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修繕積立金はどこまで上がる?マンション修繕値上げの原因や相場を解説

マンションの建物部分を安心安全に維持するためには、定期的な点検や修繕が不可欠です。

建物の補修や修繕に備えて、住民は修繕積立金を納めていますが、近年修繕積立金が値上がりしていることをご存じでしょうか。

修繕積立金はどこまで上昇するのでしょうか。値上げの原因や相場、対処法について解説します。
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マンションの修繕積立金が上がる理由

マンションの修繕積立金が上がる理由について紹介します。

初期に設定した積立額が甘かった

マンションの修繕積立金が上がる理由のひとつに、初期に設定していた積立額が甘かったことが挙げられます。

修繕積立金は、マンションの設備や建物の老朽化に伴って必要な修繕費用をためるために、入居者から積み立てられるお金です。しかし、初期の修繕積立金の設定額が低かった場合、十分な貯蓄ができず、後になって急激な値上がりが必要になることがあります。

初期の設定額が甘かった原因は、開発業者がマンションの販売促進のために、修繕積立金の設定額を低く抑えた場合が多いためです。また、入居者も、初期の費用を抑えることを優先し、修繕積立金の設定額を低くすることを歓迎します。しかし、低い設定額では、将来の修繕費用を賄うことができず、結果として修繕積立金の値上げが必要になることがあります。

修繕積立金の値上げでは、入居者が反発し交渉の難航も予想されます。そのため、修繕積立金の設定額を最初から適正なレベルで設定し、将来の修繕費用をしっかりとためることが重要です。

また、既存の修繕積立金が不足している場合は、将来の急激な値上げを回避するため、できるだけ早期の対策が求められます。

空室の発生による収入減

マンション管理組合は、入居者からの管理費をもとに修繕積立金を積み立てます。しかし、マンションに空室が発生すると、管理費が減少してしまいます。つまり、空室の発生は、新規入居者を確保するまでの間、修繕積立金の積立額が減少することを意味します。

空室が発生する原因は、さまざまで、たとえば以下のようなものがあります。

  • 物件の老朽化
  • 設備の不備
  • 管理組合の運営に問題がある

入居者からの評判や口コミは重要であり、入居者が住み続けたいと思うようなマンション運営を心がけることが大切です。

また、空室が発生しても修繕積立金を減らさずに維持する方法として、入居者以外からの収益源を確保することがあります。たとえば、マンション内に商業施設を併設すると、入居者以外からの収益を得られます。これにより修繕積立金を確保しつつ、空室の発生による影響を軽減できます。

計画外の出費や改修工事

マンションの修繕積立金が不足し値上げせざるを得ない理由のひとつに、計画外の出費や改修工事があります。

マンションは建物の老朽化や自然災害などにより、予想外の修繕工事(=出費)が生じる可能性があります。たとえば、給排水管の腐食が進んでいることが判明した場合、急遽、給排水管の全面改修を行う必要があるかもしれません。また、防水工事の不備によって、壁の中に水が染み込んでいることが判明した場合、壁の一部を取り外して改修を行う必要が出てくることもあります。これらの修繕費用は、管理組合が積立金から賄いますが、予想外の修繕工事のため、積立金が不足する場合があります。

また、マンション管理組合には築年数に応じた改修計画があり、それに応じた予算を計上しています。しかし修繕工事の計画を立てる際、将来の修繕コストを正確に予測することは困難であり、予定通りの修繕でも費用が不足する場合もあります。

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実際に修繕積立金はどれくらい上がっている?

では、実際に修繕積立金はどれくらい上昇しているのでしょうか。また、築年数によって修繕積立金への影響に変化はあるのでしょうか。

東日本レインズの調査結果

東日本レインズ(公財 東日本不動産流通機構)は、2022年5月、「2021年度 首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金」に関する調査結果を公表しました。これは、2021年度に同機構を通じて成約した首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金を調査したものです。

それによると修繕積立金は、1平米あたり平均173円(1戸あたり1万1,164円)となっています。1平米あたりの修繕積立金は、築10年を超えると190円前後に上昇しています。また、規模が大きいほど修繕積立金が低い傾向がみられました。

また、都道府県別にみると、以下のとおりです。

1平米あたりの修繕積立金(円) 1戸あたりの修繕積立金(円)
東京都 181 1万878
神奈川県 175 1万1,755
埼玉県 159 1万792
千葉県 159 1万1,550

築年数と修繕積立金の関係について解説

マンションの築年数と修繕積立金の関係には、一定の傾向が見られます。通常、建物が新しいほど、修繕積立金は少ないです。これは、新しい建物は耐用年数が長く、修繕が必要な頻度が低いためです。

しかし、建物が古くなるにつれて、修繕が必要な頻度が高くなり、修繕費用も高額になるため、修繕積立金が必要になってきます。

ただし、築年数が古い建物であっても、適切なメンテナンスや修繕が行われていれば、修繕積立金を低く抑えられます。逆に、新しい建物でも、不適切なメンテナンスや修繕が行われている場合は、修繕積立金を増やさなければならない場合があります。

以上のように、築年数と修繕積立金の関係には一定の傾向があります。しかし、建物の状態や地域によって異なるため、適切なメンテナンスや修繕計画を立てることが重要です。

大和ライフネクストの調査レポートを紹介

大和ライフネクスト株式会社の分譲マンション総合研究所である「マンションみらい価値研究所」が2021年8月に発表した、以下の2つのレポートがあります。

その調査結果を同研究所では、以下のように総括しています。

『今回の対象マンション(築23年~24年)では修繕工事を長期修繕計画の予定よりも先延ばしすることで、「もしかすると将来の修繕工事は全体的に後ろ倒しできるかもしれない」という期待から積立金の値上げを延期している組合も多いと思われます。もちろん建物診断等で良好と判断された箇所は適宜延期も検討すべきです。しかし、(調査結果から)遅かれ早かれ築33年目までにある一定の修繕費用が必要と推測されます。またその先の大型工事を踏まえると、少なくとも現在から30年先を見通せる長期修繕計画を用意し、具体的な積立金の改定計画を踏まえた実効性の高い資金計画を策定する必要があります。』

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今後も積立金の値上がりは続く?対応策とは

今後も修繕積立金の上昇は続くのか、また積立金の値上げへの対応策にはどのようなものがあるのでしょうか。

マンション管理組合の取り組みや対策について

マンション管理組合が取り組むべき対策のひとつは、修繕計画の策定や見直しです。修繕計画を適切に策定することで、将来的な修繕費用の見積もりを正確に行い、修繕積立金の適切な金額を算定できます。また、修繕積立金の資金運用についても、適切な運用を行うことで、将来的な修繕費用に備えられます。

さらに、住民とのコミュニケーションを密に行い、修繕に対する理解を深めることも重要です。住民が修繕の必要性や重要性を理解し、共感することで、修繕積立金の適切な積み立てや修繕工事の進行にもよい影響を与えられます。

修繕積立金の値上げを未然に防ぐための具体的な方法

修繕積立金の値上げを未然に防ぐためには、「修繕計画を策定しっぱなし」ではなく、定期的な点検やメンテナンスを行って、計画外の出費や改修工事を減らすことに努めます。

また、修繕積立金の適正な運用や積立金の一部を長期的な運用に回すことで、修繕費用の増加を緩和できます。

修繕積立金の適正な運用や管理を行うためには、専門的な知識や技能を持った専門家のアドバイスを受けることも重要です。管理会社や専門家とのコミュニケーションを密にし、修繕積立金についての情報共有や意見交換を行うと効果的です。

さらに、住民の意識改革も必要です。修繕積立金は共有財産であり、適正な運用と管理は住民全員の責任です。住民が積極的に管理組合に参加し、積極的に情報を共有し、適切な判断を行うことで、修繕積立金の値上げを未然に防げます。

支払いが難しい場合や将来的な不安がある場合の対処法

住民としては、修繕積立金の値上げによって支払いが難しくなったり、将来的な不安を感じたりするでしょう。そのような場合には、以下のような対処法があります。

まずは、適切な予算管理を行います。毎月の修繕積立金の支払いに加え、普段の生活費とのバランスを考慮し、予算を立てて管理することが重要です。また、修繕積立金の支払いが困難になる場合は、早めに管理組合や管理会社に相談しましょう。

物件売却を検討する場合は、専門家に相談することが重要です。物件の評価額や売却にかかる費用、売却時期など、さまざまな要素があります。また、売却後の住まいの選択肢や資金の運用方法なども考えておく必要があります。

修繕積立金の値上げに対処するには、まずは適切な予算管理や相談を行い、必要に応じて適切な対処法を選択することが大切です。

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コラム監修

コラム監修

伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント

プロフィール

2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。

専門分野

・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング

メディア掲載・業界実績

投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。

保有資格

・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人

著書・実績

『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)

『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)

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