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ローン残債がある投資用マンションを売却する方法|返済途中の売却は注意が必要!

ローン残債がある投資用マンションを売却する際は、売却価格とローン残債の関係が重要です。

売却代金でローンを完済できる場合は問題なく売却できますが、完済できない場合は売却方法や売却のタイミングを工夫する必要があります。

ローン残債がある投資用マンションの売却について詳しく解説します。
マンションの価格がわかる

基本的に投資用マンションの売却はローン完済が必要

投資用マンションを売却するためには、基本的にローンの完済が必要です。

売却相談を受ける顧客のうち、ローンの残債ある割合はどれくらい?

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

当社で売却相談を受ける物件の約9割がローンが残ってる状態ですね。これは投資用不動産の特徴とも言えるんです。

というのも、不動産投資の大きな魅力って、レバレッジを効かせられることなんですよ。つまり、少ない自己資金で大きな物件を購入できる=借金できるってことですね。これが不動産投資の魅力の一つになってるんです。

ただ、このレバレッジが諸刃の剣でもあります。プラスに働けばリターンは大きいですが、マイナスに働いた時はその分だけ大きな損失につながる。

だから、投資用不動産を持ってる方のほとんどがローンを組んでて、売却相談の時点でもまだローンが残ってる。これが一般的な状況というわけです。

ただ、最近は物件価格が高騰しているため、ローン残債があっても売却できるケースも多いです。特に10年~15年前に物件を購入された方は、ローンの残債よりも売却価格の方が上回るケース、いわゆる”アンダーローン”の状態になっている方も多いです。そういう方は手残り、つまり売却後にプラスでお金が残るケースも出てきてます。

完済して抵当権を抹消する

投資用マンションに設定されている抵当権は、借り入れをしているローンを完済することで抹消できます。抵当権は金融機関が持っている権利で、ローンの返済が滞った際に物件を差し押さえて、債務を回収できます。

もし、売主に対する抵当権が設定されたままの状態であれば、買主のローン返済の有無は関係がなく、売主のローン返済が滞れば差し押さえとなる可能性があります。

つまり、買主からすると、毎月ローンを支払っていても、売主が支払わなかった(支払えなかった)ときには購入した投資用マンションを失うリスクがあるということです。

このような大きなリスクがある状態で、投資用マンションを売却するのは至難の業でしょう。

ローン残債がある場合は、売却にどう影響する?

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

基本的にはローンが完済できないと不動産は売れません。抵当権を残したまま次の方に物件を渡していくってことはできないんですよ。抵当権というのは金融機関が設定する借金の形みたいなものなんです。返済が止まったら差し押さえて競売にかけることができる権利です。

つまり売買代金で残債を完済できない場合は、自ら持ち出しで残金を支払わなければなりません。

実際にあった話なんですが、売買契約まで進んで、サインをもらう段階で「そういえばローンの持ち出し金が用意できないので、残りは引き渡し後も10年くらいかけて払い続けていきます」みたいなことを言われたことがあるんです。もうびっくりしましたよ。もちろん売却はできません。

残債のある不動産を売却する場合は基本的に2つのパターンしかありません。売買代金でローン残債が賄える場合は、その売買代金でローンを完済する。または、売買代金で足りない部分は売主が用意して完済する。このどちらかしかないんです。

アンダーローンとオーバーローン

ローンの残債と売却(予定)価格の差分により、アンダーローンとオーバーローンと表現されます。

アンダーローンとは、その文字のとおりローンが下回るという意味であり「ローンの残債が売却価格を下回る状態」を指します。反対に、オーバーローンは「ローンの残債が売却価格を上回る状態」です。

具体的な例を以下の表にまとめました。

売却価格(1) ローン残債(2) (1)-(2) 状態
3,000万円 2,000万円 1,000万円 アンダーローン
3,000万円 4,000万円 -1,000万円 オーバーローン
3,000万円 3,000万円 0円 なし

アンダーローンであれば、残っているローンを売却代金で一括返済した場合でも、現金が手元に残るため、売却でかかる諸経費の影響も少なくなります。マンション投資を途中でやめられるため、出口戦略も考慮すると理想の状況です。

投資用マンションの売却手続きと同じタイミングに、ローンの一括返済や諸経費の支払いを行います。そのため事前に金融機関にも相談しておくとスムーズでしょう。

一方、オーバーローンの場合は追加で自己資金を用意したり、ほかのローンに組み替えたりする必要があり、金銭的に大きな負担となります。

物件売却時にはオーバーローンに要注意

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

オーバーローンの場合、売却はかなり厳しい状況になります。最近あった例でいうと、新築の投資マンションを買って1カ月後に売却することになった方がいらっしゃったんです。この方の場合、なんと900万円もの持ち出しが必要になりました。

この方の場合は、新築物件を購入して1カ月で「これはだまされた」と気づいたケース。本人は売りたくないと言ってたんですが、家族が「絶対に売れ」と猛反対して売却することになりました。月々の収支がマイナスで、積立金だと言われて買ったのに、実際は積み立てになってないことが分かり、家族会議の末の決断だったんです。

実は過去にはもっと厳しいケースもありました。平成バブルの頃なんかは、1,000万円くらい持ち出して売るとかっていうのが結構あったんです。私がこの業界に入ってきた頃、20年前くらいにもそういうケースがありました。

バブルの頃に高い価格で買ったものを10年ほど所有したものの、手放されるようなオーナーさんのケースでは、2,000万円くらいの持ち出しが発生してしまうケースもありました。

売却価格とローン残債の調べ方

ローンの残債を確認するには、金融機関が発行する「ローン残高証明書」で、正確に把握できます。ローン残高証明書は税務署への申告でも使用するため、毎年10月から11月に郵送されるのが一般的です。

紛失時や急に必要になった際は、借り入れをしている金融機関の窓口で現時点のローン残債を確認できます。

また、インターネットバンキングを利用可能な金融機関であれば、スマートフォンひとつでも調べられるため、とても便利です。

一方、売却価格は契約が締結するタイミングでしか正しく把握できないため、比較検討する際は、売却できると考えられる予想の金額で行います。

具体的には、不動産会社に査定を依頼しましょう。

不動産査定は、実施する不動産会社により注目する点が異なります。投資用マンションの場合は投資用マンション専門の不動産会社に相談するのがおすすめです。

ローン残債がある物件を売却しようとするオーナーの特徴

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

大きく分けると、主に2つのパターンがありますね。

1つは、ライフプランの変更があった方です。これは予定していなかった状況の変化で売却を考えざるを得なくなったケースですね。

もう1つは、収支がうまくいかなくなってしまった方です。これが結構多いんです。最初の収支のシミュレーションがうまくいっておらず物件を持ってしまったものの、実際の月々のローン返済額が予想以上に大きくて、キャッシュフローがマイナスになってしまってる・・・といったケースですね。

特に問題なのは、フルローンで借り入れて、最初からキャッシュフローがマイナスになってるようなケースです。一度もプラスになることなく、損切りを決断される方が実際多いんです。

ここで注意していただきたいのが、そもそも論として、頭金なしでフルローンで投資ができますっていうような話自体がおかしいんですよ。投資を始めるのであれば頭金20%~30%を払ってくださいっていうのが当たり前で、それを入れた上でプラスのキャッシュフローにするというのがルールだったんです。

最近は、「ローンが組めれば何でも買えます」っていうようなオーナーさんも結構いらっしゃいます。正直そういう方には、買わない方がいいとはっきり申し上げます。その考え方だと成功しないからです。

物件を持つことが目的化しちゃってるんですよね。きちんと収入が得られて、長期で見たときにキャッシュフローがプラスで、トータルゲインで見たら得するであろう、だから投資しますっていう考え方にしないといけないんです。

はじめての投資マンション売却
こちらから!

売却価格がローン残債を下回る投資用マンションの売却

マンション投資では計画的に利益を得ることが大切ですが、成功させるには、投資用マンションを売却し、得られた利益を確定させる出口戦略が重要です。

オーバーローンの場合、そのまま投資用マンションを売却するのは難しいです。しかし、売却による出口戦略が行われないと、利益を確定させたり、損失を抑えたりできません。

オーバーローンの投資用マンションを売却する方法を具体的に紹介します。

自己資金を返済に充てる

ローン完済のために不足している金額を自己資金(現金)で補填するのが、最もシンプルで簡単な解決方法です。

たとえば、3,000万円のローン残債に対して売却価格が4,000万円の場合は、残りの1,000万円を自己資金で支払います。

ただし、不足している金額が多い場合は、簡単に自己資金を用意できないおそれがあります。その場合は、次から紹介するほかの方法を検討しましょう。

ローンを乗り換える

自己資金で用意できない場合は、借り入れをしている金融機関に相談して、多目的ローンへの乗り換えや、借り入れられる金額に制限はあるものの、担保を必要としない無担保ローンなどを検討します。

ただし、これらのローンは、住宅ローンやアパートローンなどと比較すると金利が高く設定されています。トータルの支払いの負担は大きくなるため、注意が必要です。

売却は見送ってローンを早く返済できるようにする

オーバーローンが発生し自己資金の投入も難しい場合は、このタイミングでの売却を見送って、投資用マンションの運用を見直すのも選択肢のひとつです。

収益率を見直し、できる限り空室が減るように働きかけて利益を増やし、それをローンの返済に費やすことで、ローン残債自体を減らしていきます。

資産価値は下がりますがリフォームや修繕工事は最小限にして支出を抑え、ローン返済に充当する方法もあります。しかし、不動産の手入れが不足してしまえば、同様に売却価格も低くなるおそれがあるため、これは短期勝負向けの方法といえるでしょう。

任意売却は最終手段

金融機関に認められれば、ローンを残したまま売却することも可能です。これを任意売却といいます。

しかし、任意売却は理由により「ローンを支払えなかった」と判断され、信用情報機関に債務整理などの情報が登録されるおそれがあります。

いわゆるブラックリストと呼ばれるもので、信用情報機関に登録されてしまえば抹消されるまで、新規での借り入れが難しくなり、マンション投資を続けることが実質不可能になります。

任意売却は、あくまで出口戦略における最終手段です。よほどの赤字を生み出している場合を除き、可能な限りほかの手段を模索することが重要です。

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ローン残債がある投資用マンションを売却する際の注意点

アンダーローンかオーバーローンかに関わらず、ローン残債がある投資用マンションを売却する場合、注意するべき点がいくつか存在します。

代表的なのは出口戦略に正当性があるのか、本当にいま売るのが正解なのかなど、タイミングの検討です。

ローン返済中に売却するメリットを確認する

投資用マンションをローン返済中に売却するのは、本来の計画と異なる可能性もあるでしょう。いわゆる出口戦略の変更ですが、そのメリットとデメリットを把握することが重要です。

アンダーローンの状態で、売却利益を大きく得られる場合などはメリットがありますが、入居率や減価償却の残年数などを考えれば、売却を再検討すべきケースもあるでしょう。

また、入居率を改善して黒字にできる可能性が高い場合、ほかに手段がないか検討するのもよいでしょう。

反対に毎月、赤字になっている場合は、売却することで支出を止める効果があります。

このように短期的に見るか、長期的に見るかにより、メリットとデメリットの見え方も変わってきます。よく状況を把握し、答えを出すようにしましょう。

投資用マンション専門会社に相談しよう

投資用マンションを専門に扱っている不動産会社は、マンション投資におけるイレギュラーや問題発生時の経験値が高く、オーバーローンについても知識が豊富です。

そもそもいま売却すべきなのかの判断をしてもらったり、具体的な売却方法などの計画を提示してもらったりすることで、今後の方向性や可能性に気づけるでしょう。

投資用マンションの売却に悩んだら、まずは信頼できる投資用マンション専門の会社に相談するのがおすすめです。

定期的に物件価格を把握しておくことがポイント

伊藤幸弘(株)TOCHU
代表取締役
伊藤幸弘

定期的に、健康診断のように、物件の査定をした方がいいですね。そうしないと、自分の今の投資がうまくいってるのか悪いのか、判断がつかないんです。その判断が遅れれば遅れるほど、売るタイミングに影響が出たり、売るときにローンがありすぎて売れなかったりと、計画が立てられません。

具体的にやるべきことは2つあります。1つは、不動産会社に定期的に査定を依頼すること。もう1つは、金融機関から送られてくるローンの償還票をしっかりチェックすることです。これで残ってる元本がいくらかってのは常に把握しておく必要があります。

売却する時だけ価格を気にするのではなくて、普段から物件の値段とローンの関係というのは見ていくべきだと思います。今は匿名で査定できるサービスもありますし、不動産会社に相談するのも昔ほど心理的な負担は大きくないと思います。

結局のところ、ローンを攻略しないと投資マンションは成功しないんです。だからこそ、定期的なチェックと適切な対応が重要になってくるわけですね。

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コラム監修

コラム監修

伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント

プロフィール

2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。

専門分野

・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング

メディア掲載・業界実績

投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。

保有資格

・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人

著書・実績

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)

『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)

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