投資マンション売却
投資マンションが売却できない理由や対処法を解説。売却に適したタイミングとは

投資マンションを思うように売却できずに困っている方は少なくありません。不動産投資は、長期的な資産運用の手段として人気を集めていますが、出口戦略としての売却が順調に進まないケースも多いです。投資マンションが売却できない理由と、その対処法について詳しく解説します。さらに、投資マンションを売却するのに適したタイミングや、売却の流れ、注意点についても紹介します。

目次
投資マンションが売却できない理由
投資マンションが売却できない理由には、様々な要因が絡んでいます。以下に、主な理由を挙げていきましょう。
1. 売却価格が高すぎる
投資マンションの売却価格が、周辺の類似物件と比べて高すぎる場合、購入者の関心を引き付けることができません。特に、新築時に近い価格をそのまま売却価格に設定していると、市場価格との乖離が大きくなり、売れ残るリスクが高まります。投資マンションの適正な売却価格は、物件の条件や市場動向を踏まえて、慎重に判断しましょう。
2. 築年数が古い
投資マンションの築年数が経過するほど、建物の老朽化や設備の陳腐化が進行し、売却が難しくなる傾向があります。築年数の古さは、物件の資産価値に直結する要因だといえるでしょう。
3. 立地に問題がある
投資マンションの立地は、売却の成否を大きく左右します。最寄り駅から遠い、周辺の治安が悪い、騒音問題があるなど、立地に何らかの問題を抱えている物件は、入居率が低い、空室リスクが高いと判断され売却が難航しやすくなります。物件の立地は、入居者の需要だけでなく、購入者の選好にも影響を与えるため、物件の購入時から売却を見据えた物件選びが重要となります。
4. 大規模修繕が近い
マンションは、一定の周期で大規模修繕を行う必要があります。その時期が近づくと、修繕費用の負担が購入者に及ぶため、売却が難しくなるケースがあります。
5. 競合物件が多い
売却を予定している投資マンションと同じエリアに、類似した物件が多数存在する場合、競争が激化し、売却が困難になることがあります。特に、新築物件や価格競争力のある物件が多く出回っている時期は、売却に不利な状況だといえます。競合物件の動向を把握し、売却戦略を練ることが大切です。
6. サブリース契約である
サブリース契約を結んでいる投資マンションは、一定期間の賃料収入が保証されている一方で、売却時には様々な制限が生じます。サブリース会社の同意が必要となったり、契約の解除に伴う費用が発生したりするため、売却までのハードルが高くなる傾向にあります。
7. 売却時期が悪い
不動産市況の悪化や金利の上昇、税制の変更など、売却時期を取り巻く環境が悪いと、投資マンションの売却は難航します。需要が低迷している時期や、市場に売り物件が溢れている時期は、売却価格の下落や売却期間の長期化につながるリスクがあります。売却時期の選定は、慎重に行う必要があるでしょう。
投資マンションの売却に備えること
投資マンションを円滑に売却するためには、日頃から物件の管理を適切に行い、資産価値を維持することが重要です。具体的には、以下のような点に注意しましょう。
- 定期的な清掃や修繕を行い、物件の美観を保つ
- 入居者とのコミュニケーションを大切にし、トラブルを未然に防ぐ
- 家賃の適正な設定と、空室期間の最小化に努める
- 物件の特徴や周辺環境をアピールできるようにしておく
- 修繕履歴や管理状況を明確に記録しておく
- 物件の売却価値を高めるためのリノベーションを検討する
- 不動産市況や税制の変更など、売却に影響を与える情報を収集する
日頃から物件の管理と情報収集に注力することで、売却のチャンスを逃さず、高い売却価格の実現を目指すことができます。
売却できない投資マンションへの対処法
投資マンションが売却できない場合でも、諦める必要はありません。以下のような対処法を講じることで、売却の可能性を高めることができます。
1. 価格の見直し
売却価格が高すぎるために購入者が付かない場合は、価格設定を見直すことが第一の対処法です。周辺の類似物件の売却事例を参考にしながら、市場価格に合わせた価格調整を行いましょう。売却価格を下げることで、購入者の関心を引き付けられる可能性が高まります。
2. リフォーム・リノベーション
老朽化や設備の陳腐化が売却の障害となっている場合は、リフォームやリノベーションを行うことで、物件の魅力を高めることができます。間取りの変更や設備の更新、内装の刷新など、売却対象の購入者層をターゲットにした改修を施すことで、売却の成功率を上げられるでしょう。
3. 売却時期の検討
不動産市況が低迷している時期や、需要が少ない時期に売却を急ぐと、思うような価格で売れない可能性があります。市況の回復や需要の高まりが見込まれるタイミングまで、売却時期を先延ばしにすることも一つの選択肢です。売却のタイミングを慎重に見極めることが大切です。
4.不動産買取で売却する
不動産会社に売却を依頼し買主を探してもらう「仲介」で買主が見つからない場合、不動産会社が直接の物件を買い取る「買取」で売却することも検討しましょう。買取は、不動産会社が買主となるため、短期間での売却が可能で、仲介手数料も発生しません。
ただし、全ての不動産会社が買取に対応しているわけではなく、会社の規模や実績によって、買取額や条件が異なるため、信頼できる不動産会社に依頼しましょう。
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売れない投資マンションの査定のポイント
売れない投資マンションの査定を行う際は、以下のようなポイントに注目する必要があります。
- 物件の立地や周辺環境
- 築年数や設備の状態
- 修繕履歴やメンテナンス状況
- 賃貸需要や空室率
- 売却価格の適正さ
- 物件の特徴や競争力
- リフォームやリノベーションの可能性
これらの点を総合的に評価し、物件の売却難易度や適正価格を判断します。その上で、売却戦略を練り、具体的なアクションプランを立てることが重要です。
売れない投資マンションの査定は、不動産のプロに依頼するのが賢明です。経験豊富な不動産会社や鑑定士は、物件の潜在的な価値を見抜き、適切な売却方法を提案してくれます。複数の専門家に意見を求め、多角的な視点から物件の売却可能性を探ることが大切でしょう。
投資マンション売却の流れ
投資マンションを売却する際は、以下のような流れになります。
1.査定依頼と媒介契約の締結
まず、不動産会社に物件の価格査定を依頼しましょう。不動産会社や物件の収益性や、物件周辺の売買事例などから、価格査定を行います。
査定額や売却プランなどに納得すれば、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には、複数の不動産会社に依頼できる一般媒介、1社のみに売却を依頼する専任媒介、1社のみに依頼し、売主自身で買主を探すこともできない専属専任媒介の3種類があるので、売却戦略に合わせて選択しましょう。
2.売却活動
不動産会社は、物件情報を自社のWebサイトや不動産ポータルサイトに掲載し、潜在的な購入者に向けて広告・告知活動を行います。物件の魅力を最大限にアピールできるような情報の整理と提供が求められます。
4.購入希望者への物件案内と交渉
購入希望者が現れたら、不動産会社が物件提案を行います。購入希望者との価格交渉や条件交渉は、売主の意図を汲みつつ、不動産会社が主導して進めていきます。
5.売買契約の締結と手付金の受領
売却条件が合意に至ったら、売買契約を締結します。契約締結と同時に、購入者は手付金10%程度を支払います。また、このタイミングで売主は、仲介手数料の一部を不動産会社に支払うことが一般的です。
6.残金決済と物件の引渡し
売買契約で定めた期日に、残金決済と物件の引渡しを行います。購入者から売却代金の残額を受領し、所有権移転登記などの手続きを完了させます。物件の鍵や設備の説明書など、引渡しに必要な物品を購入者に渡します。
以上が、投資マンション売却の一般的な流れです。円滑に売却を進めるためには、不動産会社との緊密な連携が欠かせません。売却活動の進捗状況を逐一確認し、適切なタイミングで判断を下していくことが重要です。
また、売却の過程では、物件の現状や売却条件に関する詳細な説明が求められます。物件の情報を整理し、購入者の質問や要望に誠実に対応することで、信頼関係を構築し、売却の成功率を高めることができるでしょう。
投資マンション売却の注意点
投資マンションを売却する際は、以下のような点に注意が必要です。
税金
投資マンションの売却に際しては、売却益に対する税金の計算と納付が必要となります。具体的には、以下のような税金が課される可能性があります。
- 印紙税
- 登録免許税(抵当権抹消登記)
- 所得税(譲渡所得税)
関連記事:投資マンション売却にともなう税金と確定申告について解説
売却にかかる費用
投資マンションの売却には、以下のような費用が発生します。
- 仲介手数料
- 売買契約書に貼付する印紙代
- 抵当権抹消費用
- ローン返済手数料
- 登記名義人 表示変更登記費用
- 賃貸管理解約違約金(サブリース物件含む)
- 譲渡所得税・住民税
- 消費税
- 預かり敷金
これらの費用は、売却価格から差し引かれるため、売却益の試算に影響を与えます。費用の概算を事前に把握し、売却価格の設定や売却戦略の立案に反映させることが大切です。
関連記事:投資マンションの売却費用はいくら?手数料や経費を解説
ローン残債
投資マンションの売却時に、ローンの残債がある場合は注意が必要です。売却価格がローン残債を下回る場合、差額を自己資金で用意する必要があります。また、ローンの繰上返済に伴う手数料や、抵当権の抹消費用なども発生します。
ローン残債と売却価格の関係を踏まえ、売却のタイミングを慎重に見極めることが重要です。必要に応じて、金融機関との交渉を行い、返済条件の変更などを検討することも有効でしょう。
投資マンションの売却では、税金や費用、ローンの扱いなど、複雑な事項が絡んできます。専門家のアドバイスを積極的に取り入れ、トラブルのないスムーズな売却を目指すことが大切です。
投資マンションの売却にかかる期間
投資マンションの売却にかかる期間は、物件の条件や売却価格、市場の状況などによって大きく異なります。一般的には、以下のような期間が目安となります。
-
- 売却準備期間:1〜2ヶ月程度
売却価格の設定、媒介契約の締結、物件情報の整理など、売却活動を開始するための準備期間です。
-
- 売却活動期間:2〜6ヶ月程度
物件情報の広告・告知から、購入希望者への案内、価格交渉、売買契約の締結までの期間です。物件の魅力度や売却価格の適正さ、市場の需給バランスなどによって、期間は大きく変動します。
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- 売却完了期間:1〜2ヶ月程度
売買契約の締結から、残金決済、物件の引渡し、関連する手続きの完了までの期間です。
これらを合計すると、投資マンションの売却には、平均して4〜10ヶ月程度の期間を要することになります。ただし、物件の条件によっては、1年以上の長期化するケースもあります。
売却期間を短縮するためには、物件の魅力を高める工夫や、適正な売却価格の設定、効果的な広告・告知活動などが重要となります。先述した買取であれば、さらに短期間で売却が可能です。
一方で、無理に売却期間を短縮しようとすると、売却価格を下げざるを得なくなるリスクもあります。売却期間と売却価格のバランスを考慮し、最適なタイミングで売却を実行することが求められます。
投資マンションの売却は、長期的な視点に立った資産運用戦略の一環として位置づける必要があります。売却までの期間を見据えて、賃貸管理や資金計画を立てることが重要です。市場動向を注視しつつ、柔軟な判断を下していくことが、成功への鍵となるでしょう。
投資マンションの売却が得意な不動産会社に相談する
投資マンションの売却には、様々な理由で困難が伴う場合があります。売却価格の設定ミスや、物件の老朽化、立地の問題、市況の悪化など、売却を阻む要因は多岐にわたります。投資マンションの売却実績が豊富な信頼できる不動産会社に相談し、適切な対処法を講じることで、これらの課題を乗り越え、円滑な売却を実現することは可能です。
投資マンションの売却プロセスでは、専門家との連携が欠かせません。不動産会社や税理士、弁護士などの専門家から適切なアドバイスを得ることで、売却に関する様々なリスクを回避し、円滑な取引を進めることができるでしょう。
投資マンションの売却は、長期的な資産運用戦略の重要な一部です。物件の管理を怠らず、市場動向にも注意を払いながら、売却に向けた準備を進めていきましょう。適切な売却戦略を立て、粘り強く実行することで、投資マンションの売却は大きな成果を生むことができるはずです。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)


