ワンルーム投資コラム

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不動産

【2023年】マンション売却相場|今後の動向も解説

経済や国際情勢は先行きが不透明なため、マンション価格の動向も読みにくいのが実情です。売却を検討しているものの、今売ってよいのか、タイミングが掴めずにいるのではないでしょうか。

マンションの売却相場とマンションを取り巻く環境・動向から売りどきについて、さらに売却時の注意点も解説します。
マンションの価格がわかる

【主要都市】マンション売却相場

2023年の中古マンション売却価格の相場を確認します。

日本の主要都市における2022年2月から2023年2月までの中古マンション売却価格を表にしています。データは、不動産流通機構の「レインズデータライブラリー」より抜粋しています。

東京

年/月件数㎡単価

(万円)

価格専有面積(㎡)築年数(年)
件数(件)前年比(%)価格(万円)前年比(%)
2022/021,618-11.383.115,0286.460.5022.00
2022/051,522-9.187.625,1917.459.2521.80
2022/081,227-3.891.345,39011.859.0022.08
2022/111,484-16.793.935,51914.858.7622.82
2023/021,6914.590.835,3817.059.2422.87

㎡単価が2022年の8月より、90万円台以上を保っています。また、価格も前年比を上回るケースがほとんどで、マンション価格の高騰が伺えます。

大阪

年/月件数㎡単価

(万円)

価格専有面積(㎡)築年数(年)
件数(件)前年比(%)価格(万円)前年比(%)
2022/02788-3.742.262,8889.468.3624.84
2022/05757-0.442.042,83510.267.4424.86
2022/08581-6.641.092,7512.666.9426.21
2022/11727-12.144.172,9363.166.4725.81
2023/02784-0.541.822,819-2.467.4126.48

大阪でもマンション価格の上昇傾向がみられますが、2023年2月は前年比でマイナスとなりました。2025年の大阪万博後には地価の上昇が予想されるため、今後の動向に注意が必要です。

愛知

年/月件数㎡単価

(万円)

価格専有面積(㎡)築年数(年)
件数(件)前年比(%)価格(万円)前年比(%)
2022/02427029.582,1923.674.1124.40
2022/05351-3.330.442,2560.674.1224.26
2022/083246.930.812,2974.874.5624.24
2022/11345-7.830.482,3033.375.5824.99
2023/02393-8.030.952,3125.574.7025.32

㎡単価を見てみると、大きな変化は見られず微増といったところです。今後の価格動向はリニア中央新幹線の開業に伴う周辺の産業発展がポイントです。

北海道

年/月件数㎡単価

(万円)

価格専有面積(㎡)築年数(年)
件数(件)前年比(%)価格(万円)前年比(%)
2022/02229-3.425.972,00411.377.1828.40
2022/05201-17.627.272,14921.078.8127.07
2022/08164-9.926.691,9684.173.7428.12
2022/11184-21.028.742,1572.775.0427.65
2023/02198-13.528.192,20610.078.2427.24

北海道のマンション価格は上昇傾向にあるといえるでしょう。今後はコロナ衰退による観光需要の増加や千歳市の半導体工場の建設、北広島市新球場(エスコンフィールドHOKKAIDO)の開業など、局所的に地価が上昇するかもしれません。

福岡

年/月件数㎡単価

(万円)

価格専有面積(㎡)築年数(年)
件数(件)前年比(%)価格(万円)前年比(%)
2022/02304-16.933.212,21815.566.8023.80
2022/05257-11.133.582,3098.368.7524.00
2022/082040.030.922,1219.668.6025.67
2022/11270-6.634.582,1951.763.4824.43
2023/02270-11.233.822,201-0.865.0823.45

福岡では大きな変化はありませんが、高値を維持しています。郊外でマイナス傾向にある一方で、市街中心部は再開発が進むうちは高値を維持する見込みです。

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マンション価格は今後も上昇し続ける?

日本国内の景気低迷やインフレ、国際情勢、少子高齢化などさまざまな要因から、今後のマンション価格を探ります。

「マンションの価格は下落する」との噂がある一方で、インバウンドによる景気浮揚の要因もあり、実際の不動産価格はどのように推移するのでしょうか。

結論からいえば、今後価格が上昇するという説と、下落するという説の両方があり、どちらも間違いとはいえません。

価格が上昇するといわれる理由

今後マンション価格が上昇するといわれる理由は、いくつかあります。

まず、不動産価格は数十年間緩やかに上昇しています。1990年代のバブル崩壊で一度落ち込んだものの、その後再び上昇傾向にあります。2008年のリーマンショック後ですら、不動産価格はわずか2年で持ち直し、下落が懸念されたコロナ禍でも、上昇傾向を持続した事実があります。

近年のマンション価格の上昇要因としては、建築資材の高騰が挙げられます。それにより新築マンション価格が上昇したことで中古物件の需要が増え、価格も上昇しているのです。

上昇要因はこのほかにも、海外投資家による投資熱により、都市部を中心としたエリアの物件価格を押し上げている背景があります。円安の現在は特に、海外の投資家にとって日本の不動産はアジアの先進諸国と比べると安く高利回りの物件と映っています。

さらに築年数の古いマンションでも民泊として再開発が進むなど、インバウンド需要も一部のマンション価格上昇を後押ししています。

このようにマンション価格が複数の要因により上昇しているのは事実です。

今後はマンション価格が下がるという噂も

一方で、今後はマンション価格が大きく落ち込むという予想もあります。

暴落するといわれる理由の1つ目に、不動産価格が15年周期で上昇と暴落を繰り返す法則があることが挙げられます。直近では、リーマンショックから15年後の2022年に暴落するといわれました。しかし現在のところその兆候は見られていません。

理由の2つ目は、東京オリンピックが閉幕した後に需要が減り、価格が下がるという説です。しかしこちらも、現在のところ下落は起こっていません。

3つ目に、米国でインフレ抑制への対策として金融引き締めが行われたことにより、日経平均株価が下落しました。不動産価格は株価に連動するため、マンション価格も下がるというものです。

日本国内でも、日銀による金融引き締め(金利引き上げ)が始まると、不動産価格が下がるといわれています。金融緩和は継続するとの声明ですが、日銀総裁の交替後に方針変更もあり得るため、予断を許しません。

マンション価格の見通しは国内外の情勢に左右されるため、こうした動向のチェックは必須です。

今後価格は2極化する見通しも

マンション価格は今後も下落しないといわれますが、すべての物件に当てはまる訳ではありません。実は都市部と郊外で価格の2極化が進むといわれています。

共働き世帯の増加で、駅や学校・病院など公共施設から近い物件・エリアの需要は高まっています。近年、都市中心型の生活をする人が増えていることの表われです。

一時はコロナ禍で郊外移住が進んだといわれました。しかし実際に移住したのは少数で、あくまでトレンドは都市部への集中です。昭和から平成にかけては、郊外のベッドタウンが人気でした。しかし、昨今は都市部のオフィス・住宅一体型の物件が増え、郊外のマンションの価値が下落傾向にあります。さらに東京都内の物件は、外国人投資家によっても価格が押し上げられています。

こうしてマンションの価格の動向は、エリアにより明暗が分かれています。

今は売りどきか?

売る時期・タイミングは物件の築年数や周辺環境によります。

築年数が古くなるほど、建物の価格が下がるため物件価格は下がります。一般に15年を過ぎると、管理費・修繕積立金の値上げがされる傾向にあります。売却自体は築30年前後でも可能ですが、30年を超えると管理の限界といわれ、売却しづらくなります。

さらにマンションの売りどきは、周辺の開発や人口の動向にも左右されます。

もし人口が減少傾向なら、需要が減り今後価格が下がる可能性が高いです。企業や大学の撤退、スーパーの閉店なども、需要が減る兆候です。

マンションの売却に際し、価格相場の動向を見て値上がりを待つ方もいるかもしれません。しかし、通常は値上がり幅よりも経年による価格下落リスクが上回るため、低金利で需要も大きい今が売りどきといえます。

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マンション売却時に必ず気を付けたいこと

マンションの売却時期について確認したところで、売却時に必ず気をつけたい注意事項を5つ紹介します。

  • 囲い込みに気をつける
  • 売却価格の相場を把握する
  • 売り出しは時間に余裕を持って行う
  • 競合物件とは価格を争わない
  • 不動産会社の選択を間違えない

囲い込みに気をつける

マンションの売却時には、囲い込みに気をつけましょう。

囲い込みとは、不動産会社が売主と買主の両方を仲介し、他の業者からの問い合わせを当事者に伝えずシャットアウトすることです。売主と買主の両方を仲介することを「両手仲介」と呼び、不動産会社には双方からの手数料が入ります。

両手仲介は売買をスピーディーに行えるメリットがある一方で、囲い込みをされてしまうとより良い条件での売却チャンスを得られないおそれがあります。その結果、買い手がつかず値下げを余儀なくされるかもしれません。

信頼のできる不動産会社を選んだり、囲い込みをしてほしくないと不動産会社に直接伝えたりすることで防げるでしょう。

売却価格の相場を把握する

マンションを売却する際には、相場を把握することが重要です。

相場からかけ離れた高い価格を付けても、なかなか売れません。逆に、安く設定し過ぎても相場を下回り、残債の支払いに支障が出てしまうかもしれません。

売却価格相場は、近隣で実際に売りに出ている物件の築年数や広さ、設備などを自分の物件と比べて判断することが望ましいです。レインズマーケットインフォメーション土地総合情報システムを使えば、Web上で調べることができます。

通常は物件の売買時には値下げ交渉が行われるため、売却価格を相場よりやや高めに設定するのがポイントです。とはいえ、適切なさじ加減は難しいため、不動産会社に相談して決めることをおすすめします。

売り出しは時間に余裕を持って行う

マンションの売却では、時間に余裕のある売却活動をすることも大切です。

もし時間や資金に余裕がないために売り急いでしまうと、値下げ交渉を断れなくなります。

不動産売却の申込みから売買成立までには、3カ月から半年が必要です。適正な価格で販売するためにも、売りたい時期から逆算して査定依頼などのアクションを起こすことをおすすめします。

特に住み替えのケースで、新居を購入後に居住マンションを売却する「買い先行」にしてしまうと、住居費が2重払いになるため売り急いでしまいがちです。可能な限り「売り先行」にしましょう。

競合物件とは価格を争わない

もしマンションを売却したいときに競合物件が売りに出されたら、価格競争は避けましょう。

同じマンションや近隣で競合物件が売りに出されると、価格競争が起きた結果、売却価格が相場を下回るおそれがあります。特に同じマンションで競合する場合は立地や築年数が共通のため、価格競争に巻き込まれた結果、不本意な価格で売却することになりかねません。

想定よりも低い価格で売らないためにも、競合物件が売りに出されたら、なるべく売却時期をずらして対処することをおすすめします。

不動産会社の選択を間違えない

マンション価格の相場は日本や世界の情勢により変化します。また物件の価格は立地や築年数にも左右されるため、相場の見極めや売りどきの判断には、さまざまな知見が必要です。

そのため、価格相場や売りどきなど、専門の知識を持つ担当者がいる不動産会社に相談することが重要になります。会社を選ぶ際には、囲い込みをせず情報を開示してくれるだけでなく、マンションをもっとも高く売却できる方法をアドバイスしてくれる会社を選んでください。

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コラム監修

コラム監修

伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント

プロフィール

2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタートし、現場での売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成支援に従事。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を立ち上げ、通算の取扱実績は20,000件以上。
2025年からは業界初の価格透明化サービス「TOCHU iBuyer」を展開し、中古投資マンション市場の健全化を推進。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、投資マンションの適正な価値形成を目指して活動している。

保有資格

・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人

著書・実績

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)

『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)

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