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不動産投資における利益にはどのようなものがある?節税効果や出口戦略も解説

不動産投資を行う目的は、資産運用や老後の私的年金、税金対策などさまざまです。
では、不動産投資における利益とは、どういったものなのでしょうか。不動産投資における利益の種類や、節税対策という点では具体的にどのような控除が受けられるのかなどについて解説します。
目次
不動産投資における利益の仕組みや種類を解説
ここでは、不動産投資において利益はいつ、どのように発生するのか、利益の仕組みと利益についての考え方を解説します。
不動産所得とは
「不動産所得」とは、以下に挙げる貸付けなどからの所得を指します。
- 土地・建物など不動産の貸付け
- 地上権など不動産に対する権利の設定や貸付け
- 船舶や航空機の貸付け
ただし、これらのうち「事業所得」や「譲渡所得」に該当する所得は除かれます。
所得の計算方法
売上からかかった経費を除いたものが利益であり、所得となります。
所得額=総収入額ー必要経費
収入額<
不動産投資において得られる収入には、貸付けによる賃料収入のほかに次のようなものがあります。
- 名義書換料、承諾料、更新料、頭金など
- 敷金や保証金、礼金などのうち返還が必要でないもの
- 共益費などの名目で受け取る電気代、水道代、掃除代など
キャピタルゲイン・インカムゲインの2方向で利益を考える
不動産投資によって損得を判断するときには、キャピタルゲインとインカムゲインの2つの見方をすることが必要です。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインは、売却したときにいくら利益が出たかを考えるものです。
たとえば、5,000万円で仕入れた不動産を1億円で売却できれば、5,000万円のキャピタルゲインを得られます。
逆に売却して損が発生すれば、キャピタルロスとなります。
インカムゲインとは
インカムゲインは、不動産を保有している間にいくら利益がでるかを考えます。
インカムゲインの身近な例として、銀行に預金をして定期的に発生する利息があります。
不動産を賃貸して運用すると家賃収入を得られるため、これがインカムゲインとなります。
キャピタルゲインとインカムゲインの違い
株式や不動産などの投資物件は、時期によって相場が変わります。
キャピタルゲインでは、相場の動きが直接利益に影響を及ぼすため、売却時期の判断に大きな影響を与えます。大きく値上がりしたときに売却できれば大きな利益を生む代わりに、元本割れの危険性を含んでいます。
一方で、インカムゲインは市場や相場の動きは直接関係なく、不動産を保有している限り安定した収入が得られる可能性があります。ただし、家賃収入が大きな収入源となる不動産投資では、空室の増加や未納家賃の増加、器物破損などインカムゲインを下げてしまう不確定要素も含んでいることは忘れてはいけません。
このように、短期的に利益をみる場合はキャピタルゲインを、長期的な利益をみる場合はインカムゲインを考慮します。
また、キャピタルゲインとインカムゲインでは課税率が異なることにも注意しましょう。
キャピタルゲインは売却益に対して不動産譲渡所得として課税され、長期(39.63%)と短期(20.315%)とに区分されます。インカムゲインの場合は、ほかの所得と通算されて所得税率(5〜45%)によることになります。
節税効果も不動産投資のメリット
不動産投資によって家賃収入や売却利益を得ることできるほか、ほかの所得と合算することでの節税効果も期待できます。不動産投資による節税効果にはどのようなものがあるのでしょうか。
不動産投資で節税するには確定申告が必須
不動産投資で節税のメリットを受けるためには確定申告が必要です。
確定申告には「白色申告」と「青色申告」がありますが、青色申告を選択しましょう。青色申告は、白色申告と比べて控除できる額が多いというメリットがあります。
所得額を減らせる「控除」を活用
青色申告をすることで、さまざまな控除を受けられます。控除を有効に活用することで、所得額が減り所得税を節約できます。
ここでは、次の3点についてみてみましょう。
- 経費
- 減価償却費
- 給与
経費
不動産投資で経費として計上できるのは次の項目です。
- 管理費
- 修繕費
- 修繕積立金
- 管理会社への費用
- 借入利息
- 各種税金
- 損害保険料
- その他
不動産を維持管理していくには、日常の清掃費用や設備の点検作業の費用、修繕費用がかかりますが、それらは経費となります。
また、申告をするために税理士に依頼すると税理士費用も経費にできます。
減価償却費
建物は経年によって価値が下がっていくため、耐用年数によって定められた額を毎年経費として算入できます。木造22年、鉄筋コンクリート造47年などと定められており、実際には支払っていない額を経費として計上できるので節税効果は大きくなります。
なお、中古物件を購入した場合には、法定耐用年数に2割加算されたものが耐用年数になります。
たとえば以下のようになります。
- 木造アパート(法定耐用年数22年)を22年経過後に購入した場合
22年 × 20%=4年
- 同じアパートを10年経過後に取得した場合
(22年-10年)+10年 × 20%=14年
参考:国税庁「No.5404 中古資産の耐用年数」
給与
確定申告をすれば家族への給与の支払い分も経費にできます。家族への支払いも経費として支出できれば負担が軽くなりますね。
ほかの所得と損益通算できる
会社から給与をもらっている方の所得など、ほかの所得と不動産所得とを合算して所得税を計算します。
簡単にいうと、「給与所得が1,000万円あるところ不動産所得が200万円の赤字なら800万円について所得税がかかります」ということです。しかし、実際に200万円の赤字があるなら、「おいしい」話とはいえません。
そこで、先の減価償却費のメリットが現れてくるのです。実際には支払っていない減価償却費が不動産所得を圧縮するため、総所得額を下げられるということです。
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不動産投資の最終的な儲けは、出口戦略で決まる?
日本での不動産投資は、家賃収入を得るインカムゲインを主流としています。しかし、いつかは売却を選択するときが訪れます。
インカムゲインが多くても、キャピタルロスを大きくしてしまっては元も子もありません。損失を最小限に抑えて、より有利に売却する出口戦略を購入時から探っておくことが重要です。有利に売却できればさらに大きな物件を購入でき、ステップアップにつながります。
ここでは、売却をするタイミングや売却方法についてみてみましょう。
不動産投資の最終的な損益、成否は売却で決まる
不動産投資を成功して終わらせるには、不動産売却のタイミングを知ることが大切です。
ここでは、売却を検討すべき時期やタイミングについて紹介します。
購入金額よりも高く売却できるとき
日本の不動産市場の特徴として一般的には新築時は高く、築年数の経過とともに価値が下がっていくことがあります。
その中で購入時よりも価格が上昇することは見逃せない機会だといえます。
維持費が高額になるとき
不動産は経年による劣化や、人が住んでいることによる劣化は避けられません。年数の経過とともに設備の故障、内装の劣化など修理修繕のために費用がかかります。
また、マンションであれば定期的に大規模修繕が行われ、月々の修繕積立金では不足する額を追加で支払うこともあります。
このように維持費が高額になりそうなときは、売却を検討するタイミングです。
減価償却期間が終わるとき
不動産投資の収益を考えるうえで、減価償却費は重要なファクターです。
減価償却期間が経過すれば減価償却費を経費として計算できなくなるため、所得税や住民税が高くなってしまうときは売却を検討することになるでしょう。
ローンの元金返済額が減価償却費よりも高額
借入を利用して不動産投資をする場合は、金融機関に支払う元利金のうち、利息が経費として落ちても元金部分は経費になりません。すると、減価償却費によって実際に支払っていない金額が経費として算入されるというメリットが、元金の支払い部分超過によってなくなってしまいます。
減価償却期間が短い中古物件を購入したり、ローンの返済期間を長く取ってしまったりすると、このような事態が起こります。
しかし、あらかじめその時期を計算して予測できるため、売却のタイミングを計算することも可能です。
売却方法
不動産投資を回収するために売却を検討するときは、どのような売却方法であれば有利に売却できるかを確認しておきましょう。
- 仲介による売却
- 不動産会社に直接売却
- 個人間売買
仲介による売却
一般的な売却方法であり、購入希望者を広く募集できるので売却機会も増え、手間がかかりません。
売却仲介を依頼するときは、次の3種類の契約形態があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
それぞれの契約形態を確認して、自分にあった契約を選びましょう。
不動産会社に直接売却
不動産会社によっては、自社が直接買取をしてくれることもあります。購入希望者を探す手間がかからず、契約から決済まで期間が短いため、売却を急ぐときにメリットがあります。
ただし、市場価格よりも約1~3割安くなることが多いことに留意しましょう。
個人間売買
親戚や知人に購入しそうな方がいる場合は、個人間売買も可能性があります。
近年では、インターネットでも個人間売買ができるサイトでも購入希望者を探せます。
個人間売買は不動産会社を通さないため、仲介手数料が発生しないメリットがあります。しかし、専門的な知識がなければ後日のトラブルに発展しないとも限りません。
売却を依頼する会社選びが非常に重要
仲介による売却を依頼するときは、複数の不動産会社に査定を依頼して信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
ひとくくりで「不動産会社」といっても、不動産会社が扱う不動産の範囲は広く、専門とする業種は異なります。売買、賃貸、管理と業務は幅広く、また売買物件においても住宅用、事業用、倉庫用などそれぞれの専門分野があります。
投資した不動産の利益回収のためには、その不動産の売却に詳しい不動産会社を選択することが非常に重要です。
先の査定を依頼したときの各社の対応から、その不動産の売却に詳しいのか、ふさわしい顧客名簿をもっているのかを見極めて売却を依頼するのが有利に売却する秘訣です。
あなたのマンション・アパートの価格が分かる
コラム監修
伊藤 幸弘(いとう ゆきひろ)
株式会社TOCHU(トウチュウ)代表取締役
投資マンション専門家/不動産コンサルタント
プロフィール
2002年より投資用中古ワンルームマンション売買のキャリアをスタート。
20年以上にわたり投資マンション市場に携わり、売主・買主双方のリアルな課題解決を通じて、個人投資家の資産形成をサポートしてきた。
2014年に株式会社東・仲(現:株式会社TOCHU)を設立。
投資用中古ワンルームマンションを中心とした売買仲介・買取事業を展開し、これまでの取扱実績は20,000件以上。
現在、会社には年間7,000件以上の投資マンション売却・不動産投資に関する相談 が寄せられており、多くの投資家の売却戦略や資産運用をサポートしている。
2025年には業界初となる価格透明化サービス 「TOCHU iBuyer」 を展開。
中古投資マンション市場の価格不透明性を解消し、投資家が適正価格で売却できる仕組みづくりを推進している。
「誠実な取引こそが市場の信頼をつくる」という理念のもと、 投資マンション市場の健全な発展を目指して活動している。
専門分野
・投資マンション売却
・投資マンション買取
・オーナーチェンジ物件売却
・不動産投資コンサルティング
メディア掲載・業界実績
投資マンション売却・不動産投資の専門家として、各種メディアや業界媒体で紹介されている。
・NHKにて不動産市場に関する取材
・「住宅新報」にてTOCHU iBuyerが紹介
・「リフォーム産業新聞」にて企業取り組みが掲載
・不動産業界メディア「リビンマガジンBiz」にてサービス紹介
・不動産オーナー向け専門誌「月刊 地主と家主」に書籍が掲載
・ERA LIXIL不動産ショップ全国大会にて成績優秀により複数回受賞。
・不動産業界団体 投資不動産流通協会 の会員として研修・研究活動に参加。
・JAPAN BUILD 「不動産テックEXPO」 のセミナー登壇
不動産取引のデジタル化・透明化に向けた取り組みを発信している。
保有資格
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・ファイナンシャル・プランニング技能士
・賃貸不動産経営管理士
・投資不動産取引士
・競売不動産取扱主任者
・日本不動産仲裁機構 認定ADR調停人
著書・実績
『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)
『マンション投資IQアップの法則 〜なんとなく投資用マンションを所有している君へ〜』(CHICORA BOOKS)



