投資で稼ぐのは難しいでしょう。
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不動産投資を小さく始めるためのステップ
不動産投資を小さく始めるためには、体系的なアプローチが重要です。計画的に進めることで、リスクを最小限に抑えながら効率的な投資を実現できます。
資金準備と目標設定
投資を始める前に、まず自分の資金を正確に把握しましょう。家計の収支を詳細に分析し、投資に充てられる金額を確定します。生活費の6カ月分程度の資金を確保した上で、投資資金を決定するとよいでしょう。
目標設定では、投資期間と期待リターンを明確にします。短期的な利益を求めるのか、長期的な資産形成を目指すのかにより投資戦略が大きく変わります。たとえば、5年後に100万円の資産を築くことを目標とする場合、必要な年間投資額と期待利回りを計算します。
口座開設・商品選びの流れ
投資を実行するためには、各投資商品に対応した口座開設が必要です。J-REITの場合は証券会社の口座が必要となり、手数料やサービス内容を比較して選択します。ネット証券は手数料が安く、情報提供も充実しているため初心者におすすめです。
商品選択では、投資目標とリスク許容度に適した商品を選びます。安定性を重視する場合はJ-REITや大手運営会社の不動産クラウドファンディングを、高いリターンを求める場合は利回りの高い商品を検討します。
リスクと注意点を想定する
不動産投資には少額でも以下のようなリスクがあるため、事前に理解しておくことが必要です。
空室リスク
- 賃貸需要の減少や競合物件の増加により、賃料が得られない可能性がある
- 立地・物件の質・賃料の設定で退去者が出ることがある
修繕・維持管理リスク
- 建物の老朽化による修繕費用の発生で収益性が低下する
- 築古物件では予想外の修繕で収支が悪化する可能性がある
流動性リスク
- 不動産は売却に時間がかかり、急な資金需要に対応しにくい
- 市場価値が急激に上昇、もしくは下落する恐れがある
金利変動リスク
- 金利上昇によりローンの返済負担が増加し、収益が低下する可能性がある
- 変動金利を利用する場合は上昇に注意する
運営会社の信用リスク
- 運営会社の経営不振により元本回収が困難になる
- 契約時の内容と将来異なる可能性がある
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少額で不動産投資をした場合のシミュレーション
投資を実行する前に必ずシミュレーションを行い、想定されるリターンとリスクを数値化しておきましょう。様々なシナリオを想定して損益を計算することが大切です。
ここでは、小規模不動産投資と不動産クラウドファンディング投資した場合で、それぞれどれくらいの収支なのかわかりやすく解説します。
小規模不動産投資
東京都内の中古ワンルームマンションを住宅ローンと自己資金を併用して購入したという設定で、細かな条件は以下の通りです。
- マンション価格価格:1,800万円
- 頭金:360万円(20%)
- 借入金:1,440万円(金利1.8%、35年返済)
- 月額賃料:8.5万円
- ローン返済額:4.7万円
- 管理費・修繕積立金:1.2万円
- その他経費:0.8万円
上記の内容で利益を計算すると、月間収支は約1.8万円のプラスです。年間では約22万円の収益となり、頭金360万円に対する利回りは約6%という結果になりました。
不動産クラウドファンディング投資
不動産クラウドファンディング投資でシミュレーションしてみましょう。
月3万円の積立投資を行い、年利回り4〜6%の商品を中心に投資した場合で計算しています。1年目は5つの異なるファンドに分散投資し、平均利回り4.8%という結果になりました。
投資額36万円に対し年間収益は約1.7万円となりました。少額ながら着実にリターンを得ながら、不動産投資の仕組みを学習できています。
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少額の不動産投資で成功するための工夫と考え方
小規模な不動産投資を成功させるためには、適切な投資戦略と継続的な学習が不可欠です。長期的な視点を持ちながら、着実に資産を積み上げていくためのポイントを紹介します。
長期的な視点で投資を積み重ねる
小額投資の成功の鍵は継続性にあります。月々の投資額は小さくても、長期間にわたって継続することで大きな資産を築くことが可能です。
また、毎月定額を投資することで価格変動のリスクを避け、安定したリターンを期待できます。市場が下落した時も投資を継続することで、回復時により大きな利益を得られるでしょう。
投資経験を積み、投資額を徐々に増やしていけるのが理想です。収入の増加に合わせて投資比率を高めることで、資産形成を加速させることができます。
投資先の分散と情報収集の習慣化
リスクを抑制するためには、投資先の分散が欠かせません。不動産の用途別分散では、オフィス、住宅、商業施設、物流施設など異なる用途の不動産に投資することでリスクを分散します。
地域分散も重要な戦略です。東京都心部だけでなく、地方都市や海外の不動産に投資することで、特定地域の経済変動リスクを軽減できます。
投資商品の分散も効果的です。J-REIT、不動産クラウドファンディング、実物不動産投資を組み合わせることで、それぞれの商品特性を活かしながらリスクを分散できます。
情報収集の習慣化は投資成功の重要な要素です。不動産市場の動向、金利政策、法改正など投資に影響を与える情報を定期的に収集し、投資判断に活用します。業界専門誌やWebサイト、セミナーなどを活用して知識の向上に努めます。
不動産投資で「失敗しない」ためのマインドセット
不動産投資で失敗を避けるためには、適切なマインドセットが重要です。まず、過度な期待を避け、現実的なリターンを想定することが大切です。高利回りを謳う商品には必ずリスクが伴うことを理解し、リスクとリターンのバランスを慎重に評価します。
感情的な投資判断を避けることも重要です。市場の上昇局面では楽観的になりがちですが、冷静にリスクを評価し続けることが必要です。逆に市場が下落した際も、パニック売りを避け長期的な視点を保つことが重要です。
さらに、余裕資金での投資を徹底することも重要です。生活資金や緊急時の資金を投資に回すことは避け、余裕資金の範囲内で投資を続けることで、精神的な余裕を保ちながら投資を継続できます。
最後に、投資は自己責任であることを常に意識し、十分な検討なしに投資判断を他人に委ねることは避けるべきです。最終的な投資判断は必ず自分で行い、その結果に責任を持つ姿勢が不動産投資成功の基盤となります。
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コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタートし、現場での売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成支援に従事。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を立ち上げ、通算の取扱実績は20,000件以上。
2025年からは業界初の価格透明化サービス「TOCHU iBuyer」を展開し、中古投資マンション市場の健全化を推進。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、投資マンションの適正な価値形成を目指して活動している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)



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